第6話 魔石
次の日
俺たちはブラックドラゴンの生息地付近を通過し、比較的安全なところで休んでいた。
今は昼頃で、強敵は今日は一度も出て来ていない。
「昼飯にするか。」
「朝もたべてないしねー。」
「クテア、準備するよ!」
「は、はい。ミグルさんとユウヤさんは見張りお願いします。」
「任せておけ。」
「まあ、厄介そうなのはいなさそうだけどね。」
そして俺とユウヤは高いところに移動した。
ミグル&ユウヤ
俺たち男二人は話しながら見張りをしていた。
「ブラックドラゴンの素材って何だったんだ?」
「それはご飯の後のお楽しみ。みんなにもそこで言うから。」
「なんでそう隠すんだよ!」
「二度説明するのがめんどいからだ。」
そう言うとユウヤがムッとする。
「そういえばサノンの町は王国有数の美男美女が多い町として有名だったよな?」
「そうだよ、ハァー、サノンの町には可愛い女の子沢山いるだろうな。」
「お前の目的はそれかよ・・・まあ、イケメンで"剣帝"の能力持ちだから大丈夫だろうが。」
「"時支配"のお前のおかげで霞むけどな。」
「なんかトゲトゲしい言い方だな。」
なんか機嫌悪そうだな。
クテア&メイテス
男二人が見張りをしている時、女二人は仲良く料理をしていた。
「クテア、ドラゴン肉取って!」
「はい、これでいいですか?」
「うん、ありがとう。」
メイテスとクテアは昔からずっと一緒に行動して来たので仲がすごく良い。
「ところでさあクテア?」
「ん?」
「サノンの町って王国の中でも美男美女が多いらしいよ。」
「まあ、そんな話も聞いたことがありますねー、けど実際比率が高いってだけなので大して変わらないと思いますよ。」
「えっー、そうなのー!」
メイテスが絶叫した。
奇しくも男二人の話題とかぶっていることにツッコミたい。
「そこまで叫ばなくても・・・。」
「けど、うちの村ってそもそも若い人が少なかったからそんなことはないはず。」
「た、確かにそうかもしれませんね。」
メイテスが何故か必死で、クテアはそれに気圧されたようだ。
30分後
「ご飯ができたよー。」
「はい、今日はドラゴン肉のステーキとシチューです。」
メイテスとクテアが料理を持って来た。
「今日のドラゴンはすごい大きさだったからねー、お腹いっぱい食べれるよ。」
「それは楽しみだね。」
メイテスが言ったことに嬉しそうなユウヤ。
確かに超高級品のドラゴン肉をお腹いっぱい食べられると聞いたら俺も嬉しい。
そして、俺たちは食事を始めた。
さらに1時間後
俺たちは食事を終えていた。
残りのドラゴン肉は乾燥肉などの保存肉にしてからアイテムボックスに保存するようだ。
「ふぅーー。美味しかったねー。」
「確かにな、あれは絶品だった。」
ドラゴン肉はとても柔らかく、肉汁がとにかくすごかった。たが、後味はくどくなかった。
まさに至高の食材と言えただろう。
「ミグルぅー、もう一回ブラックドラゴン狩って来てー。」
「まだ余ったやつがあるだろう。」
「それが無くなった時のためだよ。」
確かにメイテスの言うことも分かる。
しかし俺はなんとか自らの欲望に打ち勝ち、素材を出す。
みんなが息を飲む。それほどにすごい素材ばかりだった。
ブラックドラゴンの鱗×30
ブラックドラゴンの牙×5
ブラックドラゴンの鉤爪×5
ブラックドラゴンの角×2
ブラックドラゴンの魔石×1
「「「ブラックドラゴンの魔石!」」」
そう、俺もこれに驚いた。
魔石とは魔物の核のようなものである。
この核にはその魔物の様々な情報がこめられており、食べると何かしらの恩恵を得られると言われている。
ブラックドラゴンは危険度最上級の魔物であるため、恩恵もいいものである可能性が高い。
「ブラックドラゴンの魔石以外は売って金にするとはいえ、魔石は誰が食う?」
「「「私(僕)がもらうよ!」」」
「、、、俺も欲しいんだが。」
これは誰が食べるか揉めそうだな。
こんにちはトニーひろしです。
今回は久々のバトルなしですね。
学園編ももうすぐです。
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これからもよろしくお願いします。