第五話 VS黒竜
今、俺たちはブラックドラゴンと向かい合っている。
グルアァァァァーーーー!!!
先に動いたのはブラックドラゴンだった。
ブラックドラゴンは始め黒炎のブレスを放って来た。
そのブレスをクテアの聖なる光の盾が打ち消した。そして後ろに控えていた8つの聖球が相手を襲う。
今度はブラックドラゴンが打撃で全て撃ち落とした。
黒炎を纏っているとはいえ聖球がノーダメージとは流石だ。
生半可なダメージがダメなら一撃で決めてやる。
俺は"近未来視"で"時流崩壊"の攻撃が当たるか確認する。
やはり、当たらない。
身体能力が高い上に五感能力補正(大)と反応速度補正(大)で軽々と避けられる。
って言うかそれらがなくても避けられるかもしれないほど勘が鋭い。
それなら
「クテアは聖球でブラックドラゴンを地上に追い込んで!メイテスはブラックドラゴンを地上に釘付けにして、ユウヤはその間に翼を攻撃!俺が"時流崩壊"で仕留める!」
「「「了解!」」」
これならかなり"時流崩壊"が当てやすくなる。再生能力補正(極大)があるため一撃で決めたいところだ。
クテアが作戦通りに30個の聖球でブラックドラゴンを追い立てる。
因み30個はクテアが操れる最高数でかなりの集中力を有する。
30個は鬱陶しいわな・・・。
そのまま思い通りに地上に来た。そのままメイテスが大槌で攻撃する。
しかし、それをかわしてブラックドラゴンはメイテスを力いっぱい吹っ飛ばしたという・・・
未来が視えた。
「メイテス、ガードしろ!」
「!!!」
メイテスは今にも大槌を振り下ろす態勢から一瞬で防御の態勢に立て直す。
そのまま衝突した。
メイテスはブラックドラゴンの突撃をなんとか受け止めた。
20メートルくらい移動しているがそれでも受け止めたのは流石だ。
そのままクテアの聖球がブラックドラゴンに襲いかかる。
しかし、やはりほぼダメージなしだ。
まあ、このダメージはハナから期待いていない。
「ユウヤ!」
「おうよ!」
ユウヤが素早く翼を切り落とす。翼はまた再生するが、それ以上の速さで傷をつけているため空に逃げられない。
そのまま俺はブラックドラゴンの頭に"時流崩壊"を当てて、消滅させた。
ブラックドラゴンはその場に倒れる。流石に頭を失ったら再生出来ずに死ぬようだ。
しかし、こちらの被害も少なくはなかった。
メイテスが両腕の骨を折る重症。両腕がぶらんぶらんと垂れ下がっている。
ユウヤは何度か攻撃がかすって軽傷。かすったといえどもあのドラゴンの一撃なのでダメージが大きそうだ。
クテアは聖光を短時間で操りすぎたことによる精神的疲労。
無事だったのは俺だけだった。
メイテスとユウヤは傷を負っているのでクテアが治療しようとするが、疲労のためか聖光が出てこない。
「ごめんなさい、、、肝心な時に、、、。」
「大丈夫だよ。傷は深いけど命の危険があるわけでもないしさ。すごく痛いけど。」
「まあ、クテアに頼りすぎて回復ポーションを買わなかったのは失敗だったな。」
「そうだねー、私たちも次からは気をつけよう。」
「それより、これからどうする?ミグル。」
とユウヤが聞く。
「俺がアイテムボックスの中に肉と素材をつめ終わったら休める所に移動するか。」
ここはブラックドラゴンの生息地付近でとても危険ではある。
そんなところで呑気に素材や肉やら取らないのが普通だが、今回の素材と肉は超一級品だ。
俺の作業が終わった後、500メートルほど先の水辺で休んで、クテアの聖光で傷をいやした。
素材の確認と肉を食べるのは明日にするか。
そのままあたりが暗くなって来たためそこで野宿をした。
こんばんはトニーひろしです。
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