第20話 感動
訓練所の後にも色々な施設を回った。食堂、図書館、そして寮などである。
そのいずれも特進クラスに何かしら有利な特典があった。
例えば、寮は通常クラスが2人で1部屋に対して、特進クラスの者は同じ部屋の大きさで1人1部屋である。
はっきり言って凄くいい!
特に寮が1人1部屋とかすごい待遇と感じてしまう。今まで個人の部屋なんてなかったからな。
「すごかったねー。」
そう言って嬉しそうな顔をするメイテス。
「これは来年も特進クラスで入れるように頑張らないとな。」
俺もついつい顔が緩んでしまっていた。
入学式があったこの日の授業は学校の施設案内だけであった。
俺は速攻で自分の部屋に荷物を運んで整理した後図書館を訪れていた。
特進クラスの俺には'図書館の本の貸し出し'の優先権がある。早速本を借りよう。
俺が借りた本は"時間停止"能力についての本だ。はっきり言ってこの能力があれば戦闘が劇的に安定するだろう。
しかし、やはりメカニズムが難しく3時間読んで10分の1ほどしか読めなかった。
この能力の習得には時間がかかりそうだなとしみじみ俺は感じていた。
そしてそれから一時間後。
俺は猛烈に感動していた。メ、メシが美味すぎる。
俺たちパーティーとレーティシアのいつも集まる5人組にレームさんが加わった6人で食堂にご飯を食べに来ていた。
食堂では俺たち特進クラスにはご飯大盛り無料と特進コースという特進クラス限定メニューのサービスがされている。経済的にも安心だ。
俺たちは取り敢えず特進コースを選んだ。全員限定メニューに弱いな・・・。
そこで食堂に夕飯を食べに来たのだが・・・メシが美味すぎる。
「これ・・・美味しいです。」
「うわはっ、ウマー。」
「これは美味しいですね。」
クテア、メイテス、ユウヤが驚きの声をあげる。
元々俺たちは質素な教会の孤児だからな。こんな美味い食べ物お祝いの席でも食べた事がない。
レーティシアとレームは普通に食事している。
「普通ですね。」
「はい、レーティシア様。しかし、食堂でこれほどの質のいい食事が取れるとは思いませんでした。」
レームさんもう慣れたようだ。自己紹介の時みたいな事にはなっていない。
レーティシアいわく、何か焦るような事が起きるとああなるそうなので、また残念なレームさんになるかもしれないが・・・。
「何かミグルさんを無性に殴りたくなりました。なぜでしょう?」
レームさんが急にそんな事を言い出した。女の勘恐るべし。
だがレーティシア、この料理が普通って?王族のご飯は美味いんだろうな・・・。
俺のパーティーメンバー達もレーティシアを羨ましそうな目で見ていた。
「そ、そんな顔をされても困るよ。どうすればいいの?」
レーティシアが困惑気味だ。
レーティシアが涙目になって来たので別の話に切り替える。
「確か、週5で学校だよな?」
「そうよ。どうしたの?」
レーティシアが聞いてくる。
「いや、学校とか今まで行った事がなかったから実感が湧かなくて・・・。」
「まあ、ほとんどの人がそうだと思うよ。」
ユウヤがそう返した。まあ、確かにそうなんだがな。
「ところで、ミグルさんは教科書買いました?私はユウヤさんとメイテスと3人で買ってきたので・・・」
クテアが急にそんな事を聞いてきた。
「そうだよ。部屋に行っても留守にしていたからね。」
ユウヤがクテアに続いて言う。
教科書・・・買ったかな?いや、買ってない!
「やばい、すっかり忘れてた!教科書買わないと。」
焦る。確か教科書の販売は購買にもあるが、今回は初めての配布だから半額になっていたはず・・・。急がないと!
「確か夜の8時までのはずだったから、後3分しかないよ。」
ユウヤが言う。ならすぐにでも行かないと。
「なら、ちょっと行ってくる。」
俺は"空間転移"の能力で飛ぶ。
結局ギリギリところで購入できた。よ、よかった。無駄な散財を防いだぞ!
そして、帰ってみると俺の料理がなくなっていた事は言うまでもない。
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