第1話 3年後
3年後
「きたぞ、奴らだ。」
「あれが噂のCランクパーティー・・・。」
「あいつら冒険者登録してからまだ1年らしいぞ。」
そう、俺たちは一流の冒険者となっていた。
この国での成人は18歳だが、冒険者登録できる年は15歳である。
俺たち4人は冒険者になった。理由は簡単である。冒険者登録している方が何かと助かるのだ。
理由は3つある。一つ目はこの村限定だが冒険者は戦闘に必要な装備を2割引きで買えることである。
この村はロート王国の辺境に位置しており、軍は当てにはできない。よって魔物の襲撃などは冒険者たちが対処しなければならない。
だから、その見返りとして戦闘に必要な装備は2割引きとなっている。
2つ目は報酬である。魔物狩りでは狩った魔物の素材でしかお金を手に入れられなかったが、依頼を受けて倒した場合、報酬ももらえる。
つまり一石二鳥だ。
そして3つ目の理由は冒険者に無料で支給される道具でアイテムボックスを頂くためである。
実はこれが一番の理由である。
アイテムボックスは文字通りアイテムや素材を収納する道具である。だから倒した魔物の素材を荷物として持ち運ばなくてよくなるのだ。
つまり今まで素材の重量を気にして素材を捨てる必要も無くなるし、無駄な体力、時間を費やさずに済むということだ。
結果、俺たちは魔物を狩り続け、驚異の新星と騒がれ始めたのであった。
「今回も余裕だったね。」
「次の依頼ちゃっちゃと行こー。」
「油断は良くないよー。」
俺たちは危険ランク上級の魔物ビーストキングの討伐からもどってきた。
・・・なんとまとまりのないことか。
って言うかメイテス、疲れ知らずか。
「俺は疲れたから帰るよ。」
一足先に俺は教会にもどって休んだ。
次の日
「ねぇ、ミグルぅー、学校っておもしろそうだよね。」
急にメイテスがそんなことを言い出した。何を企んでいる。
「いやー、学校とか行ったことないからねー。」
「学校、おもしろそう。」
ユウヤとクテアもそれに同意する。・・・貴様ら何を考えている。
「第三能力学校に一緒に入学し「断る」ってはやっ!」
「寝言は寝て言え」
「しかもツッコミきびしー!」
「だいたいなんで学校行くんだよ!資金面考えたらマイナスだろ。」
ロート王国には4つの能力学校がある。
そのうち第一、第二能力学校の2校は貴族の入学しか許していないが、第三、第四能力学校は平民も入学できる。
まあ、貴族の方が優遇されるが・・・。
何故貴族が優遇されるかと言うと、学校への寄付金と能力の強さには遺伝が大きく関わっていると信じられているからである。
実際、それはとある実験で証明されている。
まあ、俺が言いたいことは
「金はどうすんだ。」
「誰かお金貸してくれる優しい人いないかなー(チラッ)」
「名前がミから始まってルで終わる人のことだよね(チラッ)」
「そこまで言うと素直にお願いした方がいいと思う・・・。」
約2名がクズである。
まあ、とある出来事で俺は金が有り余るほどあるが、そのことは今は省いておこう。
「けど、卒業後は確実に高収入の職につけるよ。」
「ハイリスク、ハイリターンだね。」
まあ、それはある。能力学校はエリートの巣窟だ。
もちろん、退学などで振るい落とされることも少なくなく卒業生は総人口の5%ほどしかいない。
よって、就職には困らない。しかし
「俺らは冒険者として生活出来るくらい稼いでいるが。」
そう、就職に困ってないのだ。
そう返すと2人の視線が逸れる。
「いや、正直ちょっと刺激が欲しいなと。今の生活ギャンブル性がなくてさー。」
「リッチ系紳士って最強だと思う。」
最早言葉も出ない。
「私はいろんな人と出会って友達になりたいなーって。」
君たち、クテアを見習いなさい。
俺はそう思いながらこれからの事を考えるのであった。
能力世界で時支配2回目の投稿となりました。
いやー、クズが多いですね。
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