第18話自己紹介<2>
次は落ち着いた雰囲気の女性が自己紹介をした。
「私の名前はサキ。ヤマト地方のオサヤマ町出身だ。よろしく頼む。」
目付きが鋭く腰には刀を下げていた。また、気の強そうな女の子だな。
ヤマト地方は王国の西側に位置する地方で、有名な地方である。
ヤマト地方では他の剣よりも斬れ味や耐久性が優れている'刀'という反った片刃の剣が作られている。
それはヤマト出身者の秘伝の技術であり、現在もヤマトでしか製造されていないことが有名な理由の一つ。
二つ目は、王国内でも武闘派が多い地域である事が理由である。ヤマト地方出身者は平均的な王国民よりも強く、歴史に名を残したもの達も少なくない。
「これからよろしく頼む。」
顔色一つ変えずに自己紹介終わったな。なんかクール系多いな。
「ウチの名前はノーラ フォン パーリだよー。しがない地方の貴族だよー。みんな暗いねー。もっと騒いでいこー。みんなー、よろしくねー。」
軽い、なんだ急に。
今までの流れがクールで少し重かったせいで急なテンション変化についていけない。
まわりで聞いているクラスメイト達もどう反応すればいいか迷っている様子だった。
ユウヤ、苦笑いしない!
「もっと、アゲアゲでいこー。ジメジメしてるよ。改めてよろしくー。」
こうして嵐のような自己紹介はすぎて行った。
次はレームさんのようだ。
「私の名前はレーム フォン アテスシアです。レーティシア フォン ロート様の護衛を務めています。まあ、レーティシア様に護衛役は必要ないかもしれませんが・・・。レーティシア様をお守りする事が私の使命です。放棄するなんてありえません。欲を言うなら、レーティシア様に頼られるような人間になりたいものです。あっ、また関係のない事を・・・。私はなんてダメ人間なんだ。同じミスをなんども・・・。これだからにこんな護衛役は信用ならんと陰口を叩かれるのだ。隙が多すぎ、弛んでる。これではとても人に尊敬される人間には・・・。はっ、また話がそれた、馬鹿馬鹿馬鹿。レーティシア様、申し訳ございません。また馬鹿なことを。ムチでお仕置きされるかもしれない。いや、むしろイイ。ご褒美だ。ハァハァハァ。と、取り敢えずみんなとはなるべく仲良くしたい。これからよろしくお願いしますっ。」
また嵐が到来した。しかも、今度はヤバすぎる。
レームさん、初対面では普通な感じの人だったのにこれはどうした?
「はぁー、また悪い癖が出ました。」
レーティシアが残念な人を見る目で言う。実際、今のレームさんは残念だ。
「レームは人見知りで緊張するとすごく空回りするのです。昔はそうでもなかったのだけど・・・、年々酷くなってこの有り様。しかも、いつもは見せないドM人格が現れてきて・・・、案外こっちが本性だったりするかもね。」
イタズラっぽくレーティシアがこっちを向いて笑う。
レームさんはまともな人だと思ったんだけどな。
あれ・・・?ならなんで最初に会った時は緊張しなかったんだろう。
「最初俺たちと会った時は緊張してなかったじゃないか。それがどうして?」
レーティシアがそれに答える。
「多分、私の知り合いで、あの時の自己紹介は私を介していたでしょ?それでまあ、そこまで緊張しなかったんだと思うわ。」
なるほど、そう言う訳か。
おっと、ノーラさんの後のレームさんでほとんどの人が固まっている。処理しきれないんだろうな。
その後はレーティシア、メイテス、クテア、ユウヤそして俺の順番で自己紹介をした。
俺とレーティシアの自己紹介は注目されていたようだ。視線が妙に厳しかった。
まあ、一位と二位だしな。
俺の自己紹介が終わってみんなが雑談をしていると・・・ゴリマッチョの暑苦しい男が入ってきた。
「俺の名前はデリーベ フォン グラルブだ。お前たちの担任を任された。俺は今年から特進クラスを担当する事となったので少し緊張している。まあ、お前達の実力がこの学校で更に高められるように努力するつもりだ。これからよろしく頼む。」
よかった先生はまともな人そうだ。
「あっ、後俺から手っ取り早くつよくなる方法を教えてやる。」
なんだろう、そんなものがあるんだったら是非聞いておきたい。
「毎日ぶっ倒れるまでトレーニングするというものだ。」
爽やかスマイルでそう言った。
・・・全然まともじゃなかった。
こんにちは、トニーひろしです。
クラスメイト達にの設定はいかがだったでしょうか。
これからも頑張って行くのでよろしくお願いします。