第17話 自己紹介<1>
「おはようございます。新入生のみなさん。」
学園長のこの挨拶で俺たちの入学式は始まった。
学園長は白髪で身長はあまり高くない。優しそうな感じだ。
因みに序列とは入学試験の成績によって決まる強さ順のようなものである。
俺たちの学年は俺とレーティシアとの戦いでリングがボロボロになってしまったためトーナメントを最後まで出来なかった。
だから今年は例外的に学園長が序列を決めたそうだ。
第三能力学校の学園長マルス フォン ユーテナは元は平民出身の貴族であるが、ロート王国の軍人として数々の功績を残し、貴族になったそうだ。
だからかなりの実力者だ。俺とレーティシアと同じくらいだろうか?
そんな実力者であるため彼の序列決めに誰も異をとなえなかったそうだ。一度戦って見たい。
「さあ、新入生のみなさん。三年間悔いの残らないように生活してください。これで学園長挨拶を終わります。」
そうな事を考えていると学園長挨拶が終わってしまった。次は生徒会長挨拶だ。
「生徒会長挨拶、生徒会長テヘール フォン メトルさん。」
教師が生徒会長へ呼びかける。
「新入生の皆さん、入学試験お疲れ様でした。生徒会長のテヘール フォン メトルです。」
生徒会長テヘール フォン メトル。第三能力学校の三年生だ。
髪と目が翡翠色の美少女である。校内にはファンクラブまであるそうだ。
彼女の二つ名【天空の巫女】は【傾国の王女】ほどではないが有名だ。
年に1度開かれる学園対抗戦では能力を駆使して戦場を暴れまわり、畏怖された時につけられた二つ名だそうだ。
因みにその時の服装が巫女服だったので【天空の巫女】だそうだ。
そして第一から第四まである能力学校全体での序列は3位の実力を持つ。
彼女の二つ名が【天空の巫女】なら空に関係する能力なのだろうか?
「これで生徒会長挨拶を終わります。ありがとうございました。」
生徒会長の挨拶も終わったか。
まあ、この学校で知っといた方がいい生徒はこのくらいだろう。
後の始業式はウトウトしていたせいか、よく覚えていない。
ホームルームに戻った俺たちは最初に自己紹介を始めた。
まあこれからクラスメイトになるんだし、お互いの事は知っといた方がいいよね。
「ならまず俺から始めさせてもらう。俺の名前はデレース フォン フライテスだ。平民はひれ伏したまえ。貴族の人とは仲良くしたい。」
いきなり喧嘩売ったバカが一人。
当然ブーイングが飛んでくる。
「ちょっと、そんな言い方はないんじゃない?」
「訂正を要求するよ。」
メイテスとユウヤが怒っている。
「ふん、平民のくせに。君達は黙って私の言う事を聞いていればいいのだよ。」
ほんとブレないな、コイツ。
「この学校では身分による差別は禁じられているはずだが・・・」
そう言ったのはレーティシアだ。
レーティシアは王女だ。たとえ貴族であっても逆らえないだろう。
予想通りデレースの顔が青ざめる。
「も、申し訳ございませんでした。王女殿下。」
とはいえ変わり身が早すぎる。
もうちょっと粘ってもいいんじゃないかななんて思ってしまった。
まあ、とりあえずお礼は言っとこう。
「レーティシア、俺たちのためにありがとな。」
そう言うとレーティシアは顔を真っ赤にして言う。
「べ、別にあんたの為とかじゃないんだからね。」
出ました、ツンデレ。いつも可愛いな。
「次、いいか?某はマクギリス フォン スペンローだ。マーゼ村出身だ。これから一年間よろしく頼む。」
マクギリスは灰色の髪で目は黒色だ。背も高く鋭い目つきのイケメンだ。
おかしい・・・何故俺のまわりにはイケメンが集まるのか。俺は普通なのに。
マーゼ村といえば王国内では東に位置するはずだが、何故わざわざ遠いこの学校を選んだんだろう。
彼はレーティシアに2回戦で剣を抜かせていたから実力者である事には変わりないが・・・。
何かありそうだな。
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