3/27
03 新たな住人
「ちょっとひとみ、あんたもコレ持ちなさいよ」
エルフ妖精のエルエルが、女の子の生首を掴んで重そうに飛びながら、一足先に飛んできたひとみに向かって文句を言っている。
「首なし首なし首チョンパー」
その隣で首なし死体の方をオーガ妖精の桜花が一匹で軽々と持ち上げて、不穏な唄を歌いながら飛んでくる。
そして二匹の妖精は、その死体を僕の目の前に放り投げた。
どうやらここにまた新たな住人がやってきたらしい。
この状況から察するに、この首なし死体の主人は、エルエルが持ってきた女の子の生首で間違いないだろう。
首を切断された少女の最後の表情は、直視するに耐えない酷い表情だ。
なんと酷い死に方なんだろうか。
一体彼女に何かあったと言うのだろうか。
とりあえず僕はズボンのポケットからスマホを取り出しカメラを起動して彼女を撮影した。
うん、なぜかって、それは君、記録を残す為だよ。
この女の子もここに来たってことは何か強い未練を残して死んだって事だからね、その未練を解消してあげるには情報は少しでも多い方が良いからね。




