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21 全身クリームまみれ
テーブルの上に置いてあった保湿剤の入った缶の中に桜花が居た。
全身クリームまみれで真っ白になっている。
「桜花、何やってるの?」
「保湿っ!」
ああ、そら全身余す事なく保湿できるだろうよ。
まるでお風呂のように保湿剤の中に飛び込んだらな。
「この保湿剤、もっとたくさんありますの?」
アリスが目を輝かせてこっちを見ている。
「一応言っておくけれども、アレはああいう風に使うものじゃないからね、適量を手にとって肌に伸ばして使うものだよ」
「……もちろん、そのつもりですわ」
うん、明らかにトーンダウンしたね。
それでも僕がチューブタイプの物を彼女に渡すと嬉しそうな顔でお礼を言ってくれた。
「感謝いたしますわ」




