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とある国の王子と姫の結婚生活

作者: ホミー

 明日は私と彼の結婚式。


 でもこの結婚式は愛で結ばれる結婚式ではないの。


 私の住んでいる国はとても小さな国。そしてこの国のお姫様。もし戦争なんて始められたら真っ先に滅ぼされるような小さい国なの。

 

 私はそんな弱い国のお姫様なんだけど、ついこの間いきなりとある大きな国の王子様が私に一目惚れしたとかで急に求婚を迫ってきて・・・。


 私の両親はホントに喜んでたわ。何せあんな大きな国の王子と結ばれれば私たち家族は安泰だし、市民を守ることもできる。戦争なんて始められても、王子が所属している国は軍事力も高いし団結力がある。


 おまけに王子も人が良さそうなイケメンだし断る理由がないわ。


 でも、ここに私の愛なんて関係ないの。


 そりゃ、私には大切なボーイフレンドなんていないし、かといって他の国の王子が私なんて相手にしてくれるわけがない。


 だって政略結婚するならもっと大きな国の姫を妻にしたいって思うもの。だから、私には断る権限がない。家族だってとても喜んでる。こんなに喜ばれたら、私も引くに引けないわよね。


 私にこれから大切な人が現れるかもしれないっていうささやかな希望は捨てて、この結婚を機に幸せを掴もう。


 大丈夫よね・・・。これから愛を育めばいいんだから。




 結婚式から早くも半年が経った。


 彼は大きな国の王子だし、その妃をするのはやっぱり苦労の連続だったわ。ホント色々な国から祝福に訪れるものだから、こちらからも直接色々な国に出向いてお礼とか言わないといけないし。


 でもようやく落ち着いて、二人の生活が始まったわ。最初はとても不安だったけど、そんな不安、半年も過ぎたら吹っ飛んじゃった。


 彼は大きな国の王子なのに全然気取ってなくて、人当りがいい。


 しかも私のことを本当に優しくしてくれて、見た目だけじゃなく、中身もパーフェクト。結婚してよかった!今は本当に幸せ。このまま永遠にこの幸せが続くといいなあ。




 結婚してから1年が経った。俺は一目惚れしたのがきっかけで妻と結婚した。本当にきれいなお姫様だった。こんな美しい人なら別にこんな小さな国の姫でも構わないとさえ思った。


 だが、とんだ暴力女だった。正直さっさと離婚したい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 姫の思っていることと、王子の思っていることが真逆で面白かったです。 きっと、王子の思っていることのほうが、真実なんでしょうね? 最後まで読んで、結構笑えました。
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