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ダンジョン運営記  作者: レベル
7/39

ダンジョン拡張後②

修行僧か求道者が己の肉体に負荷を掛けて、精神を鍛え上げる様に黙々と肉体を酷使するゴブリンが居た。



「フンッフンッフンッ…」



黙々とスクワットを続けるゴブリンの足元に、汗が溜まって水溜まりになっていた。

どれだけの時間スクワットをすれば出来るのか想像もつかない大きな水溜まりだ。



ピンポーン!



<新たに魔物が発生し眷族に成りました>



「おっ!」



頭に響いた報せにスクワットを止めたゴブリンが、何度も深呼吸して息を整えた。



「コア、新たな眷族の詳細表示と姿を映し出せ。」



個名:

個数:2

種属:魔属

種名:妖禽鷹♂.♀.

官職:

官位:

費用:魔力20Pt



*魔物を補食した為に魔力が変質し魔物化。

数Km先を見通す目を持つ。

翼を拡げると3mを超え、30Kg程度の獲物なら抱えたまま飛べる。



「何時の間にか夜が明けたんだな。

大鷹が魔物化したんだ。

妖禽鷹?ようきんようって読むのか?

魔物化は難しい名前に成るのか?

数Km先が見えるってすげぇな、ホークアイって遠視の代名詞だし当然か。

戦力としての力も十分有りそうだ。

召喚消費魔力が高いのも納得だな。」



「妖禽鷹に命令、ダンジョン外の日中警戒監視をしろ。

餌は外で捕まえ、ダンジョン内で殺して喰え。」




「クエェェーッ。(はい。)」



「妖禽鷹も会話が出来るんだな。

これで昼間の警戒監視体制も出来たな。

妖禽梟と共に産卵して増えれば、言う事無しだな。」



いつもの様に小部屋の水浴びで汗を流し、スライムで水を吸い取らせた後に2体を抱えてコアルームに戻った。



コアルームに汗で出来た水溜まりに、スライムを置いて命令した。



「その水溜まりを吸い取って綺麗にしてくれ。」



理解を示す様に全身を小刻みに震わせた後、水溜まりを吸収し出した。



コアを触り気を失って目覚めてから13日目の約2週間、寂しかったんだよ。

スライム達を撫でながら、癒されるのが自分でも判った。

話し相手も居ない狭い空間に心が弱ってたんだな多分。



「お前の名前はスラッチ、お前はスラリンだ。」



指差しながら思わず名付けてしまった。

何故か名前が頭に浮かんだんだ。

思い出せ無い記憶の影響かな?

善く善く考えれば安易でセンスが無い。

自分の名前すら未だに決めかねてるんだ、センスなんか元々無いか。



「うんっ!?」



水溜まりを吸い取り終わったスライム達が、激しく震え始めた。

何が起きたか理解出来ずにオロオロしていると、震えが小さくなり治まった。



ピンポーン!



<新たに亜種が発生し眷族に成りました>



「コア、新たな亜種の詳細表示と画面を映し出せ。」



個名:スラッチ&スラリン

個数:2

種属:魔属

種名:ブロブスライム

官職:

官位:

費用:魔力2Pt



*特殊な水溶液の摂取と授名の相乗効果で特殊進化した亜種。

非常に高い粘着性を持つ。



「特殊って俺の汗だろう?

ブロブって確かゼリー状の塊とかって意味だよな?」



聞き慣れ無い言葉の意味が頭に浮かんだ。



「粘着性が高いなら拘束とかトラップに使えそうだな。

スラッチとスラリンに命令、コアルームに進入者が来たら拘束。」



スラッチとスラリンは、大きく上下に伸び縮みした。まるで返事をする様に。



「コアに質問、通常魔物に名前を与えた時の利点と欠点は何だ。」



<利点は名前を得ると同種に比べ格段に高い基礎能力を得ます。

欠点はリポップ不可能。>



うん、俺の知識と一緒だな。

相乗効果についてはイレギュラーかな?

さっぱり判らん、やっぱり魔物は不思議だ。



ピンポーン!



<新たに魔物が大発生し眷族に成りました>



「はぁっ?大発生って何だよ?

訳判らん、本当に。」



立て続けの報せを戸惑いつつ、ブロブスライムについて考えていた。



「ゴブリンかダンジョンマスターの汗は、特殊な成分が在るんだろうか?

魔力が豊富に含まれるとか、この緑色の肌から何かが分泌してんのか?

さっぱり判らん、まぁ良いか。」



「コア、新たに発生した魔物の詳細表示と姿を映し出せ。」



個名:

個数:1

種属:魔属

種名:妖蟲大雀女王蜂

官職:

官位:

費用:魔力10Pt



*魔物を補食した為に魔力が変質し魔物化。

コロニーを成形し支配する。

生涯総産卵数は十数万に及ぶ。



個名:

個数:18,446

種属:魔属

種名:妖蟲大雀蜂

官職:

官位:

費用:魔力1Pt



*魔物を補食した為に魔力が変質し魔物化。

女王を頂点としたコロニーを成形する。

神経麻痺の毒針を持つ。



「雀蜂が巣丸ごと魔物化したって事だよな?

女王蜂は召喚消費魔力は、妖禽梟と同じって事は?

ひょっとしたら知能も同じ位かも?

名前が長くて呼びにくいから、名前付けるか。」



「妖蟲大雀女王蜂、お前に名前を付けてやる。

お前の名前は、エリザベスだ。」



これまた、女王から連想した名前だ。

スラッチ達に比べ格好良い名前だ。



「ヂイッヂイッヂーイッ。(善き名を頂き、有難う御座います。)」



流石は女王だな貫禄在る話し方だ。



「エリザベス、お前はコロニーを統率して妖蟲大雀蜂達に指令を出せ。

餌はダンジョンの外で捕らえさせろ。

可能ならダンジョンで殺せ、無理はするな。

ダンジョン外で眷族以外の魔物と人間を見つけたら、大至急連絡をしろ。

出来るか?」



「ヂーイッヂイッヂーイッ。(主の為ならば、我が命を賭け遂行致します。)」



「頼んだぞ、エリザベスよ。」



「ヂイヂーイッヂイッ。(はっ、お任せあれ、我が主。)」



なかなか個性的だな。

蟲とは謂え、万もの数を束ねてたんだ強烈な個性が無いと無理だよな。



妖蟲大雀蜂の神経麻痺毒は、水妖蛇と並ぶ大きな戦力だな。



スラッチ達の粘着性と共に、使い途を考え無いといけないな。



胡座を掻き、膝の上にスラッチとスラリンを乗せ、なんとも謂えない手触りを楽しみながら口を開く。



「コア、何故妖蟲大雀蜂達は一斉に魔物化した。

エリザベスは名前付けたから話せたのか?」



<エリザベスが魔物化する影響で、コロニー全体が魔物化しました。

エリザベスは魔物化した時点で会話可能でしたが、流暢に会話出来たのは名付けの影響です。>



「成る程ねぇ~。」



今は魔力が溜まるのを待とう。

監視体制と多少戦力上昇も出来てきた。

焦る事は無いスライム以外は、魔物とは簡単に判らないからな。




10.19(日)AM7:00

投稿予定です。



では(´・ω・)ノシ

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