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ダンジョン運営記  作者: レベル
36/39

情報入手①

 「ご苦労だった。 夜陰に紛れ村跡で、調査団が訪れる迄片付けしつつ待機せよ。 可能なら調査拠点の建設を手伝い、調査が始まる迄情報を収集し、然るべき時期に指示を受けた後又は、手伝いが無理な場合は王都に戻りダンジョン討伐隊に復帰し、更なる情報収集に励め。 念話能力と連絡要員に、念話持ちの妖禽鷹を2名を付ける」


 「はい」


 ダンジョンエリアの外周部にキュー太郎達を転移させた後、監視の魔物とスライムを除き全てをダンジョン入口側の大部屋に回収し、スライムの上限数を一万迄調整した後にマスターは深く考え始めた。




 調査団の責任者がヤバい、メチャクチャ切れ者だぞ。

 ダンジョン討伐隊の成果を聞けば、魔物とダンジョンについては詳しい。 恐らく俺より理解して、対策対応してる感じだ。 

 それよりも魔法に関しては、手探りで運用中って感じで魔法の存在は知られて居るが、扱える人数の少なさと魔法そのものの効果が微妙な感じだ。

 人間の魔力の低さが問題なのか、御伽話や伝承に残る大昔に起きた人族と魔族に寄る世界規模の大戦の影響で失伝した技術と云われる話が本当なのか?

 油断は禁物だが、魔力感知に関しては野良ゴブリンや配下の方が明らかに優秀だ。 

 


 俺とコアさえ無事なら、やり直しは何度かは出来るだろう。 ダンジョン討伐の対応を見るに、奴等の知らない魔物や魔法や魔力を使った初見殺し、ハメ殺しが使えんじゃね?

 池の底からの長い水没通路、瘴気が充満した入口、現状は攻略不可能に思える。 いずれ俺とコアが移動出来れば安全性が格段に上がるはず。 ダンジョンのLv か俺の官位が上がればワンチャン有り得るんじゃ無いか? まぁ実際にその時が来なきゃ確認すら出来んからこれ以上考えるのは無駄だな。


 初見殺しに使える魔物を手に入れるにはどうすればいいのか? ブロブスライムは俺の汗と名付けで変異したんだっけ? 色んな餌を与えて、特殊な変異を促すってのはどうだ? アラウネは魔力(スライム)を与えたら、歩行能力が開花したんだよな確か? 魔力結晶を直接与えたらどうなるか?


 多様な種と交配出来るゴブリン(俺)の血液や体液、排泄物なんかを与えたら面白そうだ。 他にも……



 ゴブリンのダンジョンマスターの意識は、新たな気付きから深い深い思考の海に沈んで行った。




 「おや、ガスレン夫妻じゃないですか? こんな所で何をしているんですか?」


 「此処は、私達の故郷なんです。 せめて荒れ果てたこの場所を綺麗にしたくて……」


 「そうでしたか。 宜しければ、私達と共に村の片付けを手伝って貰えませんか?」


 「宜しいのですか?」


 「ええ、是非お願いします」


 「ありがとうございます」



 あれ程の瓦礫の山に、汚れた姿、見るからに憔悴し疲れ果てた姿を見れば、どれ程の時間を費やして居たのか? 

 ダンジョン討伐隊に所属して居た事だし、身元は確かだ。 気の済む迄手伝って貰おう。


 村跡の整備と並行して、簡易拠点を作り、樹海への簡易調査隊を派遣して、本格的な拠点の縄張りの準備と忙しいが、樹海の深部迄調整隊を送る事も視野に入れねば……



 村跡の中央にかつての村名の由来になった大木の上から、調査団を見下ろす番の鷹が居たが、数百人に及ぶ調整隊の人々は誰も気にも止めなかった。 幽体を持つ魔物の存在には、誰一人として気が付かなかった。


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