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センパイ鬼畜っス。

センパイ視点。


そして完全に朝チュンw

「む………」


朝、俺は顔を照らす朝日と小鳥のさえずりに目を覚ます。


ぼやけた視界の中であたりを見回してみると、見覚えの無い部屋が目に入る。


全く持って飾り気の無い部屋に、机代りのコタツと、本棚、それに今俺が寝ているベッドがあるだけの部屋。


「ああ…… 朱音の部屋か」


俺は、軽くあくびをしながらそう呟き、昨晩のことを思い出す。


そう、俺は昨晩朱音と……


「む……ぅ…」


そんな小さな声を耳にして、視線を自分の胸元へと下ろせば、そこには一糸まとわぬ朱音が寝ながらに俺へとすりよって来ていた。


恐らく、俺が少し起き上がったことで冷たい空気が流れこんだのだろう。


寒さを感じた朱音が、暖を求めて俺へと擦り寄って来たのだ。


「しかし…… これは」


俺は布団の隙間から除く、朱音の胸元を見てごくりと唾を飲み込んだ。


実に絶景である。


「………………………………ぁぇ?」


俺がそうして朱音のあられもない姿を眺めていると、やがて朱音が目をさまし始めた。


朱音はいつも通りに眠たげに目を見開いて、ぼけーっとしながら俺の事を見つめる。


「ぁ……………れ? なんで…………せんぱいが……………………いるんスか?」


朱音は緩慢な動きで顔を起こす。


それと同時にハラリと落ちる布団。


「ぅぇ…!? さ、さむいっス………」


肌を刺すような朝の冷気に顔をしかめる朱音。


「え……!? なんで僕はだか…!? ……………………ぁ」


そして、ピキリと硬直した後に、じわじわと顔を赤くして、わなわなとしながら布団を抱くように手繰り寄せて自らの体を隠す。


「せ…… せんぱい……」


「なんだ?」


朱音は耳まで真赤にしながら、斜め下を向いて俺から目を逸らす。


「き、着替えるんで…… 部屋から出ていってくださいっス……」


布団をぎゅっと握り締めながら、小さい声で俺にそう言う朱音。


「なんで?」


「な……… なんでって……!」


俺がそれに少しだけニヤニヤしながら答えると、朱音はそれに顔をかぁっと赤くして驚いたように答える。


「今更恥ずかしがることないだろ?」


「ぇッ………………ぅぅ……!」


顔を赤くしたまま、困った様にして視線をうろちょろさせる朱音。


「や……やっぱダメっス……!! は、恥ずかしいっス…… お願いだから出て行ってくださいっス……!」


そして、最終的には切れ気味に泣きそうな顔を浮かべて、そう言ったのだった。


「くく…… わかったよ」


俺はそんな朱音を微笑ましく思いながら、部屋を立ち去るのだった。


――――


「あ…… あさごはん…… 食べますか?」


それから数分後。


制服に着替えた朱音と俺は、一階にある台所へと場所を移す。


朱音はさっきから俺と一度も目をあわさず、顔を赤くしながらそう呟く。


「ああ、頂くよ」


「じゃぁ…… つくるっス」


朱音はそう言って、エプロンをつけて調理を開始する。


朱音の制服エプロン…… 実に良い。


「なぁ…… 朱音」


俺はそんな、実に魅力的な朱音に誘われるかの様に引き寄せられ、そして朱音の腰を撫でる。


「ひゃ…!?」


ビクンと、背筋を伸ばしそれに反応をする朱音。


「な…… なん… す か?」


怯えとも、驚きともとれる表情をして…… 顔を赤くしたまま俺の事を見やる朱音。


俺はそんなテンパリ気味の朱音を見て、ニヤリとしながら、そして朱音を背後から抱きしめる。


「ひぅ……」


硬直して停止をする朱音。


抱きしめた朱音の体温が、かぁっとなって熱くなって行くのが良く分かる。


そんな初心な朱音の反応が…… 俺は心底楽しい。


「昨日は…… ありがとな」


俺は朱音を抱きしめたまま、朱音の耳元に口を寄せ、息がかかるようにそう呟く。


「ゃ……ぅ…」


昨日の事を思い出しているのだろう。


朱音の耳が真っ赤に染まって行くのが目に入る。


その真赤な耳が…… 俺はとても美味しそうと感じた。


色んな意味でだ。


かりっ…


「ゃぁっ…ッ!?」


俺は朱音の真赤になった耳を、犬歯であまがみする。


すると、朱音は面白いくらいに体をはねさせて震え上がる。


「なぁ……!!??」


朱音は自分の耳を押さえて、ぷるぷると振るえながら、「信じられない…っ!」と言う目を俺に向ける。


何か俺に言ってやりたいのだろう…… 口元をわなわなとさせてだ。


「また…… させてくれよ」


「ぇ……っ!?」


そんな動転しまくっている朱音の反応を味わいながら、俺は真剣な視線でそう朱音に伝える。


誤魔化しも取り繕いも回りくどさもなく、ストレートにただそう伝える。


朱音の目をしっかりと見つめて言う。


「ぇ……ぇぇ……」


そんな俺の視線から目を逸らし、顔を真赤にさせて戸惑う朱音。


ホントは俺から距離をおきたいのだろう。


軽くじたばたとしているが、何せ後ろから抱きしめているので身動きが取れない。


「いいだろ…… 俺はお前が欲しいんだ、お前の事が好きなんだよ」


「ひ……」


俺は動揺する朱音に畳み掛けるように、そう言葉を続ける。


朱音は、そう言って顔を寄せてくる俺に悲鳴じみた声をあげるが、関係ない。


朱音は良くも悪くも素直だ。


本当に恐怖してるのなら、それは俺にも伝わってくる。


分かり易いほどに。


そして、今朱音が……


「な…… いいだろ……?」


「ぅ……ぁぅ…」


俺に対して異性として意識しまくっているのが、伝わってくる。


分かり易いほどに。


「な…… あかね」


「ぅ……」


三度、朱音に促す俺。


朱音は俺に顔を背けたまま…… 無言で三回こくりこくりと頷く。


朱音の体が、面白いほどに熱い。


「ありがとな…… 体、大丈夫か?」


俺はそんな朱音を満足げに見つめ、そして朱音の頭を撫でる。


「ぅ…」


朱音はそんな俺の事を困った様にして見上げる。


その表情には、怯えと不安と諦めが宿っていたが…… その瞳に拒絶の色は無い。


そう…… 俺ははなから知っている。


朱音が別に俺との行為を拒絶する気が無いことを。


だが……


「センパイ……」


「なんだ?」


だが、俺は朱音に再度約束をさせたかったのだ。


この、絶対に約束は破らない、変なところで生真面目なコイツに。


「センパイは…… 鬼畜野郎っス……」


「ああ、そうだが?」


俺はそう言って朱音に微笑む。


朱音はそんな俺に、悔しそうな顔をしながらまた目を逸らす。


「俺の事、嫌いか?」


俺は朱音をより強く抱きしめながら、朱音にそう言う。


優しく、朱音の頭をなでながらそう言う。


「……………鬼畜野郎」


朱音は小さくそう呟いてうつむく。


そして抱きしめる俺の手を…… きゅっと握った。



ああ……


朱音は本当に可愛い。


今後は…… 昨日のように我を忘れないようにしないとな。


でないと…… 本当に壊してしまいそうだ。

ああ…… 当初予定していたキャラ設定とは大分ぶれてるなぁ。


だが…… 後悔はしてない(キリ!!


朱音はかわいい!(確信



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