センパイマジですか?
「うぇ……っ! ぅ…… ぐすっ… ぅぇぇ……っ」
「お、おい…… いい加減泣き止めよ」
センパイが僕の事を後ろから抱きしめて、僕の頭をなでる。
「うぁ…… ぅぅうっ……!! さわるなぁ……っス! けだものぉ……ッ!!」
僕は、僕を撫でるセンパイの手を払って、そしてセンパイを睨みつける。
「うぅぅ…っ!! なかで出しちゃだめって言ったのに……!! なんでしちゃうんですか!! ばかぁ!!」
もう……!! もうっ!! なんで…… 馬鹿やろぉ!! ぁぅ… もぅ… どうしよう… どうしよう!!
「なんだよ…… お前だって気持ち良さそうにしてたじゃないか」
「うぅうっ!! きもちよかったけどぉ……!! あ…ぅぅ… でも…… でもぉ…… にんしんしちゃうっスよぉ…… どうしよぉ………」
センパイのばかぁ…… かんがえなしぃ…… さるやろぉ……
「なんだよ…… 悪かったって言ってるだろうが、それにいつかは俺の子を産んでくれるんだろ? なら遅いか早いかの違いだろうが」
「な……っ!!」
こ、こいつ……!!
どの口がそんな……!!
「そういう事じゃないのっ!! ちがうのぉッ!!」
僕はセンパイをぐいっと突き放す、センパイに怒鳴る。
「僕は……っ!! 僕は……!! センパイの子供をちゃんと生んであげたいの!! センパイの子供だから、ちゃんと幸せにしてあげたいの!!」
だから……! 今はまだ……
「ちゃんと……っ ぼくが!! うぅ……ぅ… ぼくがぁ…… うぇ……ぇ… ぐすっ……」
僕はまだ……
「じしんない…… もん…ぅぅ……ッ!」
ちゃんと……
まだ、ちゃんとお母さんになれる自信がないっスよぉ……
幸せにしてあげられる自信…… ないっスもん……
「………………………………………………馬鹿か」
「うぇ…?」
センパイが僕の事を引き寄せて抱きしめる。
ぎゅっと、抱きしめる。
強く、苦しいくらいに……
僕を……
「別にお前が幸せにしなくていい」
「……え?」
センパイが…… 僕の頭を胸元にかき抱く。
僕を、胸元に押し付ける。
涙が…… センパイの服についちゃうっスよぉ。
「俺がしてやる……」
「センパ……イ?」
センパイが…… 囁くように僕に語りかける。
僕をしっかりと掴んで、僕の頭に頬を摺り寄せる。
「俺が、お前も、子供も、幸せにしてやる」
「センパイ……」
センパイが…… はっきりと僕にそう言いきった。
力強く、僕を抱きしめて、そういった。
「で、でも……」
僕はセンパイの腕の中で身じろぎをする。
「でもじゃねぇ」
だけど、センパイの胸板に押し付けられる。
「でもぉ……」
「うるさい」
センパイにぎゅぅっと包み込まれる。
僕はセンパイに包まれて…… 押さえ付けられて何もいえなくなってしまう。
動けなくなってしまう。
そして……
沈黙に…… なる。
「心配するな」
「で、でも……」
「俺がなんとかする」
「だって……」
「いいか、お前はもうどうあがいたって幸せになるんだ…… 俺がするからな」
「ぇ……」
「俺が幸せにするから…… ぜったいに」
「ぅぅ……」
「信じろ、大丈夫だ」
「ぅ……」
「信じられないのか? 俺の事」
「…………………っ」
「信じてるっ……ス」
「本当にか?」
「本当にって……?」
「俺の事を絶対に信じるれるか?」
「…………………」
「どうだ?」
「信じてるっス…… 世界でいちばん」
「そうか…………」
「はい………」
「もしデキたら…… 産め」
「ぅ……… はい」
「……どうした?」
「いや…… 改めて産めって言われると…… 生々しくて恥ずいっスよ……」
「………生まないのか?」
「……………………………産むっスけど」
「まぁ、もし今回デキなくても、いずれ産ませるけどな」
「……………………………そんなに、僕に産ませたいんスか?」
「ああ…… 産ませたいな」
「そんなに?」
「ああ」
「もし…… もし今回できなかったら…… いつ?」
「そうだなぁ… まぁお前が卒業する頃には孕ませたいな」
「卒業……」
「あ…… あの……… センパイ」
「なんだ?」
「こ、こどもできたら…… け…… けっ……」
「……け?」
「け…… けっこんとか…… するんスか?」
「するよ」
「ぁ…ぅ……っ す…… するんだ…… そうなん………だぁ……」
「嬉しそうだな」
「ッ………………」
「嬉しいのか?」
「ぅ…………」
「どうなんだよ?」
「………ふん」
「…………………朱音」
「…………………………なんすか」
「俺と婚約しよう」
「ぅえっ…!?」
「近い将来、俺と結婚しよう…… 責任は取る」
「……………………はひ」
もうすぐ終わるで!!
後すこし! 皆でもりあげよう!!