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センパイはどSです。

センパイ視点。

朱音は……


最近、またダル気にしている。


一時期、異常な程に俺の事を意識しまくっていて、常に俺といるときは緊張していた朱音。


だけど、俺に告白をしてからだろうか?


その緊張が解けて、今ではすごく自然にダルそうにしている。


今だって……


「んしょ……」


部室の掃除を終えた朱音は、当たり前のように座椅子に座る俺の脚の間に座る。


最近の朱音はいつもそうだ。


何もしてない時はいつもこうして、ぽすっと後頭部を俺の胸元に預けてゆったりと座る。


そして俺の手を取って自分を抱きしめさせるように、自分のお腹の前で俺の手を組ませるのだ。


「ふぅ……」


満足そうに一息つくと、朱音はいつも通りにだらける。


体の力を抜いて、俺に全体重を預ける。


まぁ、全体重をかけたところで朱音は軽いのだが……


俺は…… 


そんな朱音を見ていて、少しだけいたずら心が湧いてきてしまう。


俺は朱音が自分を抱かせるように組ませた俺の手を、勝手に解いてみる。


「…………………………む…」


すると朱音は振り返って俺を見上げる。


抗議を訴えるような目で俺を見上げる。


「ん………」


そして、その後に再び俺の手を取って自分の事を抱かせる。


また、自分のお腹の前で俺の手を組ませる。


俺は…… 


もう一度朱音を抱きしめる手を解放した。


「ぇ………………………」


朱音はもう一度振り返って俺を見上げる。


驚いたように、そして素の顔で俺の事を見つめる。


今度はちょっと、いや…… 大分悲しそうな顔をしている。


「ぅ………………」


そして、しゅんとしてまた前を向き直る。


自分の手を自分の太ももにおいて、俺に預けた体重を戻して体を起こす。


その背中は少し猫背になっていて…… とても寂しそうだ。


でも…… 俺の所から離れようとはしない。


俺は……


そんなかわいそうな朱音を後ろから抱きしめる。


朱音の柔らかい体を、ぎゅっと抱きしめる。


「…ッ……………!?」


驚いたような顔で振り返り、俺をまた見上げる朱音。


俺はそんな朱音を少しだけにやけながら見つめ返した。


「ぁ…………ッ…!」


ちょっとだけ…… ちょっとだけ目端に涙を溜めながら怒った顔をする朱音。


歯を少しだけ食いしばりながら、「なんでそう言うことするんだ」とばかりに俺の事を睨みつける。


「悪い悪い……」


俺はそんな朱音をたしなめるように抱きしめ、そして頭を撫でる。


優しく背中をさすりながら、優しくなでる。


「ぅ…………………」


すると、朱音の表情はみるみると軟化してゆく。


基本的に怒りを長く持続できない朱音。


怒らせても、こうして撫でてやればすぐに落ち着くのだ。


正直ちょろい。


俺は撫でるのをやめて、朱音の顔を見つめる。


そこには俺の事をジト目でみながら、結構満更でもないという表情を浮かべた朱音がいるのだった。


「ふん…………」


朱音は納得がいかないと言った感じで、そう息を漏らすと、今度は俺と向かい合わせになって、俺の肩口に顔を埋める。


鼻をこすりつけて甘える子猫のように、俺を軽く抱きしめて擦り寄る、


いわゆる抱っこの状態だ。


「…………………ん」


朱音は俺に抱きついたまま、ゆっくりと鼻で息を吸い込む。


最近の朱音は、俺に抱きつくといつもこうして俺のにおいをかぐ。


案外匂いフェチだったりするのだろうか?


まぁ、俺は俺で朱音の匂いをかぐのが好きだったりするのだが。


「朱音は相変わらずいいにおいだな……」


俺は、朱音の頭に鼻を埋めて、その香りを吸い込む。


その香りは…… 上手いこと言い表せないが、糖分高めのリんごの香りとでも言っておこうか。


まぁとにかくいいにおいだ。


「ぅ……」


俺がそうやって、朱音の匂いをすんすんと嗅いでいると、不意に朱音がぴくんと身じろぎをする。


良く見てみれば、少し耳が赤い。


どうやら、俺に匂いを嗅がれるのは少し恥ずかしいようだ。


俺は…… そんな恥ずかしがる朱音がやはり可愛くて、やはりいたずらをしたい気持ちに駆られる。


俺は、朱音の背中を抱きしめている手をゆっくりと下へと下げていった。


「ぁっ………!?」


そして俺朱音の腰の下にある柔らかい所を突然鷲づかみにする。


朱音は驚いて顔を上げ、顔を少し赤くして俺の事を見やる。


「どうした?」


俺はそんな朱音の事を涼しい顔で見返す。


「………………………っ」


朱音は、そんな俺の事を批難じみた視線で睨んだ後、恥ずかしそうに顔を赤くして、困った様に斜め下を向いて目をそらした。


そんな朱音の表情は、子供っぽくも色っぽくて……


とても美しかった。


俺は……


その時、ふと「朱音を恥ずかしがらせたいな」と突然思った。


もちろん、今でも朱音は恥ずかしがりやで、すぐに顔を赤くする。


だが、女として腹でも括ったのだろうか?


俺に告白をしてからは、前ほどは恥ずかしがらなくなったのだ。


別に、それに不満はなく、むしろ俺を積極的に受けいてくれている気がしていて喜ばしいのだが……


たまには思い切り恥ずかしがらせたいのが男心と言うものだろう。


多分。


「朱音……?」


「なんスか……?」


俺は朱音の事を強く強く抱きしめる。


「ぅえ………!?」


そして頭をかき抱くようにして、朱音の耳元に口を寄せる。


そして……


「朱音…… お前はすごく可愛いな…… お前のこと、世界で一番大好きだぞ」


「ぇ………」


甘く優しい声でそう呟いた。


優しく抱きしめて、心を込めてそう呟いた。


「ぅゃ………」


どこか蕩けた声を出して、ぎゅっと俺にすりよる朱音。


俺は…… そんな朱音を……


ゆっくりと引き離す。


「ぇ………?」


そこには蕩けた顔で、瞳をとろんとさせた…… 朱音の姿があった。


俺はそんな朱音の表情を見て、心底可愛いと思いながら……… 一言こう続ける。


「ずいぶん甘い顔だな…… かわいいぞ?」


少しだけからかうようにしてそう言う俺。


「ぁ……ぅ…ぇ!?」


すると朱音はみるみると顔を赤くして震えだす。


ちょっとだけ悔しそうに、そしてとてつもなく恥ずかしそうにして顔を背ける朱音。


「僕で…… あそぶな……」


顔を真赤にしたまま、悔しそうに目を伏せてそう言う朱音。


頼りなさげにさがる眉がとても可愛い。


ああ……


朱音は本当に可愛い……


「遊んでなんかないぞ」


俺は朱音の腰を抱き寄せて、床へと押し倒す。


「ぇ……?」


朱音におおいかぶさり、そして朱音の頬をなでて朱音を真剣に見つめる。


「本気だ」


「ぅ………」


俺に押し倒されて、また真赤な顔になる朱音。


「いいか………?」


俺は朱音に顔を近づけてそう言う。


「ぇ…… でも、ここ部室っス…………よ?」


頬を染めて、困り顔でそう呟く朱音…… でも、拒否ではない。


「いいだろ? 別に…… 朱音は嫌か?」


「ぅ……… センパイが……」


朱音は……


視線を逸らす。


顔を染める。


息を小さく飲み込む。


唇をきゅっと結ぶ。


潤んだ瞳を…… ゆっくりと閉じる。


そして、恥ずかしげに……


「センパイが…… したいなら…」


そう、消え入るような声で…… 呟いたのだった。

あぁ…… あかねたん… はぁはぁ…


マジ、俺という名の座椅子を(以下略




ふぅぅぅ!!


てな訳で次回は、の、く、た、ぁ、ん!!!!!!


野郎共!!


既に全裸か!?


よぉし!! 聞くまでもないな!!


そして俺も全裸だ!!


言うまでもないな!?


よし!!


では各自全裸待機!! 以上!!(異常)


合図を待て!!

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