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Lonely boy

 俺たちが今度向かったのは学校の西側、経済学棟へと向かった。須磨高には普通・経済・

音楽の三つのコースに分かれていて、そのうちの経済学科は主にこの棟での授業が集中し

ている。

 全ての校舎の中で最も機械化の進んだこの棟にはどの教室にもパソコンが備え付けられている。経済学科の人数も三学年あわせてそれほど多い人数ではないのでこれといって広い部屋というのはあまりないのでここはあっさりスルーできるだろう。と思ったのだが、実は広い部屋が二つほどあった。

 生徒たちの情報収集場所、第一コンピューター室と第二コンピューター室だ。二つの教室あわせて百五十台のパソコンが置いてあるため広さは校内でも一、二を争う。しかし、コンピューターという精密機器が置いてある中で果たして今までのような闘いができるとは思えない。しかし、可能性がある限りは行ってみないことにはわからない。

 まず、第一コンピューター室。扉を横にスライドさせ、月明かりを頼りに教室内を散策する。扉も強制閉鎖されなかったし、ここに刺客はいないようだ。となれば、残るは第二コンピューター室だが、正直あそこにはあまり行きたくなかった。第二コンピューター室は放課後になるとパソコン部の根城となり、一度入ればオタク全開の教室に早代わりする。

 その噂もあるためか、実際第二コンピューター室でパソコンをいじる生徒はあまりいない。第二コンピューター室の片隅にはパソコン部のものらしき怪しげ、かつマニアックな備品がいっぱいおいてあるからだ。俺も話にきいただけで実際に見たことはない。まぁ、どうせ今夜限りだ。あまり見たくはないが、今夜だけは仕事のために入らせてもらうことにする。

 俺はそっと、第二コンピューター室の扉をスライドさせる。

「うん?」

 教室の外から差し込む月明かりに照らされる一つの人影。こ、これはもしやビンゴか?な、なんか今から戦うのが嫌になってきた。

「よく来たね、二人とも!」

 やけにハイテンションなその声と同時にコンピューター室の照明が一斉にまばゆく光り、毎度のごとく扉が強制的に閉鎖されてしまう。

 明かりがついたことで声の正体が明らかになる。確か、教室ではいつも自分の席でひたすら読書をしていた奴だった。うちのクラスで最もネクラのはこいつだといってもおそらく言いすぎではないだろう。

「お前は……」

「フッフッフ、恐れをなしたか?」

「……誰だっけ?」

「ズコー!」

 俺の見事なボケに予想通りのリアクションをしてくれるネクラ。

「同じクラスメイトだろうが!名前くらい覚えろよ!」

「いつも教室で暗い顔して本を読んでいるやつの名前なんて覚えられるかよ」

「向井君、それは言い過ぎなような…」

「言い過ぎなものか。当たっているだろ、ネクラ野郎」

「な、な、黙ってきいていれば図に乗りおって。来い、僕と勝負しろ!」

「いいぜ。言っとくけど俺はお前みたいなへなちょこにやられるほどヤワじゃないぜ」

「野蛮人めが!勝負はこいつだ!」

 ネクラはそう言って眼鏡を直す仕草をとると、パソコンのキーを押した。刹那、俺たち

の目の前に巨大ロボットがどこからともなく現れたではないか。

「な、な、な、なぁー!?」

 こ、ここは一体なんなんだ。今のアニメイトはここまで進化しているというのか!?こんな立体ロボットが店内を平気でうろついているのっていうのかぁ!?

「ハーッハッハッハ!見たか、我が愛機マグナスドラグーンの勇姿!」

 あ、愛機ってお前……。大体勇姿っていうけどこいつただ立っているだけじゃないか。見てみろ。諏訪なんてもう何が何だかわからないって顔をしているじゃないか。女の子にこんなマニアックなものをみせるんじゃないっての。

「さぁ、お前たちも近くの席に座ってパソコンを操作しろ!学校のコンピューターの中に我が愛機たちのデータを盛り込んだ。不服ではあるが、今夜は僕のコレクション機体をお前たちに貸してやろう!こいつで勝負するのだ!」

 何を言っているのか正直よくわからなかったが、俺たちは近くの席に座ってパソコンを立ち上げる。すると、パソコンの画面にはネクラが言うところの愛機の待ち受け画面が表示された後、なんとびっくり、ネクラが出してきたロボットと同じように俺たちが選んだロボットがパソコンの画面を飛び出して現れた。そして、その姿に一人エキサイトしているネクラ。はっきり言って俺たちのことは最初から置いてけぼりのようである。ここまでやってしまうと唖然というよりはあまりの衝撃映像に呆然としてしまう。

 画面からでたロボットたちの代わりに待ち受け画面にはいろいろな計器が画面に表示された。

「ふむふむ、向井の機体は削岩専門機体ザクシューター、そして諏訪の機体は超科学試作型機体ゴンザレムか。パワー型にスキル型か。よぉーっし!」

 ネクラは一人ぶつぶつと何かをつぶやいた後、やたらやる気満々に掛け声なんかを発している。なんか、もう負けてもいいような気がする。その後でこいつを袋叩きにすれば解決できる問題だし。


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