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リドゥ(日本語)

 内なる子供は耐えられない。二つの人生が突然合体している。

 数秒前にあった痛みと、そんな大きな恐怖が、すべて突然消えてしまった。


 内臓が持ち上がるのを感じ、私は自分の体に押しつぶされて膝をつく。雪に覆われたその地面に吐き出すために。


「ちくしょう…なぜこんなことが起こった?なぜ…?」


 今まで気づかなかったが、涙が顔を流れ落ちている。


 若い心は本当にそんなに脆いのか?


 泣きたい気分ではない…ただ気分が悪くて、混乱しているだけ。なのに泣いてしまう。


 体が震えているのに、私はお腹を抱えて自分を立て直そうとする。涙が雪に滴り落ちるのを見つめながら。


「女神様…」


 頭を上げて天を呪いたいが、重く感じる。


 気を失わないように集中しなければ…すべて、これまでのことが、私の精神にあまりにも大きな負担をかけている。


「え?カイくん、何を-」


 どうやら、修道院のミズキが庭仕事をしていたようだ。


 彼女が質問を終わらせる前に、私の顔を見て息を飲み、すぐに駆け寄ってきた。


 まあ、私は今は8歳の男の子だから、そんなに悲痛な顔をしていたら、心配されるのも無理はない。


「おお、あなたは病気だわ!どうしたの?怪我をしてるの?さあ、早く中に入ろう!」


 そんな感じで、私は本質的に中に引きずり込まれた。


 ねぇ、私は困っているわけじゃないんだから、もう少し優しくしてくれてもいいのに!


 心配するミズキに急かされ、食堂に連れて行かれ、椅子に座らされると、別の修道女が入ってきた。


 ミズキは、アエラリアというエルフが駆け込んでくるのを見てほっと息をついた。アエラリアはすぐに私の悲痛な表情に気づき、驚いた様子を見せた。


 私は自分が情けなく見えないように顔を拭こうとする。


「ミズキ、彼が毒を食べるのを放っておいたの?!カイはどうして泣いているの?」


「な、なに?どうして私がすぐに責められるの?毒があったなら、取り除かなかったあなたが悪い!」


「もう、うるさい!」


 エルフの女性はすぐに私の方を向き、近づいてくる。私の額を触って、温度を測っているらしい。


「ああ、カイ…何があったの?私たちが一瞬目を離しただけで、君は中に連れ込まれて、熱を出して泣いている。どうしたらいいのか…」


 へへ…甘やかされているのはちょっといい気分だ。


 でも、私は何かを忘れている。重要な何かを。


 そう、私は死んだ。


 これはすべてフラッシュバックなのか?それとも本当に子供に戻っているのか?


 お願いだから…もう同じ人生を生きたくない。


 この状況でできる唯一の理にかなったことは、確認することだ。言葉を集めるのに十分に落ち着いているので…


「アエラリアさん…ミズキさん…今年は何年ですか?」


 二人は戸惑った表情を向ける。アエラリアは心配そうに目を細めて、私の流れる涙を拭いてくれる。


「カイくん、頭を打ったの?正教会暦の1080年よ。」


「ああ…」


 他のすべての言葉が消えていく。


 くそ…本当にすべてを失ってしまった。再び…部分的に、死の方が良かったかもしれない。運命に従って、やっと消えていくことができるのに…これ以上の二度目のチャンスは欲しくない…


 この状況で一体何をすればいいのか?


 もう一度死ぬ意志もない…


 まあ、私は再転生すらしていない。ただ…再スタートしているだけだ。


「ちくしょう…」

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