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『カレー』のない世界は絶対ダメ!!

一箇所…名前の間違いを発見、編集しました。

いつも,本当にすみません。

拙いこの作品をお読み下さる皆様、とても感謝しています。

ちかず



大鍋を掻き回していると、魔女になった気がする。前世の姉の言葉だ。


とにかく!!

こんな日はカレーに限るのだ。


まずはカレー作りの携帯コンロを出す為に、俺は空間魔法を使って牢屋を広げた。まぁ六畳じゃな。

「ぎゃ!!」「良いのか?」「やっぱり安定のザルツだ。。」


何か外野が煩いが、30畳くらいに広がった部屋に大鍋をセットして材料を放り込む。野菜や肉、きのこ類も入れよう。そして懐から取り出したのは


『香草袋』


これがこの世界で苦労した『カレーのルー』なのだ。

スーパーで売ってるグ○コのカレーの凄さが分かるか!!

あれは入れれば、即カレーなのだよ。


。。。


そうなんだよぉ。この世界に『ルー』はないんだ!!

もちろん、カレーの為の香辛料も売ってない。


カレーのない世界は絶対ダメだ。

そんなのは耐えられない!!!


だから幼い頃の俺は雑草を採っては齧る生活を繰り返した。香辛料を探すためだ。(当時は頭が変になったと村中に言われて、あのナラすら止めたくらいだ。)


やっと揃った香辛料で作ったルーを入れれば、牢屋の中にいつもの香りが広がった。

出来上がりに満足して、一番食べさせたい相手に差し出した。


「ほら、カザンは沢山食べろよ。」

幾分、顔色は良いが毒素が身体から完全に抜けてない。

だからこそのカレーだ。

コリアンダーやクミンなどは、毒消しだし。

ターメリックやクローブはもう漢方薬だしな。美味そうな顔で食べてるカザンの頬に段々と赤みが差す様子にホッとする。


「う、うまー」

凄い勢いでお代わりをするゼリアの横で、最初は戸惑っていたマクガも競ってお代わりの嵐だ。


良かった。

ドワーフ達の口にも合ったようだ。


ニコニコしながら、眺めていたら空間魔法の障壁に衝撃を感じたい。


さっきから、障壁を叩く者たちがいるのは気づいてた。


でも、さっきからは叩く→攻撃へと変化したかも。

無視してたからなあ。


「えーと。お食事中ですがヤークル姫さん。

外にお客さんっぽい。しかも怒れる団体さんかもな。」


「「「え???」」」


おっ?一同の注目が集まったぞ。

気配を読むのが忍者並みのガゼランまで障壁への攻撃が分からなかったのか?


「あっ!!忘れてた…。」

防音、防御が最高レベルだったんだ、コレ。


「何をだ?まさか、この部屋に何かしたのか?」


鬼気迫る勢いのゼリアに「安全対策」と無難な答えをした。これなら怒られない…よな?


「安全対策とはどんなものなのか?」

おや、ガゼランの顔色まで迫ってくるのか?

向こうにヤークル姫さんがマクガさんの励ましに半泣きなのが見えるけど、何でだ??


「あのさ、ちょっぴりイジっただけだよ。

安全対策は必要だろ?だから防御膜を少々」


そうなんだ。石竜の卵の膜を使って作った完全防御・防音を部屋に展開しただけ。

ん?声に出てたみたいだな。全員の目が揃って点…だからな(以前、村で何度とか)


「「「石竜ーー!!!」」」

叫びが木霊する。


「それでは、柵の向こうに見えている壁は石竜のか?本来の牢屋の壁ではないのか?!」

顔が近いって、マクガさんよ。

うーむ、石竜ファンなのかなぁ。前から石竜にやけに反応するからな。


とにかく、景色に溶け込む壁は最高級インテリアなのだ。と胸を張る俺の目に、頭を抱えるヤークル姫さんが目に入ったその時!!


どどどどど。。


地震の様な衝撃が牢屋を揺さぶる。


あれ?コレは…「不味いな。」

おっ、思わず声に出た。


「ザルツ!!誰かがこの膜を攻撃中なのか?」

ゼリアの問いかけに頷くと、途端に牢屋中にピリピリとした緊張感が張り詰めた。


「そろそろ破られそうですので、姫、お下がり下さい。」マクガが姫様の前に仁王立ちする。

ゼリアやガゼランたちも構える。

障壁に、少しずつヒビが見えた。よほど強い力で攻撃されているんだな。


でも…。


破られるんじゃなくて、他のヤバさが問題なんだけどな。


きた…。



ドドドドドドドドドドドドドドドド…。



現在。。

さすがの俺もドン引きの光景が広がっている。


開いた口が塞がらないヤークル姫様一行と全員青白い顔をしたゼリア達。


その向かい側には先程まで攻撃してた、ドワーフの兵隊さんとその後ろのお偉いさんも漏れなく固まっている。


問題はその間だ。

太郎と次郎(本来)が頭を出していた。

間違いなく餌を強請りに来たなぁ。



と、ここまでは俺の予測範囲内だ。



群れはダメだよ。

太郎と次郎の奴は群れを召集したらしく、大量のミミズの頭が俺を見つめていた。


カレーじゃないな。

そうか…目的は…。







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