人生初!!ピンク色に染まった目で見つめられた俺?!
題名をちょっぴり変更しました。いつもお読み下さりありがとうございます。
追記
とても久しぶりにこちらの作品の手直しを始めました。
更新もゆっくりですがしていきたいと思います。
もし、まだお読み下さる方がいらしたら嬉しいです。
2024.3.24 ちかず
さ、殺気が痛いんだけど。
殺気と臭気に満ちたドワーフ達に釈明の機会を作ってくれたのは、
なんと【ヤモリ】。役に立つじゃん!!と言ったら嬉しそうに舌をペロペロしていた。
可愛くない…やっぱり。
頼りになるゼリアのあの手この手の言い訳に
ドワーフ達は一応、ものすごーーく切れ味抜群そうな鉈を地面に下ろしているけれど、握りしめてる握力が強すぎてミチミチとオトを立ててるから。
絶対激おこだ。
「それでアンタらは何でこんな所にいるんだ?!」
そう睨んできたのは、3人の中で唯一髭のない強面の人だ。
「何度もご説明している通り、飛ばされて」
ぜリアの必死の説明も何か通じてない。
「そうじゃない!!ここに飛ばされて無事でいる人間なんているはずない。だとするとルートを」
「おい!!」「。。。」
何だか言い争いが続いているけどあれ?
内輪揉めかな?
「とにかく!!この臭いモノを掛けた責任は取ってもらうからな。いいか、その獲物を、こちらに…」「はい!!」
取り敢えず、怒れるドワーフに元気いっぱいに返事が1番なのだ。前世の記憶がそう言っているし。
それに間違いなく、ここが俺は出番だと分かった。
何せ、投げたのが【肥溜め君】だから早期に解決しなきゃ!!
とにかく、臭くて話し合いも出来ない。
まあ、任せておけ。。ふふふ、俺は責任感の強い男なんだ。(【ヤモリ】なんて俺の守護者だとか言ってたの…現在避難中だしな。)
全員の目がこっちを見ててちょっと怖いけどやるしかない!!
よーし。ちょっと勿体ないけどケチな男はモテないしな。大盤振る舞いだぞ!!
「ちょっとスペースがいるから。ドワーフのみなさー〜んそ、そう下がって下さいな。」
全員を少し退避させて俺は空間魔法のポケットからお玉を取り出した。
名残り惜しさに少し撫で撫でしてから、それをそこに叩きつけた。
ドドン!!!!!!!
『岩風呂』の、完成だ!
空間魔法とはちょっと違って、変異魔法というヤツ。お玉を岩風呂に変えたと言う訳。
「ハン。こんな岩を貰ったとて、刀打ちに耐えられる訳ない。。ふーん。。。、
でもちょっと珍しい鉱石…」
「あっ!!!触らないで下さい。こらから熱い岩が入りますから。危ないですよ。」
キョトンとするドワーフ達を他所に、俺はどんどん事を進める為にリスタ達に手伝いを頼む。
「皆んな手伝ってくれよ。まずは水だな。
『湧き水君』がないから、『バケツ君』だ。
全員持ったら、傾けて。そう、水は尽きる事ないから貯まるまで頼むからよ。
ぜリアはこっちを頼む。
この石を火魔法で暫く焼いてくれよ。」
水が溜まったら、焼石の投入だ。
全ての水が毒に侵されているこの森は、水の確保が難しい。
目の前『湖』は、まだ若干やばい成分があるから。鑑定で『聖水が必要です』って出るんだ。
そこで『バケツ君』の出番だ。
『聖水』を肥溜め落としに使うのは、(幾らナラから鈍感と言われるとは言え(不本意だけどな))俺でもちょっと…な。
こうして出来た風呂を見つめるドワーフ達の様子が、変だ。
目が開いてる割に、微動だに動かないなぁ。
何故?
見事に出来上がった『即席岩風呂』を前に旅館の店員風に手を差し出して
「皆さん、早速お風呂にどうぞ。」と進めたけど。
あれ?ドワーフがモジモジしてる??
何だか俺の知ってるドワーフと違うなぁ。
ようやく、歯切れの悪い返事をしたのは、1番大きな怒れるドワーフだった。
「この有り様で入るのは…」
はっ!!
俺とした事が…。
「ごめん、ごめん。これが無かったよね。
えっと、どれだっけ…ほら!!ん?間違えた。
こっちだ、ほら!!
あっ、これも違う。
いけぇーー!!!」
ちょっと数珠違いで、変なモノを出したけどシャワー室と更衣室、そして洗い場を出して風呂の横に設置した。
イメージはログハウスと露天風呂。
とにかく、元日本人にとって【風呂=最重要】なのだからな。数珠違いで出した幡はもちろん(温泉マーク)マークだ。まあ、こちらも側に立てれば完璧な草○の湯だな。
顔を見合わせて、固まるドワーフに形勢逆転とみた日和見主義な【ヤモリ】が一言トドメを刺した。
「とにかく臭い。早く入れ。」
何故か全員が最敬礼して、お風呂にダッシュしていった。
暫くして、やっと臭いのもボサボサだった髪や髭もきちんと整えられたドワーフ3人が現れた。
そうだよ。これが俺の知ってる髭の三つ編みドワーフだよ!!
ようやく落ち着いたドワーフと俺たちの話し合いが始まった。俺たちが悪者じゃないと証明したのは、何故か【ヤモリ】で俺の発言権は何故かない。
やがてリーダーらしき大柄なドワーフがため息と共に漏らした一言が元で揉め始めた。
「とにかく、こんな場所が存在したとの記録はない。しかも、ココに【聖なる主様】まで。こんな事は外でも有り得ない。」
「外…という事はココは。」
「そうだ。お前の想像通り『魔の森』だ。場所も存在すらも人間には感知出来ない。」
「「「『魔の森』」」」
ぜリア達3人が真っ青な顔で口を揃えて叫んだ途端固まった。
えーー?
『魔の森』ってヤバイのか?まあ、毒は多めだけど。
そんな疑問を持った俺に返事をしたのは不親切な守護者だ。しかも食い意地が張っている。
『ふふふ。お前たち全問不正解じゃ。と言っても正解は教えぬがな。
それよりも!!ザルツよ。これは美味いぞ。』
ふぅ。
そうなんだ。なんと
この深刻そうな話し合いは、目の前の
『ラーメン』『唐揚げ』『おにぎり』を
むしゃぶりつく合間に行われていたんだ。
しかも、殺気立つドワーフの食いっぷりに、俺は楽しみに取っておいた『ゼリー』すらも吐き出すハメになるし。
話し合いより食い気に変化した様子に俺も仲間入りしようとしてハッと気づいた。
そうだ!!さっき、間違えて出した『包丁セット』と『寸胴鍋セット』を仕舞わなき。
…あれ?
「ちょっと!!そこのアンタ!!!
俺の包丁セットを懐に仕舞うなよ!!!」
俺は温厚な方だ。
だけど、包丁はダメだ。
料理人の命なのだ。絶対許せない。
胸ぐらを掴んで睨むが、向こうは何故か真っ赤な顔になって。。何で??
「コラーーーー!!!
貴様、姫さまに何て破廉恥な!!
可憐なる姫君に何という無礼を働いておるのだ!!事と次第によっては、その素っ首貰い受ける!!」
へっ?
無礼っ?
破廉恥??
そう言えば、胸元に膨らみがある気が。。
いやいや。それよりも問題は
『可憐なる姫さま』だ!!
真っ赤顔のドワーフを見つめて固まる俺の肩にいつの間にやら【ヤモリ】が戻ってニヤニヤ笑っていた。
「ドワーフの姫君よ。この節穴の馬鹿は、これでも使いようはあるのだ。許してやってくれ。」
おいおい。守護者と言うのはこんなにガラが悪くて良いのか?俺の包丁を懐に仕舞おうとしたのはそっちじゃん!!
「分かりました。守護者様のおっしゃる事です。其方を許しましょう。」
俺は頭を掻いて少し戸惑って、でも真面目な顔をして姫様に向き直った。
「お嬢さんに失礼したのは、本当に申し訳ないと思っています。すみませんでした。
しかし。それはダメです。俺の魂の片割れなのですからお返し下さい。」
それは俺の包丁の中でも、何度も何度も打ち直した逸品。毎日研いで磨き仕上げた俺の手と変わらぬ相棒なのだ!!
そう言い放った俺は、睨むように彼女を見つめた。
姫さまだ。
不味いと理解出来る。
でも無礼打ちされようと、ココは引けない。
え?
あれ??
褐色の頬をピンクに染めたドワーフの姫君様がこちらに包丁を差し出している。
「其方…隅に置けぬな。」
へ?
ど、ど、どの辺りですか??
前世も今世も合わせても、初めて女性からピンク色に染まった瞳で見つめられたのに…。
俺はただひたすら首を傾げた。




