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上から目線のヤモリと出会う?!

誤字脱字が、多くて申し訳ないです。

編集を少しかけましたが、内容に変化はありません。

次回は、毒の森から別視点へと移ります。


誤字脱字の多い拙い小説ですが、お読み下さる皆様、本当にありがとうございます。



「ザルツ。『テント一発君』は転送装置付きだったのか?」


いや、それを聞きたいのは俺だよ。

目の前に広がる湖にいつ来たんだ??


毒の森のハズが、目の前に広がる美しき湖面はまるで観光地。


さすがの俺も目が点になっていたら、とうとう幻聴が聞こえてきた。

俺も繊細だったんだな。


《何が繊細じゃ!!コレは全てお主がやった事じゃろが!!》


次々と文句を言う幻聴は爺さんっぽい声で遠慮を知らない。

やった事って何だよ。

しかも、コレ俺にしか聞こえてないっぽい。

ゼリア達は周りを確認しに行ってて残っているのはタササだけ。 

無反応のタササは湖を警戒感満載で見つめてるし。


《はぁ、コレだから人間は困る。見ようとせい!!ココだ。先程からずっとそうだココにおるじゃろ!!!》  



へ?まさかのコレ。。


つんつん。。


ん?噛み付くかなぁ。

しゃがんだ俺が突いているのは【ヤモリ?】

でもさ、この世界って爬虫類も喋ったっけ?? 


《現実逃避しとらんと、ワシをつつくのをやめえい。目覚めさせた癖に何という横暴じゃ!!》


ヤモリって怒りん坊だったんだな。

突くのをやめてそっと手のひらに乗せた。くちがパクパクしていても、やっぱり声は頭の中に響くのみ。


「おい!!こんな変なモノを拾うなよ。毒を持ってるかもしれないぞ!!!」

そんな俺に焦るタササの必死な様子にやっぱりこんな場所に来て気が動転してるんだな、と思う。


「タササ。俺の鑑定魔法はカンストしているから大丈夫。この生き物は毒性はないから。まぁ…正体は鑑定不能だけどな。」


「鑑定不能…それは本当か?!ザルツの鑑定でも出来ない生き物が存在しているなんて…。」

ん?

後ろから声がするから振り向けば、ゼリアとカザンの二人が偵察から戻ってきた所だった。


「えーと。コレはヤモリでいいのかなぁ。まあいいやヤモリと言うことにして…」「名付けをそんな適当にするんじゃない!!!お前には繊細な配慮のカケラもないのか!!!!」


俺に声に被せたのは、どうやら目の前の生き物【ヤモリ】らしい。


ええーーー、喋れるじゃん!!

何だよぉ。


「お主が、今ワシの名付けをしたからじゃ。

そこな者たちよ。ワシの正体の前にこの馬鹿者が何をしたか教えてやろう。

この者はな、大量の聖水を『毒の森』に流して眠っていた湖を目覚めさせたのだ。そしてその主でもあるワシ…もな。」


「え?ヤモリの癖に冗談がうまいじゃん!!俺の『湧き水君』にそんな力なんてないから。あれは近くの水脈の水を入れただけだから。」


「「「す、水脈?!」」」


「うん、そうだよ。だっていちいち水汲みするのがめんどく…いや大変だなって。

だから近所にある一番太い水脈から水をね、いや、だってさ。細い水脈だと枯渇しちゃうじゃないか。な?」


「な?ではないわ!!太い水脈の殆どを受け取ったのだ。湖で済んだだけマシじゃったわい!!」


「まあだいぶ減ってたからな。俺、あの時ナブラン村の周辺の川に『湧き水君』を少し流したからな。」


「まさか、あの川…。」

ゼリアが珍しく絶句してる。


だってさ。

あの村の周りすげー水不足だったから。枯れた川に少しサービスをしようと。


「うむむむ。あのエルザム国周辺の深刻なる水の枯渇を一気に解消したのはお主だったのか。

だから、ワシの目覚めも…。


。。。。



ザルツ、良いか!!

この『毒の森』の中に聖なる湖を目覚めさせたのだ。この責任はお主にある。分かっておるのか?!」

 

「責任って言っても…観光地みたいな綺麗な湖が生まれて良かったじゃん。それにこの湖の周辺の空気は毒素がないしな。俺、マスクなしでも大丈夫なのが嬉しいんだよな。」


そうなんだよ。さっき気づいたんだよ。


湖の周辺の空気だけじゃなく、樹々や草花も全て毒素が抜けていると。

いや、正確に言えば徐々に毒素のない場所が広がっているカンジかなぁ。


「まぁ、お主でも少しは自覚はあるのだな。お主の感じておる状況になりつつある。

しかし、だ!!湖はまだ本来の姿を取り戻りしてはいないのだ。だからこそこの責任はお主が果たさねばならんのだ。分かるな?」



むむむ…。

【ヤモリ】の癖に生意気にニヤニヤしてるのが分かる。何か企んでいると。



「この周辺にアレを育てるのだ。種を持参しておるだろう、お主。」


ぎくぅぅ。。


「「アレ??」」


「『神木の種』の事じゃよ。」


何で分かったんだ?!

絶対、見つからない様に空間魔法の最を凝らした場所に隠したのに…。

そう…俺『神木の種』を持ってるんだ。

マラサイ村の村長から決して『種』を持ち出しちゃいけないって言われてたけど。

だってそれは…。


「そんな顔をせんでも、お主ならば『種』も許すに違いない。そして、今こそその種を蒔く時なのだ!」


「いや、それは出来ない。だって『種』が嫌がってるから。無理強いは絶対できない。」


珍しく俺が断言したら【ヤモリ】が急に振り向いた。


「不味いぞ。ワシのテリトリーに何かが侵入した。まだ、本来の力は取り戻せておらんので敵味方の特定は出来ん。魔獣やもしれん。」


顔色悪くして俺たちの話を聞いていたゼリア達が一気に戦闘態勢を整える。


剣を構えて前に出るゼリアが短く「西、300ゼン!!」と叫ぶ。


300ゼン=300メートルだから。。


えっ?近いじゃん!!

魔獣の吐くブレスは数百メートルの範囲を焼き尽くすんだ。


俺は数珠を一つ握って身構える。

【土砂降り君】


コレを使うと後が大変で、ナラが居たら絶対ダメだと怒られる所だ。

まぁ、でも今ココにナラは居ないしな。


『お兄ちゃん!!コレは本当の本当に危機的状況で使ってね。ぜっーーーたい簡単に使わないでよ!!!!』


ナラ。コレって危機的状況だよな?

一応、心の中で呟いて魔獣のブレスに合わせ投げるつもりで構えていたら…。



「ひけぇぇーーい。相手は人間だ。」


ゼリアの遠目が効いたらしい。

大声はたぶん、俺向け?!…だよな?


近づいてくる大鋸を持った男たちに投げなくて良かったよ。


だって、アレ人間じゃないから。


たぶん…ドワーフ??


とにかく、小さくて強そうな一団がこちらへ近づいて来る。


「仲間が増えるかなぁ。」

ちょっと、前世の記憶が邪魔をしてワクワクしてたら目の前に殺気漲る超戦闘集団が迫っていた。


あれ?

ドワーフと人間って仲悪いんだっけ…。


「魔人め。ココで会ったが悪運と諦めよ。我ら命尽きるまでお前たちを滅ぼそうぞ!!」



ドワーフ3人組のうち、一番大きな(と、言っても前世の小学低学年くらいの身長だけど…)ドワーフがそう叫ぶ。



うん。

コレはやはりアレを使うしかない。


俺は数珠を一つ取って投げつける。




その時の俺は気づいてなかった。

手に持ってたのが


【土砂降り君】ではなく【肥溜め君】だった…と。


間違いは誰にもある!!


俺はそう強く主張したい!!


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