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慈悲

連続更新98日目

今昨日の前書きに連続更新98日目と書いてた事に気付く

ちょちょいあるやつ



「ふむ?私から見てまだまだ駄目な奴でもここ周辺のモンスターは処理出来るのか」


吉村達の自身の想像より良い結果に驚きながら楽しそうにカトレアは嬉しそうに指で窓の縁をトントンと叩く。


「だが途中から4人チームではなく2人2チームに分かれてから一体を処理する時間が増えた……お?」


ふと一体のモンスターが漏れたのか校庭に入って来たのが見えた。

そのモンスターは人型で少しばかり知能があるように見える。


(あの4人はまだ満足に魔力探知が出来ないから掻い潜ったのだろう)


溜息を吐くとカトレアは後ろにいた生徒にその場から動かぬ様伝えた。


「大丈夫……ですか?」


「見ていれば分かる」


窓から飛び降りると武器を取り出した。

そこで改めてそのモンスターをじっくり見ると歩き方に違和感を覚える。


(表情は微かに苦しそう……それに加えて足をほんの少しだけ擦りながら歩いている。

 ヨシムラ達の魔力探知から逃れたのではなく単に撃ち漏らした可能性の方が方が大きい、これは鍛え直しだ)


呆れが混じる溜息を吐くと直ぐ様目の前のモンスターを殺す為剣を振り上げた。


「…………ィ」


「む?!」


剣を首目掛けて振り下ろし当たる直前口が数ミリ動き何か話した。


ザシュッ!


何の抵抗もなく剣は首を刎ね飛ばす。

その瞬間モンスターの刎ね飛ばした首の断面から魔力の渦が現れそこから別のモンスターが次々と出て来た。


「……雑魚だと侮ってロクに調べもせずに殺したのは明らかな私の失態だな」


目の前のモンスターの中の一匹の狼型モンスターがカトレアに飛びかかる。


「だが失態を犯した所で誤差の範囲内だ」


カトレアの腕がブレると狼型モンスターがブロック状に斬り刻まれ捨てられる。

今の光景を見ていた学校の生徒の中で何が起こったのか理解出来た人は1人もいない。


「何だたった一匹の畜生が斬り刻まれただけで尻好みか。私の失態もあるとはいえ奇襲を仕掛けておいて情けない」


カトレアの幾つかある癖の一つの動かないモンスターに説教をはじめた。

弱くても立ち向かってくる存在には敬意を表す場合が多いが反対に強くても立ち向かって来ない存在にはやたら当たりが強かったりする。


スッ


また腕がブレるとどう見ても近接武器の射程外にいるはずの何匹かのモンスターの頭を跳ね飛ばす。

その死んだモンスターの前にまだ他のモンスターという障害物があったにも関わらず後方のモンスターの首を斬ってのけた。


「すげぇ……」


生徒内の誰かが呟いた。

また腕がブレる。

そしてモンスターの首が飛ぶ。


「奇襲の仕方は悪くない、寧ろ褒めたくなるほどスムーズで及第点。惜しむらくは召喚されたモンスターの質がどれも私のレベルに達していないという事だ!!」


槍のような剣を両手で構えほんの少し体に魔力を込める。


「ふっ!!」


ボッ!


今度は腕がブレた事すら認識出来ないほどの速さで剣が突き出されると前方にいたモンスター全ての頭だけ消しとばした。


「ぎ、ぎゃぁ……」


見て分かるほどに生き残ったモンスター達が狼狽する。

昔からそして断乃と会ってからカトレアは本能で恐れるモンスターは星の数ほど見て来た。

しかしここ最近明らかに自我を持ったり感情を持つモンスターが増えて来ている事に気付いていた。

目の前のモンスターも5歳児程度の知能と感情が見え隠れしていた。


「それでは次で決めるか」


また構える。

だが今度は薙ぎ払う一歩前の予備動作の段階で構えた。

その時モンスターの内の1匹が這々の体で逃げ始めると釣られる様にして他のモンスターも逃げ始める。


「全く……弱いまま感情を持つのは酷なものだ」


ッッッ


風が吹く。

そして瞬きの間に逃げたモンスター全てが一刀両断されていた。


「これは下手に感情を持ってしまった者達へのせめてもの慈悲……なのだろうか?」





「だるっ」


ヒグマサイズの大虎を一振りで絶命させると間鵞廼が愚痴を溢す。


「まだ完全に警戒が解けてないから俺らも対処出来たがもし警戒が解けた時に来たら断乃達だけで何とか出来たか?……いや、どれだけ味方が強かろうと根本的に対処しなければ行けない場所と人数か釣り合わないから絶対に被害が出る」


ヤンキー的な見た目裏腹に冷静沈着な分析をしてその分析通りにならなくて良かったと胸を撫で下ろす。

戦闘が一段落した為辺りを見渡した。


「…………特級がいなかったのは不幸中の幸いだがぁ特一がいたのはかなり辛かったわ」


武器に付着した血糊を振り払い布で拭き取りながらここまでの戦闘を振り返る。


「ようやく……俺もこの強さなら特級と胸を張れるか?はっはっ!胸を張っても資格がなきゃまだまだ特級を名乗れねぇな」


断乃の達の成長スピードには敵わないが間鵞廼も確実に成長しており特級としての最低ラインは既にクリアしている。


「今年は特級へランクアップする為の試験を受けてみようかっーーーーー」


ドスッ


間鵞廼の体に衝撃が走る。

反射的に腹を見るとドリルの様に捻れた腕が見えた。


「え?」


本来ならこの程度では気絶しないが連戦による疲労で簡単に気絶してしまう。

間鵞廼の腹から腕が引き抜かれると死体の中にあった物体が蠢き人の形を作る。


「芽は潰さねば」





ここまで来ると何日連続更新したか忘れる

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