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美女

連続更新98日目

うすうす分かってる。

更新を止められないって



「目的の達成だと?どういう事だ?」


「答える義理はない。答えた所で分かるわけがないからな」


呼乃田の目の前にる美女は髪を耳に掛けると溜息を吐く。


「この程度なら次で決められるであろうな……」


「っ!!!何を企んでる!」


「言ったはずだ。答える義理はないと」


ダーケン、カトレア、断乃達と毎日鍛錬をしてずっと強くなった呼乃田でさえ一歩後退りしてしまう程の気迫が襲う。


(これだけの戦闘をしようと……まだまだ本気じゃなかったってのか?!)


肩で息をする呼乃田が周りを見ると全壊した建物が何十棟もある。

全力で被害を抑えつつ敵である目の前の破壊を振り撒く美女の制圧を目的に戦ってもそれだけの被害が出た。


美女の実力は数度打ち合うだけで格上と分かる強さ、その強さに呼乃田はカトレアとダーケンを幻視する。


「……何故街を破壊する。破壊する目的は?」


「答える義理はないと言ったであろう?もう忘れたのか?」


嘲る様子も無く淡々と受け答えをする。

少しだけ考えると話を続けた。


「……僕は破壊行動をする貴女を見て止めなければと思ってここに来た」


「……」


「そして僕が駆けつけた瞬間に振り撒いていた魔法をそのままこちらに向けて放った。

 最初はただの迎撃かと思った、思ったけど暫くして何か変だと感じた。更に今の「目的は達成した」という言葉」


「…………」


美女は表情を崩さず黙って呼乃田を見つめて次の言葉を待つ。

そんな時呼乃田はニヤリと笑う。


「馴染みが無いからなのか詳しい理由は分かんないけど」


手を上げ中指に嵌めている指輪見せつける。


「僕が遠くにいる仲間と連絡する手段を持ち合わせていないと思ったのは間違いだよ」


「?!」


それは一度東京でドラゴンと交戦する前に魔闘部の皆へ配った通信専用指輪だった。

通信専用と謳ってはいるが体温調節機能も付随している為一方的な通信しか出来ないしようだ。


詳しい性能までは分からないだろうが美女の驚いた表情から大凡の性能は把握されただろうと呼乃田は推測する。


「後輩から「自分の相手は逃げましたが最後に目的は達成したと言っていました!」と連絡があったんだ。僕1人だけにその言葉を言っていたんだとしたら目的は縛りきれなかった」


美女をしっかりと見つめる。


「だけど後輩の言葉でお前らの目的が何となく分かった。…………お前らこっちの戦力の偵察に来てるんだろ?」


「…………ちっ」


じっと睨まれた美女は顔を晒し小さく舌打ちをする。

考察は当たっていたが何となく呼乃田は違和感を感じていた。

この感じている違和感の正体は分からないが今無視をする。


「戦力の把握を複数人でしに来たって事は組織的な犯行だろうなぁ」


「はぁ……」


ガシガシと乱雑に髪を掻くと雰囲気が変わる。


「やはり思った事とかを一々口に出す癖は直さないとこういう時に色々バレるな」


自嘲気味に笑う


「まぁ、お前らの戦力の把握の為に襲撃したとバレた所でさほど計画に支障はないわけだ。

 バレないならバレるいでその方が都合がいいのだがな」


「戦力を把握して何をするつもりか聞いたら答えてくれたりするのかい?」


「はははは!!答える訳がないだろう!!」


「あららやっぱりか」


お互い笑い合う。

そして次の瞬間には目がガラリと変わり今にも殺し合い始めそうな雰囲気が流れる。


「最悪街への被害を無視すれば……自分の最後の切り札を出せば君を叩きのめせるとしたら??」


「やってみろ」


美女の煽りで呼乃田は《ブリューナク》を無言で呼び出す。

それだけに止まる事はなく身体能力が《ブリューナク》によって目の前の存在を殺せる適正なラインまで無理矢理引き上げられる。


(……ぐっ!この急激な変化は慣れない)


急激な身体能力の変化による負荷で険しい表情になるがそれを押さえ付けて美女と対峙した。


「予定外だがまぁ良いだろう、相手をしてやる」


「それじゃあ……『潰す』」


ブリューナク自体宿る能力が完全に呼乃田に浸透すると言葉遣いも変わった。

2人が地面を蹴りその武器が交わる瞬間誰かが介入する。


「馬鹿共が」


「「え?ガァッ?!?!」」


ドグァアッ!!!


ダーケンが現れると呼乃田と美女の頭を殴り地面にめり込ませた。

かなりダメージが大きかったのか気絶してピクピクとしか反応しない呼乃田と何とか意識を保ってはいるが傷を押さえ動けない美女。


「その力を使えば子孫の住む街がなくなってしまだろうが……」


呆れた顔で気絶している呼乃田の頭をペチッと叩く。


「……戦うか?」


「…………」


ダーケンの質問に美女は必死に首を振って否定をする。


「なら見逃してやるから逃げろ……あぁ待て」


言葉通り逃げとした所を直ぐに呼び止めた。


「名前だけ聞いておこう。言わないのなら殺すまでだ」


「ジノフェ・トルッツ」


「……はっ生きていたか」


「???」


ダーケンの呟きに美女は思わず頭上に疑問符を浮かべる。

そんな美女を見たダーケンは手をヒラヒラさせるとさっさと逃げるように促した。


必死に逃げた敵を見送るとボソリ呟いた。


「分家の子孫にも伝えるか」





休みたい

次作は絶対に毎日更新するもんか

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