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成長

連続更新95日目

遅くなりました。



「モンスターの質は東京の時ほど高くはないが量は遥かに多い。間鵞廼さん達が来た当日にあったモンスターの発生……と似ている、全体的なレベルが高い」


断乃は走りながら飛び掛かって来た獣人型のモンスターを心剣で切り捨てると《絶対切断》を発動させ飛び掛かる準備をしていたモンスターを事前に処理する。


(今ので大体……20は処理した。今回のモンスター、魔獣の発生源はどこだ?報告からも突如現れたと聞いたから間鵞廼さんとの初仕事の時みたいな原因か?)


突如モンスターが現れた原因を考えながら次々と心剣を振るっていく。

そのまま目につくモンスターを斬って行くうちに違和感に気付いた。


(急に静かになったな……)


まばらなモンスターの鳴く声と風の吹く音以外聞こえて来なかった。


「いつの間にか……誘い込まれた感じか??」


自戒する様に目頭を強く揉むと顔上げ打開策を考える。


「人避けの魔法はカトレアとダーケンが何度か使ってる時は見た事あるけどそれは静かな時間が欲しい時だけ。

 だけどそれは2人の魔力量があるからこそ無理矢理その領域を広げられた。……数人掛かりでやっている可能性、また異世界からの貴族が来た可能性」


その考えに到達した瞬間悪寒が走る。


「今の俺ならあの時の奴はギリギリ倒せる……はずだから来ても何とかなるかもしれないが複数だとやばいかもな………?!」


独り言を垂れ流しながらモンスターを斬り捨てていると魔力の弾丸が頬を掠る。

即座に軌道から射手の位置を大まかに逆算してその方向を見た。


「……3人??」


強化された義眼は3人の人影を捉えた。

その人影も断乃が見ている事に気付いているのかじっと見ている。


「ギャァァアッーーー」


「邪魔だ」


背後から襲って来た小鬼、所謂ゴブリンをノールック《絶対切断》で処理。

一瞬も3人の人影から目を離さなかった断乃は自身に向かって魔弾を放った理由を聞く為走り出す。


(逃げないな。俺が襲っても勝つ自信があるという事かな??だとすれば相当舐めてるっ!!)


「《アブソリュート・ゼロ》」


「「「?!?!」」」


姿が消えた瞬間3人の人影はその場で動揺した。

断乃の能力に詳しくない3人にとっては転移魔法を使いこなす人間に見えたからだ。


そしてその断乃は既に背後にいた。


「俺を襲った割には注意が散漫ヨンマンだっと」


話の途中に1人が炎を放つとワザとギリギリで避ける。


(魔法の構成速度が人間レベルじゃない。まるでカトレア達と同じ悪魔族みたいだ)


「……!」


「ちっ!」


無言の気迫、苛立ちの舌打ち

それぞれ水と雷の魔法を放ち断乃を感電死させようとするが魔力防御膜により阻まれる。

ダーケンによって今まであった枷の外れ、魔力回路という魔力を生成する役割も持つ機関が日に増えて行く事で自然と溢れて出来る魔力防御膜も協力になって行った。


まだ2人には遠く及ばないが成長期という事も相まって伸び方は見て分かるほどだ。

そんな断乃に魔法を防がれた3人は目を開いた。


「聞きたいんだがこのモンスターの大群を発生させたのはお前らで良いんだよな??」


ボッ!


魔法を放つ無言の返事

魔力防御膜がある為傷はない。


「2人の目の前に何とか連れて行けば俺が聞くより詳しい情報を吐かせる事が出来そうだ。だから少しだけ本気を出す。

 《変刃 : トラスフォーゼ》」


持っていた心剣を仕舞うと別の心剣を取り出した。


「これは俺のお気に入りでな、特注なんだ。色んな場面に対応出来る様にと複数の武器への可変……つまり俺の思うロマンを詰め込んだ」


ガシャン


大剣から双剣へと変形させ身体能力を強化しつつ斬りかかる。


ガギッ


流石に目の前で起こった事だからか簡単に避けられ建物の屋上を傷つけた。


(……弁償しなくてもいいよな?労災降りるだろうからすまん)


顔も見た事ない建物の持ち主に謝る余裕を見せながら《変刃 : トラスフォーゼ》の切っ先を突き付ける。


「俺にちょっかい出した理由話すなら戦わない手段もあるけど?」


シュッーーー


魔弾がまたしても断乃の頬を掠る。

流れる血を拭い鼻で笑うと払い捨てた。


「我慢はしないからな」


この言葉をきっかけに3人対断乃の戦いが開幕する。


断乃を囲い込むように散開して常に魔弾を発射し続け行動を制限する作戦を取った。


「ちっ、この戦い方だと手加減が辛いっ!」


愚痴を溢す。

やはりいつまでも殺傷能力の高い断乃の《絶対切断》は加減を必要とする戦闘と相性が悪すぎる。


(なら結構めんどくさいけど斬撃数を並べ切れ味も鈍化させてほぼほぼ鈍器に変えるまで!)


「ディセラレイト・ショット!!」


鈍器とも言える程に切れ味が鈍化した斬撃を振り撒き3人を制限させ1人ずつ捉えようとしたがばら撒かれていた魔法に接触に対処されてしまった。


「侮るな」


初めて3人のうちの1人がしっかりとした言葉を話した。




良作を見つけるとどうしても……ね?

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