変化
連続更新94日目
遅れたナス
6月某日
久しぶりに全国的でモンスター、魔獣化の発生が爆発的に伸びた日だった。
「いいかい?!久しぶりの大規模なモンスターの処理だ!何故か各都道府県で1番人口がある場所に出現が集中しているらしい!
それでもここにも見る限りモンスターがかなり来てる!なるべく1人で広く戦ってくれ!吉村君達はまだ実力が足りてないから4人チームでモンスターの対処に当たれ!」
「解散だよ!」
「「「「「「おう!!」」」」」」
想離の合図で魔闘部の全員は学校の屋上から飛び降りそれぞれ指定された場所へと移動する。
吉村達は学校周辺のモンスター処理を頼まれた為地面に着地する際魔力を小さく爆発させワンクッション置くとモンスターに向かって走り出した。
堅霧は吉村達が向かった方とは真逆の方向に走り屋上から跳んだ。
建物の屋根を伝いモンスターの元へ急ぐ。
想離は飛行型モンスターを召喚して背中に乗って移動していた。
目的地周辺になると制圧能力の高い魔法使いタイプの従僕を召喚してそのまま降下させる。
真梨、呼乃田、断乃の移動方法は大体堅霧と同じだが移動スピードが違う。
風波は誰とも違う移動方法を取っていた。
想離は例外だが皆自身の体一つで移動している中黒塊の如き武器を両手に持ち炎を噴射させ空中を飛んでいたのだ。
これは改良に改良を重ねダーケンとカトレアが選別した等級の高いモンスター、魔獣の魔石を複数セットされている。
用途は移動やほぼ自衛限定の必殺技を放つ時に使用される。
そして風波専用の武器をウキウキとして作成したカトレアとダーケンは学校で生徒達の警備を担当する事になっていた。
2人が出ればモンスターが即座に消え去るがそれでは魔闘部部員達の成長の場を奪いかねないと断乃達は協力を断ったのだ。
手持ち無沙汰になった2人は「暇になるのは嫌だからな。生徒達の護衛くらいはしてやる」と言って居座るに至る。
「あ、あの……学校は大丈夫なんですよね?」
大人しそうな委員長タイプの女子生徒がカトレアとダーケンに話し掛ける。
仲良いい断乃達には2人はただのクールビューティーに見えるが特に仲の良い訳でもない一般生徒達にとってはやや吊り目のめっっちゃ怖いクールビューティーに見えていた為緊張していた。
「ん?あぁ大丈夫だ。今モンスターの対処へ行った奴らの師匠的立場だからな。
特一や特級だとか言われるモンスターだろうが魔獣だろうが私達にとってはさしたる問題ではないよ」
「お前達は私達の後ろで安心だけどしていればいい」
「…………!!!!」
「どうした?」
「何でもないですぅ……」
この瞬間本当の意味で初めてダーケンとカトレアに熱狂的なファンが誕生した瞬間だった。
2人の話の節々に見せる圧倒的余裕と最後に見せた僅かな笑みによって熱に浮かされた様な返事をするとクラスの中へ戻って行く。
「な、なんだったんだ?」
「…………こうやって先祖様にヤラれた男が沢山生まれたのですね」
「ヤル?殺してはいないぞ?!」
若干話が食い違うがそれとは別にカトレアのその言葉は自身にとってブーメランである。
☆
「《銃壊 : スコーチュタルス》を改めて新武装の名前は《銃壊 : アシューシズ》。魔石という外部からのパーツを組み合わせる事によって快適性と火力を両立させるだけでなく、武器自体を硬くする事によって緊急時の盾としても使用する事が出来る。
これは快適性の暴力ね」
ダーケンの異空間での座学から日が経っているからか武装全てが心剣化していた。
新武装だが旧式の《銃壊 : スコーチュタルス》×2と新型の《銃壊 : アシューシズ》×2を心剣化させるのにはかなり努力を必要とされる。
独学ならば数ヶ月かかるが断乃や異空間提供のダーケン、体術等の師匠のカトレアに獅堂されたおかげでもの凄い短期間で心剣化に成功した。
周りを見て自身を取り囲むモンスターを見る。
「既にロックオンしているから逃げるのは無駄よ」
カチ
トリガーを押すと全モンスターの頭上に氷塊が一瞬にして生成されると次の瞬間には爆音を響かせた。
ズドォォォォン!!!!
一気に数十の対象に氷塊を加速させて放つという暴挙に出た為か疲れが押し寄せる結果になる。
「……ふぅ、魔力の急激な消費は中々疲れるわね。これに耐えながら命懸けで戦ってた呼乃田先輩や理への評価を最大限にしないと私の恥だわ」
自身でメインになれるくらいの火力を出せる事に喜びを隠しきれないのか好戦的な表情で呟く。
「グゥゥウウウウォアアアアアアアアア!!!」
少し離れた場所から5mほどの大きいモンスターが一心不乱に走って来るのが見える。
カチカチ……ガチン、ガシャン!!
ある特定の操作をすると《銃壊 : アシューシズ》が変形しより攻撃に特化した見た目になる。
それを更に連結させレールガンの様な見た目になるとすかさずトリガーを押す。
「グゥアァア?!」
突如目の前で動きを止めたモンスターが困惑の叫びを上げた。
「還れ《アシューシズ》!!!」
ドッ!!!!!
純粋な魔力を解き放つとモンスターの上半身を魔石ごと吹き飛ばす。
「これは中々快感ね」
恍惚とした顔で溜息を吐く
1番火力武器持たせちゃ行けない奴が火力武器持った感