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銃壊

連続更新92日目

4ヶ月目っすね



「ふあぁぁぁ……んっ」


大きく伸びをすると風波は立ち上がりベットから降りる。


「……少し散らかし過ぎたわね」


普段は高校の宿題をする机には前日ダーケンとカトレアから聞いた魔法理論をまとめたノートが散らばっていた。

そこには更に心剣化を目指している武器が鎮座している。


「自分の得意とする魔法属性を時間制限付きで変えるこの指輪負担が凄いけどその分戦闘のサポート能力、幅は数倍に広がるから頑張らないとね」


机の上を素早く丁寧に片付けるとある事に気付く。


「しまった……学校の宿題済ませてないわ」


学生としては割と致命的なミスをしてしまう。

しかし幸いな事に期限は来週までのもので他の宿題は学校にいるうちに済ませている。

ちなみに学校は魔闘部の事情をよく知っている為宿題の期限の延長やテストの点が悪かった時の救済措置を用意していた。


「朝ご飯食べなきゃ」


乱れた髪を結い階段を降りる昨晩予め作り置きしておいた料理を温め直しにキッチンに向かった。



「ご馳走様」


食べ終わった皿を重ねて手を合わせる。

チラリと時計を見た。


「6時20分……良い時間だわ。今から行けば体育館貸切ね」


直ぐに皿洗いを終わらせて学生服に着替え、模擬戦闘で良く使う風波だけの戦闘服が入ったアタッシュケースを取り出す。

他にも着替え等の荷物を用意すると自然と両手が埋まった。


「……今日は自転車か。ダーケンさんとカトレアさんに武器の一部預けておいて本当に正解だったわ」


思わず苦笑が溢れると荷物を持ち家を出た。





6時48分

模擬戦闘が出来る専用の体育館の方へ向かうとそこには既に戦闘服へと着替え終わった断乃がいた。


「よっ」


「おはよう、準備が良いわね。それよりダーケンさんとカトレアさんは?」


「体育館の中にいて軽く手合わせしてる。俺は巻き込まれそうだから外にいたんだ」


「あーー、なるほどね」


ダーケンとカトレアの2人とよく交流するうになって性格が詳しく分かり始めた風波は断乃の言葉に外いた理由に納得した。


「私もかなり魔法理論詰めて来たから早く試したいのよ」


「あの得意属性を変化させるヤバいヤツ?」


「そう。アレがあれば戦闘サポートの幅も広がるしその質も上がるのよ。もちろん戦闘サポートが上手くなるだけじゃなく私の根本的な戦闘力も上がるから」


「どんな戦い方になるんだ?」


「それは……まぁ、お楽しみってやつよ」


そう言い残すとさっさと体育館のドアを開けてしまう。

開けたと同時に強い風が風波の髪を揺らした。


「戦闘した際に出る風圧だけでこれほどとは恐れいるわ……」


少しびびって小さく咳をする事で誤魔化す。


「ダーケンさん!カトレアさん!今来ました!!」


「「んん?」」


激しい攻防がビックリするほど綺麗にピタリと止まり風波の方を向く。


「あぁ、カザナミか。また異空間でやるんだな?」


「はい!ダーケンさんの能力は鍛錬にもの凄く向いているので助かってます!」


「……そうか」


照れ気味に返事をするとダーケンは能力とは違う異空間、人によってアイテムボックスなどと呼ばれている異空間から預かっていた武器の一部を取り出すと手渡した。


「ありがとうございます」


「カザナミ魔法理論はどこまで理解出来た?」


「全体の3割未満ですがこの心剣化してから使用する武器に必要な部分を集中的に学んだのでそれだけ見ればそこそこ」


「分かった」


カトレアも更に風波が使う武器の一部を取り出すと手渡した。

2人から渡してもらった二つを目の前に置く。

こうして眺めると武器などでは無く、見た目はただの黒い箱か何かだと勘違いしてしまいそうになる。


二つの黒い塊を正しい位置に並べ連結させるとガチャリ!という音が鳴った。

黒塊の上部分の中央に何かを差し込む穴がある。


「よし!」


風波自身が持っていた普通の銃より角ばった形の銃を取り出しその穴に差し込んだ。


ガチャン………ガコッ……キィィィイン


内部で黒塊が動きその銃とも連結した。


「……っしょっと」


その黒塊に軽量化の魔法を施してあってもまだ重さを感じるのか風波が顔を顰める。


「根本的に私の筋力が足りなさそうね、まぁいいわ。ダーケンさんよろしくお願いします」


無言で異空間へのゲートを開く。


「この中で何日過ごす絶対にする?体力は現実と同等に消耗するが腹は現実準拠だからそこら辺は気にするな」


「そうですね……なら4日ほど内部の時間を調整していただいても宜しいですか?」


「構わん」


そう言うと異空間に手を突っ込み何やら弄る。


「……もう良いぞ」


「では失礼します」





深呼吸をする。


「すぅーーはぁーーっ《銃壊 : スコーチュタルス》」


青い光りと共にキュィィィインという機械的な音を出すと変形して超大型の銃へと変化した。

同時に他の心剣化を目指すアイテムを起動させると風波の身体能力が3倍に引き上がり、得意な魔法属性が風では無くなる。


「本気の銃撃戦を試してみます」


「ふっ……掛かって来い。時間はたっぷりと魔力はたっぷりとあるからな、延長もしてやる」


挑発する様にダーケンは手招きをするも風波は《銃壊 : スコーチュタルス》を構えた。


「胸を借りさせていただきます!!!」






初めての風波強化イベント

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