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心剣化

連続更新88日目

微かに早い……



「ーーー戦闘の幅を増やす為に後天的に心剣を身に付けたい……という事で馴染みの武器を持った皆さんがダーケンの異空間にやってまいりましたぁ〜わぁ〜パチパチ」


何となくふざけたモノローグ的な事を言い自身で拍手をするとまばらだが小さい拍手の反応がある。

拍手した人は断乃等のやたらふざける事が多い人に着いていける人だけだった。

キルノアはジャックの目を塞ぎ無表情で見ている。

女性陣からの視線は総じて冷たいが想離だけは多少理解がある故ニコニコしていた。


「それぞれ心剣にしたい武器を取り出してくれ」


合図と共に全員が武器の入っている箱や帯剣していた武器を取り出す。

真梨だけは武器でも防具でもなく指輪とメガネといったアクセサリーだった。

しかしただのアクセサリーではなく特殊な魔法の施された特別製。


みんなは知らないがこっそりと真梨はカトレアとダーケンに自身の今後を決めるアイテムの作成を頼んだ。


「言った通り後天的に心剣を持つ条件、コツは武器に対する理解そして魔力がどれだけ武器に馴染み、体の一部として扱えるかだ。

 ただ今ここで言っておくが体の一部として扱えるって表現さ達人レベルの技術を身に付けるって意味じゃねぇ。ここだけ覚えてくれよ?言葉で言っても分からないと思うからひたすら実践あるのみだ」


無言で長剣型の心剣を取り出し皆に向けた。


「さぁ特訓だ!!」





「ぐっ!!」


「呼乃田さんもっと武器に体を委ねて!!自分が武器だと思うくらい強く!!」


「分かった!!」


言葉一つで呼乃田は断乃の言う様に武器体を委ねていった。

そうすると徐々に動きに鋭さが増していく。

決して魔力で身体強化をしているわけでは無く、ただひたすらに武器となっていた。


「ふん!!」


「ぐっ?!?!」


今度は断乃の攻撃が派手に弾かれる。

身体強化無し、能力使用無し、純粋な身体能力の勝負。

身長も体重も断乃の方が勝っているのにも関わらず呼乃田が剣戟に打ち勝つ。


「何で体格俺の方が勝ってるのに弾けるのかなぁ!!!」


「っっ!!」


更に鋭さが増し、瞬間的に身体強化と同等の素早さで剣を振るう。


ガキンッ!


断乃も何とか応戦し火花が飛び散る。

その時呼乃田の持っている魔狩人協会から特注で作成してもらった剣が青く光った。


「これっ?!」


「おめでとうございます……成りましたね」


「何となくだけど心剣としての使い方が分かるな……」


「それが心剣です。もう既にその武器は体と同化しました。いつでも取り出せるはずです」


「……」


心剣となった剣を体に収納するイメージをする。

すると剣はゆっくりと呼乃田の体に吸い込まれていった。


「出す……」


今度は体から心剣を取り出すイメージ。

すると手に心剣が握られる。


「これは便利だね!!戦闘中に収納して体術に持ち込んでそこで急に出して斬り付けるって方法も取れる!しかもこれっ……!!」


「壊れても魔力を込めれば修復される。戦闘においてこれは超が付くほどのアドバンテージ、それが乱戦や命の削り合いなら尚更」


「断乃君はいつもこれを使ってたんだなぁ。ズルいぜ??」


「ははははは!!ズルいは酷いっすよ!」


2人の間に弛緩した空気が流れる。

その背後では真梨と堅霧の壮絶な拳の応酬が起きていた。


「……拳で殴り合うなんて野蛮だなぁ」


「剣で斬り合ってる僕達の方が遥かに野蛮では?」


「……確かに」





「「このぉ!!!」」


ガッ!!


拳がぶつかり合う。

こちらも身体強化は無しの技術勝負をしている。

堅霧は拳の部分以外刺々しいガントレット、真梨はメガネと指輪。

心剣と呼んでいいかもの凄く疑問だがそんな事はどうでも良かった。


(堅霧君の攻撃武器は拳。ボクシング、そしてキックボクシングスタイルへの滑らか以降が強力な戦闘スタイルっ)


攻撃を避けつつメガネに施されている思考加速を利用しながら堅霧の戦闘を分析する。

内容は既に分かりきっているがおさらいとして心の中で呟く。


「オラァ!……ラァ!」


一段早く拳を放った後すぐさま堅霧は足払いを仕掛ける。

だが


「甘いっ」


避けると同時に宙へと回転して踵を落とす。


ゴッ


鈍く重い音が響く様だった。

踵は堅霧のガントレットによって阻まれる。


「……まさか防ぐとは」


「勝てなくてもいいが負けるのは嫌いだからな」


ぎゅっと拳を握ると堅霧のガントレットが紫色に光る。

対する真梨も拳を握ると緑色に光った。


「「……ふぅ」」


深く息を吐く。

2人とも構えが変わる。


堅霧は更に基本に忠実に真梨は先程までと全く違う野生的過ぎる構え。

真梨は堅霧の動きを良く見ようと集中しつつメガネの思考加速を発動させると黄色に光る。


「「っっーーーーー!!!」」


身体強化一切無し

駆け出した2人の拳が混じり合い、汗が飛び交い、最後に互いの顔を殴った際に出た血。


「良い……拳だ」


「ありがとうと言うよ。……真梨、君」


少し恥ずかしそうにお礼を言った。







明日も頑張ろぅ

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