後天的心剣
連続更新87日目!
遅くなってしまいごめんなさ〜〜い!
キルノアが騒ぎの原因を沈めて犯人を魔狩人と警察に引き渡すと店に戻った。
「20分か……引き渡しに要する時間を考えればかなり早いな。その騒ぎってさほどでも無かったのか?」
「粗末な物をぶら下げた男が子供を人質に取っていただけよ?何がしたかったのかは聞く前に沈めちゃったかは分からないわね」
「粗末て……」
男なら必ず持つムスコの表現を粗末と表された名前も顔も知らない男に軽く同情する。
「キルノアさんどうやって倒したんだい?」
以前一度だけ戦ったとはいえ正確に戦闘方法を把握しているわけでは無い呼乃田が興味深そうに質問をした。
「貴方と初めて会った時のような戦闘スタイルではないわよ?」
「それでも良いから教えてくれないか?一応魔狩人見習いって立場だから強い人の戦闘スタイルが気になるんだ」
「仕方ないわねぇ。特別に教えて上げるわ」
「ありがとう」
感謝を述べるとキルノアはまずナイフ型の心剣を一本手元に呼んだ。
「まずはこれね。このナイフ型の心剣が私の基本武装よ」
「一本?初めて戦った時って確か……」
呼乃田はその時の状況は詳しく思い出す。
「そう二本……だけど今手元には一本しかない。誰かこの謎分かるかしら?」
「あ、はい」
断乃が手を上げる。
その姿を見た瞬間呼乃田は答えを察した。
「どうぞ」
答えを促す。
「そのナイフ型心剣は複数対の心剣……ですか?」
「そう正解!良く分かったわね?!」
まさか正解すると思っていなかったのかキルノアは目を開いて驚いたいる。
「まぁ何ていうかな?俺もそうなんだ、心剣を複数所持してる。先天的に所持していた心剣と後天的に所持する様になった心剣の二つ」
「そんな事出来るの……?」
「何か出来た。その証拠として」
まず長剣型の心剣を手元に呼び出すと目の前の大テーブルに置く。
「これが一つ目。そして二つ目は少しデカイな」
そう言うと長剣型心剣をテーブルの端にズラすと魔狩人協会に特注で頼み、その後心剣化した多重機構型心剣が断乃の手元に呼び出された。
ゴドッ!……ギシィ!!
鉄塊でも落としたかの様な音と共に多重機構型心剣がテーブルの上に現れ更に軋む音までも聞こえて来た。
一つ目の心剣を出す時点で皿等は既に下げておいた為破損の心配はないが代わりに大テーブルが悲鳴を上げる。
「これが後天的に心剣になった武器だ。これが心剣の複数所持を勘つけた理由」
「……」
無言でズィッと顔をキルノアが近付けると一言囁く。
「後天的に心剣に出来るのならその方法を教えてくれないかしら?」
何故か心剣な表情だった。
何となく深い理由があるんだろうなと思った断乃達は追及をしないと決める。
「別にいいぞ。そのナイフが俺達に向くって事はないんだろ?」
「当たり前よ!」
「ならばこの多重機構型心剣ごろうじろう〜ってな。ついでにみんなにも役立つと思うから後天的な心剣の所持方法を伝えるわ」
長剣型心剣を手に持つと仕舞う。
そして多重機構型心剣を持ち立つと先から少し離れて皆に見やすい位置に立つ。
「まずこの心剣。見た事あるやつは分かっているだろうが複雑な中身をしていて複数の武器種に変化する事が出来る。多重機構ってやつだ」
ガシャガシャ……ガシャンッ
分かりやすく大剣から弓へと変形させる。
「一つ目はこの弓。矢を番える場所には弦も矢もないがこう手を合わせると……」
言葉通りに手を合わせると魔力で出来た弦が現れた。
「流石に矢を出すのは色々と……オホン、主に店主からの視線が痛いので出すのは辞めさせていただきます。
話を戻して二つ目」
また魔力を込めながら弓を弄って弓から双剣としてはやや大型の双剣へと変形させる。
「この形態は魔力を込めると備え付けの重量を軽くする魔法が発動、そして刀身も場合によっては伸ばす事が出来ます。
元々が重いので手数を増やしたり、足りないリーチを補う為ですね。さて次は大剣」
今度は魔力を込めずに変形させる。
大剣としては多重機構のせいもありやや歪な形となっていた。
「大剣。言わずもがな重量で敵を叩き斬る大味な武器だ。大味過ぎて好みがビックリするぐらい分かれたりするんだよ。それはさておき何故俺が魔力を込めていないか分かる人ーー?」
全員に質問をする。
だが誰も手を上げない。
呼乃田、想離、カトレア、ダーケンの4人は大体分かっている様だったがすぐに答えを言っては皆の為にならないと思ったのか口を閉じる。
「分からんのよしょうがない。サクサクと行くために答えを言うと身体強化だ」
「ん?それは貴方自身自前で出来るはず……よね?」
「出来る、けども楽出来ることに越した事はない。あと付いてる魔法は頑強化だな。単純に多重機構故脆い部分がどうしても出て来るからその補強」
更に補足をすると一息付く。
「ここまで説明されて何がなんだがって人もいると思うが簡潔に言ってしまう。
後天的に心剣を持つコツ。それは武器に対する理解だ。その武器をどれだけ理解し、自分の魔力を馴染ませるかが鍵となる。正直な話理解は割と簡単に出来る……が魔力を馴染ませるは苦労すると思う」
「何故かしらぁ?」
「洗濯しても落ちないシミと同じくらい馴染ませろって事だ」
「分かりやすいけどすっごい分かりづらい」
ここまで読んで下さりありがとうございます!
(゜∀゜)
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また明日!!!(予定