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人質

連続更新86日目

シンプル難産



キルノアが悲鳴のした場所に到着する。

詩乃空の店から大体100m程度しか離れていない為移動は一瞬だ。


悲鳴の原因となる存在を見ると人間としてはそれのり魔力を持つ一般人が身体強化を施しつつナイフを持ちながら子供の人質を取っていた。

人質は恐怖からか泣き叫ぶが犯人の男がナイフを首元に押し付けて「静かにしろ!」と脅す。


「ひっぐ!……ひっぐ!」


子供は必死に泣くのを我慢しているがこんな状況ではそもそも不可能でありすぐに涙が決壊してポロポロと溢れる。

それでも泣き声を上げないのは子供の尺度から見たかなり凄い、立派と言って差し支えない。


「……小さい身内を持つ者としてこの光景は反吐が出るわね。

 『来い也響』」


キルノアは()()を取り出すと歩き出す。

野次馬達の間を静かに、そして滑らかに止まらず移動する。

野次馬の中を掻い潜ると当然ながらこの騒動の犯人の目の前に到着してしまう。

だがキルノアにはそんな事お構いなしだ。


「なんだお前!!」


「なんだお前とは随分と手荒な挨拶ね?」


一歩近づくとビビったのか犯人は人質と一緒に一歩後退した。


「ち、近づくんじゃねぇ!!この子供が殺されたいのか?!」


グッとナイフを頬に押し付けた。

ほんの切れたのか小さい血の塊が出来ると垂れる。


「貴方……楽になれると思わない事ですね」


「はっ!この状況で何を……何をっ?!」


キルノアは突如大型のナイフ型心剣をオモチャの如くジャグリングを始める。

その手捌きは犯人も唾を飲み込むほど


「何故貴方が子供を人質に取っているのか分からないけど……取り敢えずはその手は使えなくするのが正解みたいねぇ」


一本適当に右手で投げる。


「一般人は離れていてねぇ。少し遊ぶから」


そう言うと適当に空へ投げたはずのナイフが弾かれるように方向を転換してまた飛び始めた。

更にもう一本手に持つと今度は狙いを定めて投げる。

最後の一本は取っておく為に右手に握った。


カン……カンッカンカンカンカンカンカン!!!


「ヒィッ?!」


二本のナイフが結界を作る様に犯人と人質の子供の周りを飛び回る。

驚いた犯人が情けない声を出す。


「これでも一応いつでも貴方の頭、心臓を一突き出来るわぁ。そのままその子供を解放するなら何もせず魔狩人協会と警察に預けるだけにしてあげる」


「ぐっ……だっ、だがそんな事して良いのか?刺されるよりも一歩速く俺は刺さるぜ?!」


声が震えている。

必死にキルノアを脅しているのだと推測出来た。


「はぁ……あまりにも弱いと気分が乗らないって感覚久しぶりねぇ」


最後の大型ナイフを犯人に突きつける。


「一瞬で終わるわぁ。安心してねぇ、優しくするから」


「何を言って……?!」


「んっ!」


その手に持っていた大型ナイフを地面に向けて投げつけるとバネの様にすぐバウンドすると先に投げた二本と同じくナイフ結界に加わった。


「今終わらせるわぁ」


人差し指を犯人に向けると下を示した。


ガキンッ!!


ナイフ結界の一本が超高速で放たれると犯人の持っていた持っていたナイフを撃ち折った。


「「え、ええぇぇえ?!?!」」


犯人と人質の子供までもあまりの出来事に仲良く驚いていた。

何せそのナイフの飛んで来た方向は方角的に真後ろで体が障害物となっていたはずだからだ。


まだ野次馬として残ってカメラを構えていた一般人も驚愕していた。


「ま、え……ナイフ……えぇ……??」


状況を飲み込めていない犯人は目をキョロキョロと彷徨わせる。

そこまで動揺するか?とキルノアは呆れるがそのままにはしない。

ナイフを続け様に飛ばし手首をさした。


「ぐぁあ!!!」


握る事も出来なくなった拳をプルプルを震わせてキルノアを睨んだ。

その程度の視線など気にもしないキルノアは子供に手招きをする。

少し迷った様子を見せたが意を決してキルノアに駆け寄った。


「良く頑張ったわねぇ。年ないくつなぉ?」


「9歳……」


「たった9歳で良く我慢したわぁ。あとは私に任せなさいれ


頭を優しくポンポンと撫でる。

またじわりと子供の目に涙が溢れ始めた。


「取り敢えずボクは下がっていなさい」


背中を少し強引に押して大人のいる後方へと押しやった。


「子供を泣かせた挙句怪我をさせた貴方には一切手加減はしてあげないわぁ」


口調は穏やかだが雰囲気はかなりキレている。

キルノアの琴線に触れたようだった。


「少し痛くするわねぇ!」


ナイフ結界に使用するナイフの量を三本から五本、五本から十本、十本から三十本へと増やしていくと同時に結界の範囲も同時に減少させていく。


「ひっ?!逃げっ、逃げ場が!!」


「見ている人には少々お見苦しい物を見せる事になりますがそれが微かな罰となるでしょう」


「う、うわぁぁぁ!!!」


ナイフ結界が完全に縮小する。

そしてあたりに飛び散ったのは血でも臓物でも犯人の来ていた衣服の破片だった。


「あら?随分と粗まt……可愛い物を持っているわぁ。見ているこちらが恥ずかしくなるわねぇ」


最大限、ありったけの挑発を込めて今の犯人の現状を伝えると泣きながら座り込んでしまう。

それを見ていた一部の男性は流石に同情の目を向けた。





明日のアプデが楽しみ(モンハン)

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