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工夫 玉砕

連続更新80日目

弓下手になっててキレそう



互いに身体能力を強化して体育館の床を滑るように疾走して剣を交える。


ガキンッ!!


まだ《絶対切断》を付与していない為弾かれる結果になるがこれには訳があった。


(モンスターを殺す目的なら《絶対切断》をバンバン使って行くが今は戦闘スキルを磨く時間だからこのままスキルで押し通す!!!)


「《魔速》!」


「ほぅ?」


円をかく様にして回る動きから一転して直線に突っ込む。


ジッ!


剣が交差するかと皆が思ったがそうはならなかった。

剣の腹と腹が丁度擦れて火花が散る。

火花が散った瞬間一瞬出る光りに断乃は思わず目を逸らしてしまう。


「っっばい!!!」


直ぐ様魔力を爆発させると全方位に衝撃波が伝わり剣を振り上げたていたカトレアを3m後退させた。


「ちっ、魔力効率が良くなった分大胆に魔力を使える様になったから面倒くさいな。

 身体強化に必要な魔力も減らしているから中々面倒だ、本気を出せば何て事はないが今の仮主にはこの程度の手加減が丁度いいだろうよっ」


「まだ手加減なんてーーーーー」


体を低くし更に速く疾走すると斬り上げた。


ガキンーーー!!!


断乃は斬り上げに対抗して双剣を大剣にして振り下ろした

どう見て振り下ろしの方が勝負に勝つには有利に見えるがカトレアは難なく断乃ごと宙へ打ち上げる。


「……これでも手加減に不満があるのか仮主?」


ニヤリと笑う。

大剣を双剣に戻し2つを片手の指に挟み込むともう一つの長剣型の心剣を取り出した。


「なんちゃって三刀流!」


空中に魔力を出し足場を作る。

その足場から魔力の手の様な物を出し断乃は自身の足を固定した。


「そーーれっっ!!!!!」


腹筋にもの凄く力を入れて体勢をキープしながら両足でその足場を蹴った。

更に足場を蹴ると同時に固定を解く。


(ここでーーーーー!!!)


足場から50㎝離れた当たりで断乃の姿が消える。


(ーーーーー擬似転移!!)


カカッ!


魔力で着弾位置を調整して双剣を投げた。

そしてそのままカトレアに斬りかかる。


「中々……戦闘スキルと魔力の直接運用が上手くなっているな仮主」


「何せ俺達の先祖に直接教わったからな!これで成長しなかったら逆に申し訳なくなるね!!」


本来持っていた剣ではあまり想定していない突きを放ち、剣先から魔力を爆発させ爆風を発生させる。


「小賢しい戦略が上手くなったな!」


「それでもカトレアにはまだまだ手加減されてるけどね!!」


ここで遂に心剣に絶対能力を付与した。

疾走して何度も剣を交わし、擬似転移で背後を取るが悉く反応され剣の腹を叩く事で対応される。


「やっぱ異常な反応速度だ!!どんだけ実力が離れてる!」


少しだけいつもより喋る。

まるで何かから気を逸らせようとしているかの様に。

一度距離を取り構え直す。

余裕があるカトレアはそれを見ていた。


「少し試したい事があるから……悪いんだけどワザと引っかかってくれないか?」


「どれだけ私が反応出来るかみたいと?」


「あぁ」


「これはお前の鍛錬目的の模擬戦闘だ。受け入れてやる」


そう言うと黙って構える。

断乃は強く踏み込みカトレアに切迫して剣を振るった。


「ここに来て甘いぞ!!」


ガキン!!


ニヤリと断乃が笑った。


()()()!!)


剣を振り抜いた体勢でほんの少し固まった断乃の脳天に一撃加えようと最速で振り下ろす。

しかし

気がつくと景色は体育館内だが視点が変わっていた。


「……む????」


「擬似転移……したろ?これが一応切り札の一つ。名付けて《絶対付与》。数回に分けて魔力を流し込まないと発動しないから使い所が難しいのが難点だよ」


「……回数制限は?」


「今込めた量なら10回は行ける」


「すぅーーー………チッッッ!!」


見学をしている呼乃田達がいる場所まで盛大な舌打ちが聞こえた。


(うわぁ〜……めっちゃキレてる)


(手加減してたとはいえ格下の断乃君に主導権を握られたのが余程腹立たしいんだ……)


(見学してる人引いてるやーーん)


(え、そんなに怒る?)


見学してる人は勿論相対していた断乃はカトレアの舌打ちに困惑、そして引いていた。

ギロリと人を殺せそうな目で断乃を睨むとユラリ……と体を揺らしながら体勢を低くする。


前に出した足に重心が移った瞬間、模擬戦闘の中でも1番のスピードで体育館の床を蹴った。

ボロボロの木片が飛び散る。


「うわっ!」


反応さえ厳しい速さで目の前に迫ったがカトレアを床に刺した双剣の方へと擬似転移させた。

だが


「ガァっ?!?!」


その瞬間肩が砕けたのかと思うほどの衝撃を感じる。

痛む肩を押さえながら振り向くとそこには剣を担いだカトレアが立っていた。


「なん、で??擬似転移させたはずじゃあ……」


「私が普通に転移出来る事……忘れてないか?」


「………………あ」


「「「「あーーーそう言えば」」」」


カトレアの言葉に断乃、そして見学していた呼乃田達が同時に思い出して納得した。


「手加減ありきとはいえ初めて勝てるかと思ったのに……」


「私の盛大な舌打ちに行けると思ったのが敗因だな仮主。演技は見破らないと行けないぞ」


「くっそ〜!!!」


悔しがり必死に断乃が体育館の床を叩く事で模擬戦闘は終了した。






キレたわ

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