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当主

連続更新74日目

テオ相手に1乙した弱者です



「それじゃあ訓練を始めようか。俺はダーケンに能力の使い方を教えて貰って、他の人はカトレアに取り敢えず教えてもらう形でいい……かな?」


「僕は賛成だよ。断乃君の能力を向上させる事が出来るのはやっぱり扱ってた人だけだからね」


「仮主、コツを掴んだら直ぐに一度模擬戦闘をするぞ」


「なーんか厳しくなーい?少し休み入れないと」


「コツは掴んだら直ぐに馴染ませるものだダラダラしていられないだろ。それにコツを掴むのに体力がいるとは限らんからな」


「体力要らないとも限らないでしょ……」


やはり断乃の能力の指導を外された事でプライドが傷ついていたのか断乃に対してやたら当たりが強い。

その強い当たりの被害を受けた本人は何とか苦笑いで落ち着いている。


「おい分家の、お前はこの学び舎の体育館という場所で此奴達を鍛えていろ。我は能力の特性上人1人いない特別な空間で此奴を鍛える」


「時間は如何程で?」


「1時間もあれば……真髄とまではいかんがかなりのコツは掴ませられる。まぁ、此奴のやる気と、根性次第だけだからなぁ」


「あっハイ」


妙な強い圧に屈し反射的に返事をしてしまう。


「お主を1時間で今よりもよっぽと凛々しい戦士にしてやる……覚悟する事だな」


ギラリと目が光った様に断乃には感じた。

「あ、何かヤバいな」と感じると本能で一歩後退りする。

だが断乃の背後に瞬間移動したダーケンがその首を掴んだ。


「どこで行くつもりはお主?まさか直前になってビビったなどと男として情けない事は……言わなよなぁ????」


「はぃぃぃ……」


「ならば着いて来い」


「き、きゃあ」


生娘のような声を上げてささやかに抵抗すると言う地獄かと思うほどつまらない茶番をすると断乃は

「スン……」と元の表情に戻る。


「「「はぁ……気がすんだが断乃君(仮主)」」」


「あ、うん」


カトレア、呼乃田、真梨の3人から呆れたツッコミが入るが他の風波や想離達は冷めた目で見ていた。


「じゃ、ダーケン異空間に連れて行ってくれ」


「この茶番本当に必要だったか???」


断乃のノリについて行けないダーケンは疑問を持ちながらも異空間へと繋がるゲートをその場に出す。


「それではお主このゲートを潜ったら異空間へと繋がっているからな」


そう言うと早く潜るようジェスチャーをする。

ジェスチャーに従い断乃はゲートを潜った。

ダーケンはゲートに潜る前にカトレアに近づき耳打ちをする。


「……分家の、最近あまり良い予感がしない。なるべく早く怪我のない様に鍛えろ」


「ご命令のままに」


カトレアは本職の執事もビックリの綺麗な礼をするとダーケンはゲートに潜っていった。





白い空間

しかし断乃が現れると徐々に色付いていき草木が生い茂る。


「ここは……」


「綺麗だろ」


「うぉっ」


気配も全くなく現れたダーケンの声にビックリしながらも返事をした。


「そうですね。現代の日本じゃここまで綺麗に草木が生い茂った空間なないですよ。……ちょっと感動します」


すると風が吹き断乃の髪を揺らす。


「"私"の生まれ故郷だ。元々は戦争のせの字も知らないただの女の子だったんだ。そこからはまぁ……色々あって貴族に成り上がりしまいには国王になって子孫が王族……地球ではシンデレラストーリーとでも言うのだろうか?」


「まぁそうですね」


「再現とは言え、久しぶりに見れた」


「…………」


2分か3分か何分ダーケンが黄昏ていたか分からない。

だが突如断乃と向かい合う。


「どうやらお前はカトレアよりも断然オルナの血が濃いみたいだからな。というかお前の血の方が断然本家に近い。

 詳しい事は分からぬが……目星がつくのは私と変わる前に言った『託した人』の中にいる母親、メルクーラ・オルナ……それがお前の母親だろ?」


「…………」


断乃の表情が険しくなる。


「あの言い方ならばネルバも母親"と"メルクーラ・オルナに託されたと勘違いするかも知れない。だが私の特殊な能力のうちの一つにこれから生まれてくる子孫の顔が分かる。

 その中にお前がいた。だからメルクーラ・オルナがお前の母親だと推測した、違うか?そして何故我が子孫がこの地球にいる?他の子孫へ一部契約以外で行った者はいないというのに」


今度はダーケンの表情な険しくなった。


「何か知らないか?私でも事情や経緯までは分からぬからな」


「……母さんは小さい頃大きな病気をして日本に来たと言っていました。

 あと、「1000年は生きる予定だったのに病気でそこまで生きれなくなっちゃった」と言っていました」


「子孫が病に侵され死んだと聞かされるのは存外……キツいものがある」


「でも死ぬ瞬間まで笑ってましたから。若かったですけど大往生です」


「なら良かった」


ダーケンは目頭を何度か抑えると断乃を見る


「本来なら顔が私の頭の中に浮かんだオルナ家の人間がその能力を受け継ぐはずだった。だけどそれは今お前が持っている……その意味分かるな?」


「母の代わりに生きて能力と向き合う」


「そうだ『魂借』」


断乃の胸から光が引っ張られるとダーケンの胸に吸い込まれる。


「今から少しだけお主の体を借りなくとも『絶対切断』を使える様になった」


ダーケンは()()を取り出すと遠くの山を示す。

そしてその山がーーーーー


「よく見ていろ。これが」


ーーーーー細切れになる


「オルナに宿る力だ」








あ、Mの者です

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