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解散

連続更新72日目!


少し遅れました!



「ねぇお母様……いつまで嘘ついて、自分を偽って生きていかないと行けないの?」


「いつまでかしら……この世界に来てそこそこ時間は経つけどあちらには戻れる予感がないからね」


「お父様とも会えないの……?」


「…………死んだわ」


薬指の指輪を見ると付いていた小さな宝石が粉々になっていた。

これは彼女が夫と結婚した時に交わした指輪であり、その人の生死が分かる魔道具でもある。

粉々になったと言う事は彼女の言葉とおり死んだのだ。


子供は必死に涙を堪えるが次第に感情が昂りポロポロと溢れていく。


「まだ一度も、会った事ないのに……うぅ」


「私も最期くらいは見届けたかったわ。だけどもう無理なのは分かった。

 ーーーーーキリエストラ・リーガ」


彼女は子供の名前を呼ぶ

名前を呼ばれたキリエストラはハッとすると母親の顔を泣きながらもしっかりと見つめた。


「私達はもう前の世界には戻れない可能性は常々行ってきましたね?」


「はい……」


「この世界で生き行く覚悟はありますか?」


「お母さんがいるなら……どこまでも頑張れるよ」


「ふふ、その言葉は家宝にしたいぐらいね。キリエストラ、私達2人には今幸運な事に助けてくれる人がいますね?その人は構わないと言ってくれていますがあまり迷惑も掛けられません」


「でもっ、あの人優しいしそれに……私お父様知らないから実感湧かないから、その……お母様?気分を悪くさせちゃうかも知れないけど」


「気にしないわ。言いなさい」


母親に促されてキリエストラは思いを呟く。


「あの人が……お父様だったらなって。思ってます。そのごめんなさぃ」


またポロポロと大粒の涙を溢し泣いてしまう。

だが母親はキリエストラを優しく抱くと頭を撫でた。


「お母様?」


「キリエストラに寂しい思いはさせたくないから思い切って告白しちゃおうかしら?あの人の事は忘れられないけど今の人も優しくて素敵だし……きっと穴を埋めてくれるわ」


優しく声音で呟く。

キリエストラに対して話し掛けているがどこか自分に言い聞かせている様にと感じ取れる。


「そしてこの世界で生きる為とはいえ……心に嘘ついて殻を被って何人も人間を殺してしまった事はこれから反省して償って行かなきゃ行けないわ」


「うんっ」


「いつかお父様に会った時に胸を張れるようにしなきゃね?」


「……うん」


「それじゃあ……今から償いとして人間に悪い事をするモンスターを狩りに行きましょうか」


「うん」


その瞬間から母親とキリエストラの目が変わり上位者としての目になる。


「……半径2キロ5キロ以内にモンスターが20数体。手分けしてやるわ」


「分かった!!!」


切り替えて元気の良いキャラになり、()()()()()()と母親は居候している家の窓から飛び出して姿を消した。







「君……は?断乃君でいいの、かい?」


呼乃田が中身ダーケンの断乃を一目見て人格が違うと見抜いた。


「この体の持ち主に引っ張り出されてるだけだか……まてまてこの物騒な物を仕舞え。それにそこのお前とお前!睨むな!」


武器を持ち上げようとした呼乃田に気付き諫め、警戒をMAXにした堅霧と想離を落ち着かせる。


「はぁ……全く、事情を知らない奴が側にいると面倒くさいから嫌なんだよ。後1時間もすれば完全に目覚めて我とこの体の持ち主の意識が切り替わるから安心しろ」


「……早く出来ないのかい?」


「睡眠と一緒で少し深いだけだ。待てば変わる」


断乃ダーケンそれ以降口を開かなかった。

しばらくするとカトレアや真梨、風波も呼乃田達に合流する。

2人に事情を説明すると少し騒がしくなったがすぐに静かになった。


「……いつとも違う反応があると思ったら貴女達だったの?」


「久しぶりーーお兄ちゃん達ーー!!!」


全員が声のする方向を見るとモンスターの返り血によって赤くなったキルノアとジャックが歩いてこちらに向かって来ていた。


「アレ?どうしてここに?」


「どうしてって……私は魔狩人になったでしょ?」


「「「「え?!」」」」


「お姉ちゃんそれ言ってないよ?」


「あら?そうだったかしら……」


キルノアの軽い爆弾に呼乃田達が固まるがジャックが何とか補足したお陰で納得をする。


「居候している家の近くでもモンスターが発生したのよ?それらを潰していったら少し離れたここにもモンスターの反応があるじゃない?だから一応魔狩人としての務めとしてモンスター退治に来たの」


「ははっ殊勝な事で」


呼乃田達はキルノアの素性を色々と知っているだけにその言葉には苦笑いしか出てこない。


「所でそこの子は少し……変だけど体調でも悪いのかしら?」


「実はなーーーーー」


「ふんふんアラ?」


「ええーー?!」


呼乃田がキルノアとジャックの2人に近づきなるべく小さな声で伝えると意外にもすんなり納得する。


「まぁ、戻るのならいいんじゃないかしら?深く考え過ぎよ?」


「なんだろ、貴女に言われると何処と無く悔しい。いやいよ、それより聞きたい事があるんだけど貴女が見た限りでモンスターは処理出来たのか?」


「私が沢山倒したんだよ!!」


「凄いじゃないか」


自慢するジャックが子供な為幾分反応が柔らかくなる。

2人の話を聞いていたカトレアと断乃ダーケンが会話に入った。


「コノダ、モンスターなら分かる範囲ではもう心配はない。モンスターの出現も完全に止まって、残ったモンスターは魔狩人の奴らが始末してる」


「直接魔狩人協会支部に行って色々と大事な情報を伝えたあと解散〜。……中身誰だか知らないけど断乃君も一緒に来てね」


「分かっている」








片手装備作ったけど先に手を出したのはランス

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