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王とは

連続更新70日目

毎日更新は辛いね〜


ぐぅ〜w



ネルバが地面を蹴り断乃ダーケンに接近すると拳を突き出す。


「ん?」


違和感を感じ断乃ダーケンは双剣・トンファーで防ぐと衝撃波が襲い吹き飛ばされる。

更にネルバが拳を上に突き上げると地面から魔力でコーティングされた鋼鉄の拳が出現して断乃ダーケンを襲った。


「2つの能力……貴様まさかその身に呪術を?」


「答えるつもりは……ない!」


カトレアも目を見張るスピードでネルバが断乃ダーケンに接近して衝撃波、地面を隆起させる2つの能力を駆使して戦う。


(戦い方も上手いが……此奴今まで何度も戦場の空気を味わっているのか勝負勘も良い。ふむ……このまだまだ鍛えの足りない体で戦うのは良い鍛錬になるし我の勘を取り戻すのに最適だなっ!)


「ふんっ!!」


ガキンッ!


単純に魔力を込めただけの断乃本来の心剣で地面から隆起した鋼鉄の拳を阻む。

更に不可視の衝撃波さえ魔力で相殺する。


「くっ!!土魔法系の能力はまだ分かるが何故衝撃波に対処出来るのだ?!」


ネルバの能力だけ見たらカトレアも苦戦する力を軽々と対処した断乃ダーケン

気分が良いのかネルバの質問に答える。


「簡単な話だ、誰もが有している魔力を極限まで薄くし大気に溶かす。勿論魔力の主導権は自身に付随したままでだぞ?そして大気に溶かした魔力に衝撃波なんて分かりやすい存在が当たれば直ぐに分かると言う訳だ。

 我がいうのもなんだがこのレベルの正確さは真似しようとも出来ぬだろうな。軽く手合わせした限りだがお前の実力だと我に魔力を広げた事を察知されてしまうから意味が無くなる。」


「……魔力の広げた事に気付かなかっただけに私の技量は劣るというわけか」


「何そう悲観することではない。一応一時的にだが王族であった我と比べて貴様はただの貴族……土俵が違う」


断乃ダーケンの言葉にネルバは唇を噛む。

一連のやり取りだけでも自身より強いと確信出来るのだから仕方がないとも言えた。

しかしだからと言って諦める男では無くい。

立場は違うが今は家族の為に命を賭けて戦う戦士だ。


拳に魔力を込めて地面にも魔力を流し込む


「む?これではいつどこから鋼鉄の拳が来るか分からないな。我の時代は拳分だけの魔力を地面に流し使用するのが主流だったからな。

 いやはや、時代が変わると魔力量の平均が多少上がっているらしい」


自身がしっかりと生きていた時代を思い出している断乃ダーケンを不意打ちで真上以外の全方位から鋼鉄の拳を繰り出す。


キンッ……バカァアアン!!!!


体に触れそうになる直前魔力の込められた鋼鉄の拳が内側から弾け飛ぶ。


「そこのお前」


断乃ダーケンがカトレアに話しかけた。


「この体の持ち主の目的はこの町の被害を抑える事だ。我が此奴の相手をしている故お前は民草を助けるかモンスターの駆除をしろ。

 ……出来ぬとは言わせぬぞ?」


体は断乃だが中身がダーケンだからか重いプレッシャーがカトレアを襲う。

だが一切臆する事なく頷くとその場から完全に離脱した。


「さて、これで心置きなく戦えるな」


「お前はその体に宿っているという事は確実に全盛期から通り過ぎているはずだ」


「正解」


「ならば私にも勝ち目はあるっ」


衝撃波を地面に向けて放ちコンクリートを砕き更に土魔法系能力で砂嵐を発生させ視界を遮る。


「先程の衝撃波を正確に捉えた魔力操作を見なかったのか?」


砂に囲まれた世界で見ただけでは何処にいるか分からないネルバにそう伝えた。


「はははは!!!幾ら貴族の中でも魔力量、魔力操作に長けた過ぎたオルナと言えどこのままでずっと魔力頼りに衝撃波と土魔法系能力を躱し続けるのは困難だ!!!」


「…………」


…………シッ


ほんの少しだけ空気が揺れると砂嵐が槍となって断乃ダーケン胸を貫こうと襲い掛かるが自然と溢れ出る魔力の天然防壁に阻まれる。


(何っ?!変わる前から余裕で貫けたはずだぞ!!!確かに魔力量が増えたと思ったが私が認識範囲外で想像以上に増えてたみたいだな!)


「ちっ!」


ガン!ガン!ガン!ッドシュッッ!!!!ガン!!


衝撃波を連続で放ち不意打ちで鋼鉄の拳、鋼鉄の槍を放つが尽く防御される。

一見無敵に見えるが当然微かに削れており確実に魔力を減らして行っていた。


「はは!!この砂嵐の中では本来の土魔法系能力の消費魔力を十分の一以下に抑える事が出来る!!私は一族の中でも特に魔力量に秀でていた!

 故に!!砂嵐が止まらぬ限り攻撃の嵐が止まる事は絶対にない!!」


確実に断乃ダーケンの魔力が削れていく事に希望を見出したのかネルバが勢い付く。

だが





キンッ


小さい音が鳴る


「ーーーーー本当に残念だ」


「え?……がぁ?!?!」


砂嵐の中ではネルバの悲鳴が聞こえる。

すると砂嵐が晴れ一歩も動いていない断乃ダーケンの背後で血に濡れた肩を押さえながら荒い息で佇んでいた。


「まだ、続けるのか?お前は我の攻撃を一切認識出来ていない……対して我はお前の攻撃を完璧に把握している。勝負は見えているはずだが?」


「ハァ……ハァ……ハァ……!負けられない!!私が負ければ……!私の家族が主に殺されるかもしれない!!ハァ……ハァ……!そんな事させない為に、お前を殺す!」


取り出した宝玉をネルバは自身の顔と同じ高さまで持ってくる。


「お前まさかっ」


「家族の為ならっ……獣にさえ堕ちてみせる!!」


ガリッッ!!


宝玉を噛み砕いたネルバに黒い暴風が纏わりつく。


「悪魔が無理矢理に精霊の力をその身に宿す禁術。

 悪魔族の中でさえ禁術とされるその秘術を使わせるお前の主は間違いなくーーーーー」


断乃ダーケンの体から陽炎が立ち昇る。


「民草を喰らう魔物だ。王だった事がある我が引導を渡してくれる……」







明日も戦うでござる

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