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治癒

連続更新66日目!!

モンハンまだまだ飽きないわ



「『召喚』!」


想離が数十枚のカードに魔力を込めて空中へ投げると従僕へと変化した。


「それじゃあ私と風波ちゃんは逃げ遅れた人の救出や建物の下敷きになっちゃった人達の救出に専念するから堅霧君と真梨君は周辺の溢れてくるモンスターの処理をお願い!」


「「了解」」


真梨と堅霧の2人は想離と従僕が瓦礫の撤去に従事している間に襲って来る可能性のあるモンスターの処理の為魔力探知を発動させながらゆっくりと周辺を歩き回る。

偶に地面物陰からモンスターが襲って来るが2人は危なげなく反撃する事で対処した。


「……モンスターは大丈夫だけど、くっ!血の匂いが酷いっ」


真梨は立ち込める血の匂いに鼻を抑え顔を顰める。


「一体何が……あっ?!大丈夫ですか?!」


瓦礫に下敷きにされたが何とか生きている女性を発見した。

すぐに駆け寄ると声を掛ける。


「大丈夫ですか?!意識はありますか?!」


「ぅっ……アレ?ここはイッツっっ!!!」


どこか痛むのか顔が苦悶の表情に歪む。

下半身が瓦礫に巻き込まれている事を考えると足が潰れて意識が覚醒した事によって痛みを自覚可能性が高い。


(くそっ!救い出してから声を掛けるべきだった!!)


その考えに直ぐに辿り着けなかった真梨は自身の判断を激しく後悔する。

しかし後悔してるだけでは目の前の女性を痛みから救えない為行動に移す。


「あの、今から瓦礫を動かすのでもし痛くなった場合はすぐに声を上げて下さいっ!」


「は、はぃ……」


(声が弱い!早く瓦礫を退かさないな)


真梨はどうやって家が潰れた事により発生した瓦礫をどうするか必死に考える。


(家の上の部分は大分崩れてるけど見た目よりしっかりとしてるから下手に吹き飛ばすと下の瓦礫も巻き込んで女性に被害を出す可能性が高い。

 ……だけど家全体を浮かすのは僕の技術じゃ厳しい、途中で落としそうだからな。…………やっぱり堅実に上から崩して行くしかない!)


救出する為の方向を決めると女性に優しく声を掛けた。


「今から屋根部分から瓦礫を撤去して行きます。ほんの少しだけ時間がかかりますが……我慢、して下さい」


「分かりました。……お願いします」


「それでは行きます。『魔弾』、行け」


抉り取る事に優れた魔弾を空中に10個待機させて少し様子を見ながら瓦礫の屋根を抉って行く。


(……どうやら下とそこまでしっかりと繋がってる様子はない!崩れた時にそこら辺の大事な部分が壊れたみたいだ!!)


徐々に抉り取るとうとうニ階部分を完全に消失させる事に成功した。


「よし、これなら負担が少なくなったから大胆に撤去していくか」


手始めに魔力を瓦礫全体に浸透させ内部を魔力探知する。


「上から押し潰してだけだから持ち上げればそのまま抜け出せるっ?!……すいません!今からこの一階を浮かすので匍匐前進で何とか脱出して下さい。

 もし匍匐前進がキツいのなら魔法で短時間ですが胴を浮かすので手でかいて出て下さい」


「わ、分かりました」


「ふーーー……あんまり慣れてないけど」


「え?」


「浮けっ」


グググッ……ガラガラガラ!


浮遊魔法は真梨自身全く慣れていないからなのか持ち上げるのに重さを感じた。

本来の浮遊魔法は重さを感じず魔力が減るだけだ。

しかし不慣れという事も相まって不出来な浮遊魔法となっている。

しかし今この場面では充分すぎる能力である。


「よし!浮いた!追加でっ!っっぐぁ!!」


女性にも浮遊魔法を掛けた事により真梨の体には合計100キロ近い負荷が掛かっていた。

幾ら身体能力を施しているとはいえ急激な変化に膝を折りそうになる。

流石に明らかに年下である真梨の辛い顔を見るのは気分が悪い女性は必死に地面を匍匐前進で進み瓦礫の中から脱出した。

何とか脱出すると真梨はその女性を抱え少し落ち着ける場所に移動する。


「失礼、少し足を見せて頂きます」


瓦礫に押し潰されていた両足を見ると違和感があった。


「アレ?あんな瓦礫に潰されていたのにそこまで外傷は酷くない??」


真梨が疑問を抱くと女性が事情を説明する。


「あ、それは父から譲り受けた魔導靴のお陰です。もし一定以上の激痛を伴う外傷を負った場合痛覚の大幅な軽減に加えてほぼ見た目だけですが回復効果もあるんです」


「それは……そんな効果な物を貴女を渡すって事はかなり愛されてますね」


「えと、自分で言うのもなんですがかなり愛されてると思います。えへへへっ」


「まぁ話通りなら実際に中身はかなり損耗が激しいだろうから応急処置として軽めの回復魔法を使用させてもらうよ」


「ありがとうございます」


女性の足に手を翳し魔力探知で内部を診察していく。

そしてそこから内部の損傷の激しい部位を見つけると逐一魔力で修復していった。


(回復魔法は初回だけは絶対に詠唱せ自分自身が魔力を使って治療しなければ行けない。唱えれば半自動で発動とかしてくれる訳じゃないから一度経験しないと行けないのは辛いなっ)


かなり集中力が削られて行き汗も大粒のものが流れる。


(どおりで世界中の能力者に治癒魔法使いが殆ど見当たらない訳だ!!!……だけどポジティブに考えるのなら僕はこれで特化型の人でもない限り世界中の魔狩人の殆どが持っていない回復魔法を持つ事になる!

 はっ!!これで将来は安泰だなぁ!!)


パチッ


小さな静電気の様な音が鳴ると真梨は治療を辞めて汗が溢れた額を雑に拭う。


「これで歩く分には問題無いと思います。それに全力ダッシュは無理でしょうが軽いランニングなら出来るはずです」


「……ありがとう、ございますっ!」


涙目の女性は真梨に抱きつくと心の底からお礼を言った。






まだまだ続くわよぉお!!

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