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戦力

連続更新60日目

2ヶ月目になりました。

遅れてしやいやした



「これで彼女達も晴れて魔狩人の一員……か」


会長がある女性に対して呟くとその隣にいた職員は険しい表情のまま震える声で話す。


「あの……あの殺人鬼ですよ?」


「殺人に関しては完全な裏付けは取れていない状況だった。あくまでほぼ黒だったというだけで。数々の殺人現場に偶然居合せた事により警察と魔狩人が協力して調査したが指紋等が一切見つからなかった」


「法的にはただ偶然居合せた人」


「真っ黒なのに法で裁くための証拠がいっっさいない。防犯カメラには殺人の現場すら無い。

 何故か顔が確認出来ることが多かったがな」


会長はタバコの煙を上に向けて吐くと横の職員を見る。


「それにカトレアさんの次に手に入った強大な戦力だ。単体……姉の方はおろか妹の方でさえ美空君を上回っているとわ。

 この私も流石に驚かずにはいられなかったよ。姉の方に至っては美空君と葛廻君2人同時に相手して何とかだが勝つ……しかも本来は2人で連携をして戦うから戦闘力は落ちると」


「2人対1人ならば五色ともやりあえそうな勢いなのは怖いまであります。疑わしい経歴さえ除けばこの短期間で圧倒的な戦力を手に入れたのはもの凄い収穫で喜ぶべき事」


「だが姉の方は今までの事を見なかった事にする代わりに自身が関与していない、少し前に起こった全国の前年度絶世祭出場者の襲撃によって重傷を負った生徒の傷の治療を請け負うと言っている」


2人の脳内には部位欠損という重傷を負った生徒達の名簿が送られてきた時の事を思い出されていた。

その中には呼乃田が2年の頃にライバルとなった早馬も含まれている。


「事情もそれなりに深く聞きましたが……あれほどの腕を持ちながら何故殺人稼業に傾倒したのか。そこは教えてくれませんでしたね」


「まぁ、何人にも触れられたく無い事情過去があるって事だな」


同時にタバコの煙を吐き灰皿に押しつけて残り火を消す。


「本人はあのカトレアさんがいる福井のある店に居候すると言い張っているから他の県に配属するとかは無理でしょう」


「……福井にばかり戦力が集中するのは少し不味いな」


「意地でもその居候場所から動く気はない様です」


この時会長は自身の魔狩人協会で1番上の立場である事を一瞬だけ恨んだ。

何故なら今この瞬間戦力の再分布など考える書類と一晩中付き合う羽目になるからである。


「……私の代わりに書類片付けてくれないかね?」


「嫌です」


「今月の給料2倍にしよう」


「…………嫌です」


「迷うには迷うのか」


何とか地獄の書類整理から逃げる為交渉を試みようとした時女性職員が小走りで会長に駆け寄って来た。


「はぁ……はぁ……!!会長いい加減仕事戻って下さい!!もう昼休み過ぎてます!!」


「あ、いや。だがタバコもう一本ぐらい良いのではないか?」


「会長の仕事のサボりの皺寄せが直属部下の私達に回って来るという事をいい加減覚えてください!!」


怒髪天をつく勢いで会長に対して説教すると普段から色々と抜け出しているせいか全く強気に出れていない。


「だ、だが君達がやった方が書類綺麗じゃないかね?」


「添削が主なので随分と楽させて頂いてます会長」


「うぐっ!!」


暗に誤字脱字が多いぞと言われ会長は黙るしかなくなる。

そして観念したのかタバコの箱を胸ポケットに仕舞い仕事へと戻る為歩き出した。


「それではまた後で」


「奢りを期待しています」


男性職員と別れると会長室に入ると数時間書類と格闘する事になるとはこの時考えていなかった。





部活のない土曜日


「さてと、そろそろ俺も本気で鍛えないとな。なぁカトレア」


「確かに仮主はまだまだ弱いからな。一時的に仕える主が弱いとあっては私の生涯経歴に多大な傷がつく。

 安心しろ、存分に鍛えてやる、嫌がっても鍛える、私が納得するまで鍛える」


「……本気で挑めばいいんだな?」


「それでも届かないから安心しろ仮主」


「『紛い断つ、迷い断つ、魔を絶つは己が信念!来い!!』」


断乃の心剣も東京でのドラゴンの襲撃を経て以降力をつけ、つい最近進化した。

今まではシンプルな剣だったが今手に握られているのは魔狩人協会に特注で頼み製作して貰った多重機構の大剣だった。

絶対切断の能力を普段から染み込ませた結果である。

そして今まで使っていた剣も使える。


魔力を込め特定の箇所を弄ると大剣から双剣へと変化する。


「まずは体術メインで鍛え、そこからは双剣術、大剣術、弓術を鍛えるから覚悟しておけよ仮主!」


「分かったよっ!!!」


『魔速』で一気に詰め寄ると右手に持った剣で斬りかる。


ギィン!


当たる直前で武器を手元に出してその攻撃を防ぐ。


「仮主私はさほど口が上手くない。だから取り敢えずは何も考えず斬りかかって来い、気になる所があったらその都度指摘する。

 今はこの様に動きを止めてあるが次からは動きを止めずに戦闘をしつつ理解しろ」


「了解した!!」


カトレアは断乃の剣をワザと大きく弾いた。


「ぐっ?!……るぁぁぁあ!!!」


兎に角ガムシャラに自身が考える限りで最適だと思う剣の振り方体捌きで積極的にカトレアへと挑んだ










明日はもっと頑張るだぁ〜

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