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連続更新54日目!!
難産の日が殆どだなぁ!!!
寝巻きのまま福井の空を疾走する。
転移で行けば良い話だがカトレアはアイマスクを付けて就寝中であるため断乃は体1つ寝巻きのまま現地へ向かう。
「ゆっくりしたい時にモンスター発生は幾らなんでも腹が立つ!!!」
数百m先に火の気と暴れるモンスターが微かに見えた。
「急がないと『魔速』!」
段階などすっ飛ばして最高速まで加速すると同時に特注武器を抜刀する。
「『変形』」
弓の形に『変形』させ魔力の弦を作り矢を作る。
(数は30を超えてる。しかも比較的動きの速いモンスターがメイン。そして一体だけ不釣り合いに大きく動きのないボス格が一体……『補足』)
義眼に備わっている能力を使い視力強化と認識能力強化とその他諸々が合わさった『補足』を自身に施すと矢を引き、放つ。
一本の矢が数十本に分かれ正確に暴れるモンスターの頭を撃ち抜いていった。
(特別な弓矢の技術を必要としないのはこの義眼の能力と魔力のお陰だな。追尾してくれるのはかなり有難い。
だけどあの一体だけは何故か補足出来ない……歪だな)
カトレアから与えられた義眼では周りの空間が少しだけ歪んでいるのが知覚出来た。
そしてその空間の歪みがモンスターを生み出している事も理解した。
「あの石像もビックリの動きのない奴を仕留めないとイけないのか。なら!」
魔力を矢に込めて限界まで引く。
(無駄に爆発能力を付与するのでも切断能力を付与するのでもなくただ必要な分だけの貫通能力を)
……トッッ
矢を放つと同時に小さな音が鳴ると視線の先にいたモンスターは頭を吹き飛ばされて死ぬ。
「……異様な呆気なさ。後は軽く見回りをして魔狩人協会からのメールに返信かな」
弓を大剣へと『変形』させてモンスター達の死骸へと近付く。
他にモンスターがいないか確認するために近くに座りこんでいた女性に話しかける。
「大丈夫ですか?お怪我は?」
「だ、大丈夫ですっ。それよりもぅ、モンスターはっ?!」
「取り敢えず僕が知覚出来る範囲では全て処理しました。一体ここで何があったんですか?今までモンスターのモの字も見ない場所で」
「わ、分からないです。突然身動き1つしないモンスターが現れたかと思ったら周りの空間が歪んでそこからモンスターが現れたんです!!
最初はただそれだけだと思い私が魔狩人協会福井支部に連絡をしようとした瞬間暴れ出したんです。足の速さには自信があるので何とか逃げていたんですけど追い詰められちゃって……」
「……本当に間に合って良かったぁ」
何とか目の前の女性が死なずに済んだ事で安心しきった断乃は普段ならば普通に気付けた筈の変化に気付かなかった。
……グググッ!
頭が吹き飛んだはずのモンスターが動いた。
「っ?!後ろ!!」
「あん?!」
女性が断乃の背後に立ったモンスターにいち早く気付き声を上げるが気付かない。
だがしかし振りかぶられたモンスターの腕は断乃には届かず斬り落とされた。
「よそ見をするとは随分余裕だな仮主?」
「……反論の余地なしなので大人しく反省しまーーすー。あと助けてくれたついでだから周りに隠れたモンスターが居ないか確認してくれ」
「引き受けた。それと今週末の鍛錬は普段の3倍に増やす。モンスターの動きに気付けない腑抜け具合を矯正してやる」
「か、勘弁してぇぇぇ……!!」
「だが断る」
断乃のガックリと肩を落としていると助けられた女性が声をかける。
「あの、改めて今回は助けて下さりありがとうございました。見た所まだ高校生なのに魔狩人の手伝いは尊敬しますっ」
「そこまでじゃないですよ。取り敢えず立ちましょうか」
「…………すいません。腰抜かしちゃったみたいです」
「ありゃ?なら少し待って下さい」
両の手先に魔力を集めてそれを体外にゆっくりと放出するとそれを他の形に形成する。
それぞれの魔手は上半身と下半身を包めるほど大きいのを活かして女性優しく包み込むと掴める物がある場所に移動させて下ろした。
何とか物に掴みながら女性は立ち上がれた。
「あ、立てる」
「それじゃあもうすぐここに魔狩人協会の人が来ると思うので……あ、やっぱりここに残ってもらって良いですか?もしかしたら発生状況とかの事聞かれると思うので」
「分かりました」
魔狩人協会から事情を聞かれるかもと聞きやや緊張した面持ちになる。
そこにカトレアが戻って来た。
「どうだった?」
「魔力の跡があるだけでモンスターの姿はゼロだ。念の為魔力の跡を消しておいた。これで万が一にもモンスターが現れる事はないだろう」
「分かった。その事も協会の人に今メールしとくよ」
メールを送った8分後に協会の人がやって来た。
「遅れて申し訳ありません」
「いえ、寧ろ僕が協会の予想より早く着き解決しただけだと思います。そこまで気にする必要はありませんよ!」
「そう言って頂けるとこちらとしても助かります。それでメールにあったモンスターの出現する瞬間を見た女性というのは……?」
「あ、それはこちらの女性です」
もう完全に立てるようになった女性は軽く協会の人に会釈をする。
「その時の様子を聞きたいの支部で聞かせて貰いませんか?」
「は、はい!その前に着替えて宜しいでしょうか?」
「お待ちしています」
「ありがとうございます!」
パタパタと走りながら女性は家に着替えに戻った。
「貴女が話にあった。カストレア嬢ですか?」
「一応言っておくが私はお前より遥かに年上だ口の聞き方に気を付けろ」
「これは失礼しました。魔狩人協会の会長が支部でお待ちです。着いて来て頂けますでしょうか?」
「カトレア」
「分かった。ついて行こう」
PVが伸びててビックリしてます!