早朝
連続更新51日目
頑張ったー!
キルノアと店であってから4日経つ。
6時半、早朝
早めに学校に来た断乃達は体育館を使って模擬戦をしようという流れになった。
「それではカトレアさん模擬戦闘の相手お願いします」
「お前の武器は?」
「基本素手です。その素手という短所を補う為に魔法で撹乱したり強化して距離を縮めたりします」
「近接、しかも素手となれば相応の技術がないと意味がないのは分かっているのか?」
「そのつもりです。これでも武器無しの近接能力は断乃君より全然上ですから」
言い切ると真梨は拳に魔力を纏わせ構える。
カトレアも模擬戦の相手を務めて欲しいと嘆願されそれを了承した為刃の付いていない棍棒を手に出現させると構えた。
「行きます!」
ズッ!!……ガァン!
地面を蹴ると重苦しい音が聞こえて来る。
そして次の瞬間には真梨が拳を突き出しカトレアが棍棒でそれを防ぐ構図が出来上がっていた。
「スピードは仮主には劣るが緩急の付け方が上手いな。力もただ殴るのではなく当ててから更に力入れて内部にダメージが行くようにしている……面白いな?」
鋼鉄の如く硬くなっている真梨の拳を弾き距離を取り次の攻撃を促す。
「ふっ!!」
「む?……お?」
直線的な加速をすると物理法則を無視したような動きで横に直角に移動した。
そこで更に逆方向に加速して視線を振り切る。
(いった!)
魔力のアンカーを飛ばしカトレアの体に付けるとアンカーをたどり超速接近を試みる
「遅い」
ガッ!!
ノールックで出された肘が思い切り真梨の脳天に炸裂してその場にダウンする。
力自体はさほど込めていないが加速させた肘は真梨にそれなりをダメージを与えていた。
「いっつつ……今のは良い動きだと思ったんだけどなぁ」
「圧倒的な緩急をつけて翻弄しているのひ何故決め技で直線的な動きをする。
勘の良い奴ならば即座に対応されるぞ、修正しておけ。だが仮主より一段劣る程度の実力相手ならば勘づかれても対応出来ないな今の段階では」
「はぁ、なるほど」
頭をさすりながら返事をするとカトレアから止められた。
「あと歩法をもっと学んで背後にまわりワザと気付かせてから更に背後に回れる様になれば実力以上に戦える様になるから鍛えておけ。
お前より歩法の優れた奴はすまほとかいう板で調べたがかなりいるから見るのを勧める。もし行き詰まった場合のみまた教えを乞いに来い。
技を染み込ませてやる」
「ありがとうございます」
「次は……ソウリか。お前は確かモンスターを従僕にしてそれを召喚して戦うのだったか?」
「正解だよカトレアさんっ!だけどカードゲームのキャラクターも設定が良く練られていたら使えるんだ!能力はモンスターを仲間にするより低いけど初期の頃はとんでもなくお世話になってね?
今じゃ相棒が何体もいる!」
元気一杯に応える。
そのままカードホルダーから数枚カードを取り出すと魔力を込めてモンスターを召喚した。
「来いアルフレッド、ロルガス、キングジョーカー!」
騎士型、ドワーフ型、ピエロ型の従僕が召喚されると想離を守る様に立ち位置を変えた。
(ほぅ?命令しなくとも主人を守る為に動くのか?これは予めて設定されているものなのか?それともカードに備わっている自我?興味という部分では仮主より知りたいな。
仮主の能力は私が1番知っているから知る楽しさが無い。それに比べてソウリの能力はとても惹きつけられる!)
チラリと呼乃田を見る
(アイツの能力を例外とすれば今1番知りたい能力っ)
話で聞いているだけとはいえ今まで一切知らない能力であるため想離へ興味が溢れて止まらない。
従僕の行動パターンを引き出すため先ず二級程度の殺気を操りピンポイントでぶつける。
ガチャガチャガチャ!!!
……ブン!
シャッ!
騎士型は動き武器を構え、ドワーフ型は大きな斧を素振りしてカトレアを睨み、ピエロ型はナイフを数本出して警戒をした。
(アレは恐らくモンスターではなくカードゲームとやらかれ派生した従僕……今の行動は自我ゆえか?
…………嗚呼!この未知への昂りは沸る!)
興奮を抑えきれなかったカトレアによって3体は瞬く間に瞬殺されてしまい想離はそこそこ大きな舌打ちをするとお馴染みとなっている従僕を召喚した。
「ジークフリート」
最近従僕にしたドラゴンほど大きくはないがかなり大きいドラゴンを召喚して攻撃を仕掛けた。
そこから暫くカトレアは想離から従僕の引き出しを出来るだけ引き出して更にパターンを全て吐き出させる作業が続くが最後の一体の行動パターンを把握し終えて、棍棒で一撃加えたあと模擬戦闘を終了した。
「ソウリ、従僕がある程度自由に動くのはかなりのメリットだがそれを甘え過ぎてお前自身が動かない傾向にある。
特に背中に乗れない従僕の時にだ。これを改善すれば従僕が倒された後再召喚するまでの時間稼ぎをする事が出来る」
「はぇ〜すっごいタメになる……!ありがとうカトレアさん!」
「礼には及ばん。仮主の親しい知り合いだから相手してやってるだけだ」
「今度美味しいスイーツ奢ってあげるよ!」
「是非頂こう!」
涎を垂らしそうになる瞬間にそこはかとなく隠し誤魔化す。
「次は誰にする?」
「なら俺行かせてくれ」
堅霧が手を上げた
次はガンランスぅ……ですかね