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無垢

連続更新50日目

少し遅れたけど許容範囲よね?



「壊滅した理由は組織内からの裏切りと敵組織への情報提供……何の情報か分かるか?」


「いえ分からないわね。私は戦闘をメインとして所属していたから情報系はさっぱりなの。

 恥ずかしいけど頭もあまり良くないし……お陰で色々苦労しているわ。言っておくけど敵の居場所や目的は一切分からないからそのつもりでね」


「期待はしてなかったけどやっぱり駄目か」


「残念ながらね?」


キルノアは小さく降参のポーズを取った。


「後死なない理由はもっと簡単」


ジャックを頭をわしゃわしゃと優しくかつ少しだけ雑に撫でながら断乃を見据える。


「歳は離れてるけど本当の家族を殺させたくはないもの、たとえ人を殺そうともね」


覚悟の灯った目をした。


「……組織が壊滅した今お前は人殺しを続けるのか?」


「いえ?今の所人を殺さなければいけない程の必要性は感じないし実質殺し屋稼業引退って所かしらね。

 過ごす家やお金に困る所だけど幸い彼が家の空室を貸してくださるしそこは言葉に甘えようと思っているわ。だけとお金までは世話になりたくないのよね?不思議と。

 だから魔狩人協会に色々情報提供する代わりに戸籍とか何とかしてもらおうかなと考えてるわ。もっとも人を殺した経歴、正式には疑惑の段階だから捕まる確率の方が高いでしょうけど」


「その言葉を聞いて一先ずは安心、していいんだな?」


「えぇ、貴方達がジャックを傷付けようとしない限り私は手を出さないと約束するわ。ご馳走でした」


手を合わせると立ち上がるとジャックの分の皿も持って店主の元へ行った。


「美味しかったか?」


「えぇとってもずっと食べていたいわ」


「そうか、立地がやや悪いが通い続けてくれたら俺も嬉しい」


「ふふ、そうさせてもらうわ。でも暫くは約束一つ屋根の下だから直ぐに食べに来れるわよ?」


「そっだった。あ、今日の夜ご飯は何にする?専門的すぎる料理は作れないがオールマイティに作れる」


「なら貴方が1番使ってて楽しい料理にしてくれる?」


「分かった……!」


などと言う会話が聞こえて来る。

ジャックを差し置いて店主とピンクが空気を作り出すあたり本気で惚れてしまったのが見て取れた。


(あ、あの調子なら本当に殺しはしなさそうだな……?)


断乃も呼乃田も動揺して何を言うべきか迷っていると無邪気ジャックがアメリカもビックリの超特大の爆弾を落とす。


「お姉ちゃーん」


「あら?どうしたのジャック?」


「私に妹でも出来るの?」


「「「「「ブフォア!!!」」」」」


「あ、あらぁ?!」


魔闘部の部員全員は飲んでいたジュースを吹き出しテーブルを汚してしまう。

キルノアはさほど動揺していない感じだが目がもの凄く泳ぎまくっていた。

そして店主はというと


「じ、ジャック……ちゃん。オジサンとオネーさんは夫婦じゃないからその、子供は出来ない……よ」


顔が茹で蛸と張り合える程に真っ赤になっている。


「ジャックちゃんかか、仮に子供が出来たとしてもそれはジャックちゃんの妹にはならないよ?」


風波が動揺しながらも純真無垢なジャックに説明をする。


「ジャックちゃんはキルノア……さんの妹なんでしょ?」


「うん!」


「だったら子供が出来た場合は妹や弟じゃなくて甥や姪と言う名称になるの」


「へぇ〜お姉ちゃん凄い詳しいねっ!」


「ゔっ純真無垢が過ぎるっっ……」


パァ〜〜っと後ろから後光が差しそうな勢いの無垢さに何故か罪悪感を覚える風波。


「えっとぉ……僕達は昼ごはん代わりのスイーツ食べ終わったのでここいらでお暇させて………」


「…………!!!!」


面倒な事になりそうだなと感じた呼乃田が行動すると店主は無言で助けを求める様に全力で首を横に振っていた。

それを見てしまい出て行こうにも出て行けなくなると仕方なく席につく。


「(ちょっ、ちょっと断乃君!小さい子、と言っても見た目10〜12歳だけど。その子とが子供に関係する話をして場が凍った場合どうすればいいの?!)」


「(知るわけないでしょ?!僕にはそんな経験ありませんよ!!こんな出来事ずっと漫画の中だけだと思ってましたよ!!)」


「(あ、この手の話私は従姉妹で経験してるよ?)」


「「((対処法は?!))」」


「(無いよ)」


「(ジーーザス!)」


本当にお手上げ状態になる経験は断乃達には今まで一度も無かった。

兄弟が多い堅霧でさえ純真無垢なジャックに下手な対応は出来ない為険しい顔でいる。


「ふむ、ジャックと言ったか?」


「ん?お姉ちゃんは?」


「カストレア、まぁ気軽にカトレアとでも呼んでくれ」


「分かったよカトレアお姉ちゃん!」


二パー!!っと笑い返事をした。

流石に長年生きて来たカトレアもあまり対応した事のないタイプに一瞬だけのけぞる。

しかしぐいっと顔を近付けて誤魔化した。


「妹、弟、甥っ子、姪っ子、どれらにせよ出来たらお前がお姉ちゃんとなる。これは理解出来るな?」


「うん!」


「守りたい家族が増えるぞ?」


「私がいればお姉ちゃんは絶対大丈夫っ!」


「頼もしいな?これなら3人は大丈夫そうだ」


「「ま、まだそうと決まってないわよ(ないぞ?!)」」


店主とキルノアが顔を真っ赤にして反応する。


「ならばまだ知識もない子供がいる場で乳繰りあうな」


「「ちっ?!?!」」


「……お前本当人を殺せるほどの腕か?」


カストレアが疑念の目と言葉を残すと断乃達は店主に美味しかったと伝えて店から出た。









明日も頑張りやーす

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