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壊滅

連続更新48日目


遅れて……しまいました



「やーーカラオケ楽しかったね〜」


元気な声が街に響く。

カラオケが終わり昼ごはんを食べる為に外に出た。


「こーちゃん歌うの面白かったでしょ〜?昔からちょくちょく聞いたりしてたけどやっぱり同年代の中では頭一個抜きん出てるね」


「まさかかなり激しいアニメの歌もイケるとは思わなかったです」


「私が好きな海外のバンドの歌も100点近くで歌っていてびっくりしました。どうやったらそこまで上手く歌えるんですか呼乃田先輩?」


想離や風波が手放しで呼乃田の歌唱力を褒める。


「ぐっ、辞めてくれ顔が焼けそうだ」


「そう言いつつ皆がリクエストした曲全部高得点で歌いきってたよね〜。

 いや〜〜格好良くて私惚れ惚れしちゃたなぁぁあ!!!!」


もの凄くニヤニヤとした顔で呼乃田に擦り寄りながら頬をニギニギと触るが一切抵抗はない。

実際にノリノリだったのは事実だからだ。


「また遊びに来た時にさ!皆に上手く歌える講座でま開いたら〜〜??」


ニヤニヤニヤニヤという効果音が似合いそうなほど想離は呼乃田を全力で揶揄っている。

顔から煙が出そうなほど顔を赤くした呼乃田は手で顔を隠すとそのまま歩き出した。


「それで?どこでご飯を食べる??」


「ガ◯ト!」


「コンビニ」


「叙◯苑」


「猫缶」


「猫まんま」


「川魚」


「君達叙◯苑でピーク迎えて徐々に価値が下がるの何で?!?!猫缶人が食べる物じゃないし猫まんまは売ってる所皆無だろ?!後川魚は東京のど真ん中にねぇよ?!?!」


まだ恥ずかしさが抜けきれておらず顔を隠しながらいつものキャラを崩壊させてツッコミを入れる。

少し騒ぎになり通行人が何だ?何だ?と集まり始めた。


流石に駄目だと感じた呼乃田御一行はそそくさとどこかへ逃げる。





「結局どこのご飯食べるか決まってない……」


時間は既に12時半を過ぎている平日ではなく休日の遊びに来ている時としてはやや遅い。

どうしようかと呼乃田達が迷っていると堅霧の取り巻きの1人である安曇野が良い店でも見つけたのか呼乃田を呼んでその場所を指し示した。


「先輩あそこにある人が全くいないカフェ行きます?」


「人が全くいないはかなり余計な一言だよ安曇野君、事実だけど」


「どうします?」


「悪いけど安曇野君僕達大所帯が入れるスペースと席があるから聞いて来てくれない?」


「あ、分かりました。行ってきまーす」


その自身が示した店の中に入ると店員と話をした。

2分ほど経ち店から出て来ると小走りで戻って来る。


「どうしたの?」


「店長さんと話したんですけど今日はお客さんの入りが悪いらしくて店仕舞いにする所だったんです!そしたらそのタイミングに俺達が来たら『丁度いい、ならお前達を今日最後の客にするか。なぁに特別に2割引してやる』って言ってました」


「店長の声まだ聞いた事ないけと何となくだけも声真似上手いんだね?」


「無駄に声真似上手いだけです。そんな事より店に行きましょう」


「おっしゃいこーー!安曇野でかしたー!」


想離が元気よく店の中へ向かう後ろを風波が追うように歩いて行く。

安曇野の横を通り過ぎる時に軽く礼をした。


カランカラン〜


「お邪魔しま〜す」


「お邪魔しま〜す」


「お邪魔しま〜す」


「こにゃんちわ〜」


堅霧の取り巻き達がお決まりの挨拶をしつつ入店。

断乃達も4人に続いた。

中には一応客が2人いたようだった。


「さ〜て何を食べよう…………か」


呼乃田かチラリと先にいた客を見ると岩のように固まってしまう。

その客もふと何かを感じたのか振り返ると呼乃田と目が合い同様に固まってしまった。


「「あ"……」」


「どうしたのお母さん何処を見て……あー!!あの時のお兄ちゃん!!!」


そこには一ヶ月以上前に別空間を作り出し呼乃田と戦闘を繰り広げたキルノア・リッパーとジャック・リッパーがいた。

しかも明らかにオフの格好で、である。


呼乃田は雰囲気を変えずに意識だけを変えて対応する。


「あら?あの時の坊やじゃない?貴方もここにお昼を?」


「……そうたけど?お前らは何の目的てここにいる?」


「何の目的って……普通に食事よ?」


「私達にだってオンとオフくらいはあるよーーだっ」


ジャックが舌をべーー!っと出したながら呼乃田を挑発する。


「呼乃田さんこの2人は?」


後ろから断乃が声を掛ける。


「前に話しただろ殺人鬼の姉妹だ。もっとも見た目は親子ほど違うけど……」


その瞬間断乃は明らかに警戒をした。

露骨に武器だけは出していないが魔力を全身に巡らせている。

更にカストレアも無言で後ろに立つ。


「仮主、敵か?」


「どうだろうね?この場で暴れるのは悪手だから取り敢えず大人しくはするよ。"今は"……ね」


「皆さん立ち話と何だしそこに座りなさいな」


キルノアが近くの席を勧める。

下手に反抗して店主に迷惑を掛けるのは駄目だと感じたい呼乃田は全員を少し離して座らせた。


「殺人鬼もこんな庶民の店に来るんだな」


「こな店はオフを過ごす場所としては最適なのよ?コーヒーも美味しいし何より苺のケーキが格別だわ!」


この場面だけ見るともの凄く美人な子連れの奥さんが笑ってる光景だが本人を知っている呼乃田は穿って見えてしまう。


「……殺人鬼にもオフってあるんだ」


「もちろんあるわよ。正確にはオフにせざるを得ない事情があるんだけどね」


「事情って何?」


想離が若干キツめの顔で尋ねる。


「私の所属しては組織壊滅しちゃった。あ、コラジャック口を拭きなさい」










難産……ではないんです。


50狩りしてだけなんです

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