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《????》

連続更新46日目!

難産でした!



「失敗……か」


「左様で」


「あれほどの高い質のドラゴンを貸し与えて失敗するのは流石に見逃せないな」


「して、刑はいかほどに?」


「家畜の餌にでもするか……それとも10年間殺さずに数日置きに拷問でもするか迷うな」


「ヒッ!?」


蹲っていた男から短い悲鳴が上がる。

残酷な提案をした男は横にいた補佐役の執事に何か呟くと下がらせると跪いている男を真っ直ぐ見つめた。


「言い訳は……あるか?」


「恐れながらべ、弁明をさせて頂きたく!!」


「ならば」


魔力が溢れる。

その魔力のプレッシャーに跪いた男は物理的に押し潰されそうになるが何とか堪えた。


「この私を怒らせるにたる言い分があると?」


「……それは分かりませんが絶対に伝えなければ行けない事柄が1つ」


「言ってみろ」


「反転性が2人、そして我々が敵対するオルナ家に数十年前まで仕えていた女がいました」


「っ」


ピクリと肩が跳ねて反応する。


「オルナ家に仕えていた者があの世界に?オルナ家は今別の地球と交流としていると聞いていたが……チッやはり辞めた者の同行は掴めていなかったか!!

 他国のオルナ家がどこまでこの私の邪魔をするのだぁ!少し前に完全再興したと思ったら勢いづきおって……!!当主は大人しく交流している地球の人間に懸想していればいいものを!」


ダン!!!!


勢いに任せ()()を殴った。

空間が割れると衝撃波が発生し離れていた男が吹き飛ばされ壁に激突する。


「が……はあ……っっ!!」


衝撃波をモロに受けたせいか上手く呼吸が出来ずに苦しんでいる。

それを見て微かに笑うと立ち上がった。


「お前の家の爵位はどれだけだったか」


「ゴホッゴホッ!……だ、男爵でございます」


「ふむ……」


未だに呼吸に苦しむ男の姿を見て苛立ちが少しは和らいだのか顎に手を添えて思案する。

少しすると顔を上げて何とか呼吸ざ出来る様になった男を見て命令を下す。


「1つだけ命令をする。それをクリア出来れば今回の責は聞かなかった事にしてお前の家の取り潰しも見逃してやるがどうする?」


その提案はとても魅力的だった。

男の家は貴族位でありながら落ちぶれ最早平民と変わらないまでになっている。

更には先代、先々代の負の財産の事もあり男の家は今代で潰れようとしていた。


そこに明らかに危険な任務を与えようとしている自身の主がいるとすれば最早平民と変わらぬ地位の貴族である男はどうするか?

それは当然


「お受けいたします」


受けるしかない。

落ちぶれと言っても男の家はかつて侯爵にまで上り詰めた事もある()大貴族だが今はただの平民レベル。

再興するならば主の機嫌を取りだけでなく戦功も上げなければ行けない。

だから逃げ道はなく先には死と死だけ。


ほんの数瞬前までの激情が嘘かの様にニッコリと笑うと自身の部下である男に歩み寄り方を手を掛ける。


「そう言ってくれて私は嬉しい。なんて優秀な部下に恵まれたのだ私は……!!この感情はきっと言葉では表せぬのだろうな!!!」


今度はある意味で激情的になる。

しかしそれは怒りではなく紛れもない歓喜だった。

部下である男は自身の主のその狂気とも変わり映えに狼狽える事なく言葉を口にする。

自分の死地はこの主の言葉の先だと考えて


「我が主、なんなりとご命令を」


その瞬間に男の主の顔は歓喜から冷酷へと変わる。


「《絶対》を貸し与える。更に能力をブーストさせる武器、防具、そして秘薬。

 これで私の命令の邪魔をした人間ども殺してこい。数などどうでも良い、たった数人などだろう?まさか出来ぬなどと言うわけではあるまい?」


「勅命に従うまでございます」


「良く言ってくれた、後で執事を使わす。身辺諸々の準備が出来次第殺しに行け。多少の準備期間は目を瞑ってやる。やる事があるだろうからな」


「……有り難き幸せ」


男は震えそうになる唇を堪え礼を言うと主の命令でその場に立つ。


「しくじるなよ」


「はっ!!」


敬礼をするとその空間から出て行った。

今しがた出て行った男の主は冷酷な表情のまま雷雲が当たり前の外を見つめる。


「私は……失敗などしない、しては行けない。更に保険を作らなければ。

 どうせ今の部下も何も出来ずに死ぬだけ、期待はしていない……が欲を言えば1人でも殺してくれば私としては助かる。

 はっ、このガラシージ・ガンショットが部下に願う日が来るとはな……暫くの間この場空間から他国へと動けぬのが本当に悔やまれる」


拳をぎゅっと握ると同時に遠くで雷が鳴った気がした。


「魔王国リューゼリュベリオンはオルナ家の住まう国……後で執事に伝えて念の為国の動向を探らせるのが賢明か。だがあの国の守護神であるオルナ家に気取られずに探ることなど出来るのものか……?

 いや、技術と忠誠心のある捨て駒を使えば少なくともある程度の情報は掴める……」


迷っているのか深刻な顔になる。


「情報を知るために戦力はあまり割きたくないがここで出し渋るとどこで詰まるか分からんからな。

 ……仕方ない最上級の駒をあの国に潜らせて動向を探らせるか」


座っていた椅子から立ち上がると執事長の元へ歩いて行った。








読んでくれてありがとうございますぅぅ!

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