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厨二

連続更新43日目!!!

少しだけ早くなった!



「早速だが一つ目の契約を果たそう。少しだけ大人しくしていろ動くなよ」


女は手に魔力を込めて喉を触り魔法を行使した。


「『リ・ボーン』」


淡い光が一瞬だけ断乃を包み込むとすぐに消えた。

あっさりと終わった事に驚いた断乃は慌てて声を出すより喉の確認をする。


(痛みはないそれに意識が覚醒してから感じていた違和感もない。これは……)


「治療したというのに疑っているのか?全く、仮主が臆病だというのは少しがっかりだな?」


明らかに挑発する様な発言に思わずむっとすると普段なら乗らない挑発に乗ってしまう。


「誰が臆びょっ……あ、出た」


「ククッ、高々声出せるかという事に疑いを持たれてはこれから数十年間付き合う契約に耐えきれないな?治療はまだ目も残ってるのだから私は心配だよ」


「俺とお前の間には何の情もなくあるのはビジネスだろ?しかもそのビジネスは今さっき組んだもの……信用なんぞ皆無に等しいのが普通だ。

 だけどしっかりと喉を治療してくれたからな……今度高い肉を奢る程度には信用する」


「懸命だな?次は目だが少し問題がある」


「問題?」


すんなりと治療が行われると思っていた断乃は会話が躓いた事にやや意外な表情になる。

女の発言した『少し問題がある』これの原因が気になると「まさか無理なのか?」と邪推した。


「私の治癒能力のレベルは例え手足が千切れても再生出来るほどに高い」


「じゃあ」


「だがそれは千切れてた手足が残っていれば再生して繋げる事が出来ると言うまでの話だ。

 勿論それより簡単な治療であれば幾らでも出来るが現物のない治療となると幾ら私でも難しい。簡単に言えば専門外だからだな。高位の治癒魔法を使える者は手足が消失しても身体の記憶を読み取りゼロから再生させる事が出来る。

 一応言っておくがそんな存在は私でも数えるほどしか目にした事はない。能力の希少具合ではお前が持つ絶対切断に匹敵するからな」


「はぁ……?」


結局失った目は再生出来るのか、出来ないのか?の2択に悶々としそうになるその瞬間に女は話す。


「私には現物無しでゼロから再生させるまでの治癒能力はない。しかし!逆に言えば現物さえどうにか出来れば私にも再生が出来るという事だ」


「なんかテンション上がってないか?」


「気のせいだ」


「気のせい?」


「気のせいだ」


言葉の端々が妙に上がったりしている事から興奮しているのが理解出来たが女はそれを頑なに認めようとはしない。

そして懐から小さな箱を取り出すと断乃に見せつける。


「…………これは?」


「義眼であり………………魔眼だ」


「厨二病患者量産アイテムじゃねぇかぁぁぁあぁあ あ!!!!」


(ほぅ、義眼タイプの魔眼ですか……大した物ですね)


何とか義眼までは予想出来ていた。

しかし魔眼という厨二病極まりないアイテムの登場に冷静な反応の建前と収まりの聞かないツッコミの反応が逆転してしまう。


「人間は愉快な反応をするんだなぁ」


「しれっとした拡大解釈の反応しないでくれるか?」


本音と建前の逆転を引き起こした張本人は断乃の反応が人間に共通する反応かのような拡大解釈にすぐ様ツッコミが入った。


「まぁいい、それでその魔眼をどうやって俺の目にするんだ?」


「カポっと」


「は?」


「だから比喩表現とかではなく直接目に入れるんだよ」


「今度は普通に怖い?!絶対痛いだろ?!治療するって言ったじゃない?!」


「治療が必ず無痛だと思うのか」


女からごもっともな指摘を受けて何も言えなくなる。

そして何とか絞り出した反応が


「……オモワナイデス」


だった。


そこから目に義眼改め魔眼を埋め込む事への恐怖心と格闘する事2分間。

ようやく覚悟が決まった。


「ふぅーー……それじゃあその義眼をくれ」


「それっ」


箱ごと投げてよこして来たが何とかキャッチをする。

そしてその箱を開けると所々黄色い線がある若干デフォルメされた義眼があった。

頭の包帯を取り、義眼を慎重に持ち上げると目の前に持って行く。


「……怖いのか?」


「いや、覚悟は決めた。ただ気になる事があってな」


「気になる事?」


「魔眼って言ったけど何かしら能力が付与されてるのか?」


断乃のこの質問を聞いた瞬間に女の顔が歪に笑った。


「私が人工的に魔眼を与える事が出来ないものかと考えて研究した結果生み出した産物……付与能力は雷、赫狼(かくろう)ヴァルファリアというモンスターの核を主材料として作られている。

 基礎的な身体能力の向上から五感の強化等色々恩恵がある。つまり何が言いたいかというと早く付けろ!」


そう言うと女は断乃の手を目にも止まらぬ早さで掴むと義眼をねじ込み、痛みで暴れない様押さえつける。


「痛っったぁあ?!」


「『赫狼はこの素体を主とし生涯を捧げ身を焦がせ』」


先程の魔力の輝きより数段強い光りを放つ。

そして女がキーワードと思わしき言葉を言い終わると抑えを解き断乃を見る。


「痛いじゃね…………いや、見えてる」


「くくくっ、どうやら成功したようだな。これからどこまで能力を発揮出来るか経過観察だ」


「ここまで視界がはっきりとしてたら感謝するしかないじゃねぇか。……そう言えば名前は?」


「言ってなかったか、ならはま良いだろう。良く聞け、私の名前はカストレア・ミール・リーリェナッゾ。貴族だ」


「なら俺も挨拶させてもらうぞ。理 断乃、癪だがこれからよろしく頼むぜ?カストレア」









ネタも補充しないと!

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