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想離

連続更新40日目!!

今日やんわり頭痛かったので遅れました!



「あーーーまた横取りされたぁーーー?!?!」


獲物を横取りされて嘆く声が東京の街中に響く。

多数の一級レベルの従僕を従え最早一個旅団の名前が相応しいほどに充実させている想離がいた。


「あの雷纏った狼なんなの……大きさもビル並みとか訳分かんない」


唖然として置き去りにされたドラゴンの死骸を見つめた。

これで目的であるドラゴンの体を手に入れる事が出来る訳だがそれよりも今は叩き伏せて手に入れようとした事が空回りやや不機嫌になる。


「こんな……掠め取るみたいな真似…………いや、嬉しいけど……何だろう得心出来ない」


愚痴を溢しながらも従僕を複数体召喚させ周りに侍らせると主戦力を他のドラゴンの討伐へと向かわせた。

そしてカードホルダーから絵も何も書いていない無地のカードを取り出すと死んだドラゴンの体から採取した血を垂らす。

次に魔力を込めて呪文を唱える。


「『その死は無駄ではなく、召し上げられ輪廻の輪に入る。だが私はそれを望まない』」


想離の魔力がドラゴンの死骸を包み込む。


「『輪廻を返さず私はお前を縛り、愛し続ける』」


死骸全体に魔力が広がり浸透すると想離は仕上げの言葉を呟く。


「『ドミネイトリザレクション』」


一瞬だけドラゴンの体を魔力の糸が貫いているのが可視化される。

完全に想離の物となったドラゴンは魔力の粒子となりカードの中に吸い込まれていく。


「名前はランダムだからガチャ要素として楽しみだなぁ。さてどんななま……え?」


《命名して下さい》


「これ……初めて見る。もしかして今まで従僕にして来たモンスターの中で1番強いからランダムの名付けから除外された感じ?新しいシステムは興奮するなぁ!」


ニッコニコになりカードに描かれたドラゴンの絵を見ながら名前を考える。


(生前の姿とは少し見た目違うな……軽くナーフされた感じであってそう。仮に弱くなってもドラゴンなら最低特一と相手は出来るか。

 あの一際デカイドラゴンの周りに浮遊していたから王を守る騎士の立ち位置、なら名前は……)


ピッタリの名前を思いつき口角が上がった。


「君の名前は《ガーディアン・ドラゴン》だ。単純だが分かりやすくて良いだろう?それにあだ名は『ガーディ』だ」


カードの中のドラゴンに話しかけると微かに魔力が揺れる。


「…………これはまた経験した事のない反応だ。やっぱりドラゴン目当てにここに来て良かった!」


快活に笑っていると遠くで狼の遠吠えと落雷の音が聞こえる。

狼の向かった方を尻目に呟いた。


「誰があのヤバいやつ使役してるか分からないけどとんでもない実力者である事は理解できる

 契約すると必ず出来る魔力の回路の質が異常過ぎ、あの質だと少なくとも特級は軽くあしらえるかも」


想離が自分と似た能力のまたは上位互換の実力を看破した。

雷を纏ったビル並み狼がドラゴンを叩き落としている音が東京中に響く。

そして更にボス個体のドラゴンへと向かって行く影が見えた。


「狼との魔力回路はあの人と繋がってるみたい。……日本に私以上に強いモンスターを使役出来る人いたかなぁ?」


遠目にボス個体に挑んだ人影を見つめる。


「あの体捌きはこーちゃんじゃないのは確か……断乃君でもない……少なくとも日本ではまずいない実力」


ボス個体が空から蹴り落とされる。


「……訂正、世界的に見てもあそこまで魔力の操作と身体能力が異次元の人間なんて知らない。

 少なくとも国が発表してる魔狩人の実力基準じゃ足元にも及ばないか。更に」


別の方向を見る


「あの体捌きは間違いなくこーちゃん。だけど戦い方は本来の物とはかけ離れてる。

 なんていうか獣だ」


そして一応連絡だけでも送っておこうと指輪を付けていた右手を顔の位置に持って来て気付く。


「しまった。一斉召喚の時の魔力に耐えきれず破損したの忘れてた」


これでは通信が出来ないと頭を悩ませていると遠くから想離を呼ぶ声が聞こえて来た。


「想離さーーん!!!」


「あ、堅霧君生きてたんだ?!」


「何とか、ドラゴンが東京に降りると同時に放った魔力のプレッシャーで何故指輪が代わりに……」


「壊れた?」


「あぁ、何故か身代わり判定喰らったみたいで何とか生き残れました。もしあの指輪が無かったら最悪プレッシャーで行動不能になってたかも知れねぇ」


安堵と悔しさの混ざった表情で想離に伝える。


「なら生き残って喜ぶのは後だよ。今私達が東京にいる意味を考えて!!」


「……!!!」


叱咤され堅霧の目と拳に力が込められる。


「なら俺は断乃を探します、アイツの能力の殺傷能力は随一で体必ず役に立つはずだ!!」


「堅霧君は断乃君を探すのか……ならこの子達を連れて行って」


想離がカードホルダーからカードを取り出し小さいモンスター2体を召喚する。


「赤いのに『来い』というと武具に代わって青い方に『行け』というと予めセットしてあるカードが召喚されて戦闘のサポートをしてくれるよ。

 もしドラゴン以外のモンスター会敵したら大変だからね。じゃあ私はまだ人が足りなくて暴れてるドラゴンをカードにしに行くよ。死なないでね堅霧君!」








明日は頭痛治ってるかな?

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