要請
連続更新31日目
数百文字消えるのは辛い
5月も下旬にになり本来なら学校にも慣れてくる時期だが魔闘部にいる一年の断乃達に慣れる時間など無かった。
「今日で6日間連続学校を早退してのモンスターと魔獣の掃討、しかも強い個体一体の処理じゃなくて対して強くも無い個体で数だけ多い……。
無駄に体力と時間が奪われてゆく。ついでに学力」
「世の中の社畜ってみんなこうなのかな?だとしたら凄いね、僕4日目で根をあげたよ。それでもやらなきゃ人の命が危ないから仕方ないよ。
だけど学力は落ちないね」
「みんなスーパーmenだな」
「なんでマンだけネイティブなのよ」
「ノリなの?」
「です」
下らないやり取りをしていると呼乃田がプリントを人数分を手にしてやってくる。
「さて日曜日なのに良く来てくれたね。早速で悪いがこのプリントに目を通してくれ。
魔狩人協会からの連絡事項だ」
「これ……?!」
「早速分かったか。そうだ八丈島付近で謎のモンスター大量発生、しかも大量の飛行型のモンスター……所謂ドラゴンが確認出来た。
おい、想離君?」
「はぁ……はぁ……っ!」
(((あ、アカンヤツ)))
真梨、断乃、呼乃田の3人は想離の眼を見て察する。
反応していると時間が無くなるのは目に見えている為あえて無視をした。
「ゔゔん!それでその飛行する個体達は周りを確認するかの如く徐々に飛行範囲を広げている。初日は直径約10キロ範囲だったのが今では100キロまで伸びている。
このまま広がって行けば近いうちに日本の領空も飛び回るようになる。そこで魔狩人協会は精鋭を集めて10日後八丈島奪還に向かう事に決めた」
「……それで本来精鋭がいるはずの都心の戦力がガタ落ちするからその穴埋めとして間鵞廼さんと半葉さんの推薦で俺達が選ばれたと」
「あぁ、だけど全員じゃない。推薦されて行くのは戦闘要員として僕、断乃君、堅霧君。
サポート兼戦闘要員としては想離君、真梨君。そして最後に連絡要員として風波君だ。
この魔闘部の中では真梨と大体同等の力を持っているよね?だけど特殊な方法で移動する僕と断乃を除いたら部内だけでなく間違いなく全国トップクラスだからいざという時の為の連絡要員に抜擢された。
これは戦闘力+機動力で考えての事だから拗ねないようにね?」
「あの、俺達は?」
堅霧の取り巻きのうち1人が手を上げる。
「吉村君今も言った通り僕達だけ東京へ一時的に足りなくなった戦力の補充とドラゴンが襲来する危険があるからその警備としても行く。
正直君達はこの戦いにはついて来れないと判断された。後は無駄に人が多いと指揮が取れなくなる可能性があるから戦闘能力の低い君達が選ばれて除外されたわけ。納得した?」
「……うす」
吉村とは違う奴が反応を返す。
「安曇野君は死ぬかも知れない戦場と化す……可能性のある東京に行かなくていいのに不満があるのかい?」
「ある事情……から堅霧さんを守ろうって決めたんでそれが出来ないのはかなり不満……です」
「憲吾……」
「俺も憲吾と同意見です。喧嘩や学力でさえ堅霧さんには俺達は必要ないのかも知れません。だけど、受けた恩を返せなくなるかも知れない場所へ行かせたくないのが本音だっ!」
「頼む俺達も連れて行ってくれ!」
「駄目だ」
今度は吉村とは小学生時代から一緒の小鳥遊 秀旗が呼乃田に食い下がるがそんな吉村達を呼乃田は一蹴する
「もう一度言うよ。君達の実力じゃ到底無理だって言ってるんだ。それにそれ以前に根本的な問題もある」
「根本的?」
呼乃田の言葉に部室内の全員が疑問符を浮かべる。
「魔闘部にしか要請されていない。君達そもそも魔闘部に所属する為の届け出してないだろ、堅霧君だけだよ正式入部届だしたの」
盲点だったのか吉村達が眼をパチクリさせた。
そして慌て始める
「な、なら今日書類を提出すればっっ!!」
「稀にだけど命が掛かる場所へ行く事も了承する書類を今からたった数時間で書くのかい?親族の了解も得ず?それは少し無責任だよ。
ここにいる僕や想離君だけじゃなく風波君まで全員親と長い相談をしてる。幾ら恩を返したい為だとはいえ少し……軽率だよ」
「「「「っっっ!」」」」
魔力も威圧も何もないただの睨み。
だが実力が呼乃田から相当に劣っている4人には自然と体が竦むほど強く感じた。
「これは魔狩人協会の決定だからどっちにしろダメだ。
そんなに堅霧君が心配ならこの帰る場所である学校と地域を全力で守ってくれ」
「土産くらいは買って来てやるからもう黙れ。お前らは俺の母親かっ」
「「「「まぁ、お母様によろしく言われてますので」」」」
「勝てねえな、おい」
パンパンパン!
大きめの手拍子を鳴らすと注目を集める。
「切り替えて行こう。10日後この学校の安全は君達が中心になって守るんだ。もし困ったら僕と同じ学年の芽吹君と織田君に頼ってね?あの2人なら絶対助けになってくれるから。
ちなみにもう話はつけてあるからこの後挨拶しに行くといい。じゃあ解散」
明日も爆弾抱えながら執筆かぁ……