履行 利口
連続更新164日目
あと数日投稿したら連続更新をしてから初めての本気の急速に入ります。
多分
気分乗ったら続けるけど
カトレアは音無と宗方から記憶を抜き取ると断罪すべき対象の居場所と顔を割り出す。
「よしこれで準備は整った。お前達ここで待っていろ。周囲のモンスターは粗方殺しておいたから外に出ても大丈夫だ……だがまだ辞めておけ。
馬鹿な人間がいないとは限らないからな」
そう伝えると転移で外に出る。
更に空に浮かびながら記憶通りに目的の方向を見た。
「……魔力の反応や塊具合からしてどうやら今はお仲間どうしで集まっているみたいだな。
馬鹿同士が集まった所で出せる知恵はたかが知れているというのに。はぁ、少し興奮するのは隠せない。《魂奪》を最後にやったのはオルナ家を出て……うん覚えていない」
久しぶり過ぎて最後に使った記憶は殆ど残っていない程に使われていない《魂奪》
カトレアも一応はオルナ家である為ダーケンが興したのちに築き上げられた《能力》も所有している。
それはダーケンが《死神》と恐れられた事により自然と支えるようになっていた《能力》だった。
詳細は本人しか分からないが一族に伝わる伝承では渾名となった《死神》そのものと契約したと伝わっている。
体勢を整えると瞬時に視界が空から馬鹿共の目の前に変わる。
「え……え、え?」
「誰コイツ」
「どっから来た」
あまりにも突然な為把握出来ていない。
カトレアは全力の殺意を込めて魔力を浴びせると馬鹿共は白目を剥き膝をつく。
「弱すぎる。全力を出さずもっと優しくても死んだなこれは」
嘲りの言葉を投げかけると手を出す。
そして何かを招くと馬鹿共の体からユラユラと魔力が昇り、カトレアの元へ集まって行く。
「《魂奪》」
魔力が完全にカトレアに吸収されて目の前の人間は人間だった物に成り下がる。
「……見せしめとしてのパフォーマンスは必要か」
何が良いか考えた。
小難しく考えたが結局シンプルかつ恐ろしい方法を取る。
「首を見せれば弱いこやつらの事だすぐに堕ちる」
そう呟くと武器を取り出しえ死体の首に添える。
そのまま刃は滑るように骨すら両断すると全ての首を斬り落とした。
「持ち運びが大変だな」
運ぶ事を一切考えてなかったカトレアは転がる首を見て愚痴を溢す。
だが溜息を吐くと髪の毛を掴み編み出した。
「想定外の所で時間を取られるとは不覚」
謎に悔しさを顔に滲ませ首と首の髪の毛を編む。
「………………よし」
編み終わった首を左手に持ち歩き出す。
「そろそろ先祖様の所も終わるな、やはり先祖様が参加すると戦局が一気傾く。主を守れるくらい強くなったと自負している私が見てもやはり先祖様は規格外過ぎる。
最早一種の災害にまで……いや、災害よりなお酷い」
独り言をしながら歩いているとガラの悪い男達がたむろしている場所に辿り着く。
「あん?お前はだーーーーー」
話し出すと同時に輪に編まれた生首を投げつける。
若干の血による水気のある音が男達の耳に届く。
生首に目を向け、それが何が正確に理解すると慌てて距離を取ろうと動く。
「恐れたな《魂奪》」
視界に入っていた男達が全員倒れると魔力がカトレアの手元に集まり渦巻く。
「汚く質は悪いが量は思ったよりある。
量はあると言っても一般人の量にしてはだから結局極少量」
もの凄く嫌そうな顔のまま魔力を吸収すると男達の首を斬り落として回る。
「謎の魔力の持ち主も一歩も動かず敵を殲滅し続けているから大丈夫と見ていい……か」
転がる死体の中で何でもないように呟いた。
☆
「モンスターの掃討は終わり……魔力探知の届く範囲ではモンスターの反応は無し!
人の反応はまだ生きてるからよしとして"塔"は終わったか?」
《黒森の呪槍》を肩に担ぎ辺りを見る。
夥しいモンスターの死体。
鼻に届く腐ったようなモンスター特有の匂い。
その不快感に顔を顰める。
「何か顔の見えない奴と会ってから体がおかしい。まるで種が急速に育ち発芽、実をつけようとしている感じだな。
この感覚……ただの《切断》が《絶対切断》に成った時に似てる。《絶対切断》は母さんから受け継いだからまだ俺の中に別の《能力》があった?
漫画みたいな展開は嫌いなんだが?」
微かな痛みと共に舌打ちをすると合流する為"塔"の元へ向かった。
すると影がいつの間にか横で歩いている。
「…………」
「成長してるなぁ」
「これについて何か知ってるのか?」
「知らないね。ただそれが目覚めようとしてるって事は分かる。君本来の《能力》」
「楽しみだけど鍛える余裕はねぇな」
「…………どうだか」
そろそろモンハン再開……