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連続更新162日目


少し早出し



影の体が霞んだかと思うと次の瞬間には少し離れた位置に立っていた。


「簡単に逃げられるクセに捕まってるフリとか……お前嫌いだわ」


「釣れないな。学びを得られたじゃないか?油断大敵……ってね」


「それで?お前はこれから何をするつもりだ。"塔"の破壊が難航しているようだし手伝ったりしてくれたりするのか?」


「して欲しいのかい?」


「欲を言えばして欲しいに決まってる」


影はまた靄となり家の上に立ち断乃を見下ろす。


「僕はあの"塔"の技術さえ盗めれば協力は惜しまないつもりだよ、それにどうやら戦ってる人達はこのままだと破壊し尽くしてしまいそうだから割と介入する予定なんだ」


「破壊だと技術は盗まないのか?」


「普通から盗めるがアレは少し特別仕様で破壊=技術の簒奪が不可能となってる。

 破壊じゃなくて無効化が望ましいかな?今の所そんな実力を持つ存在は何故か人間の助けに回ってるし……あ、僕が代わりに人間助かる方に向かおうか?一応死んで数時間なら蘇生出来る《絶対能力》持ってるし探知に特化した《絶対能力》も持ってるからかなり役立つと思うよ?」


予想外

ダーケン以外で初めての《絶対能力》の2つ持ちという特異性。

更には今断乃が欲しがる《能力》を《絶対》に昇華させた存在を2つも所持。


《絶対》が付くからにはその法則にカトレアとダーケンも例外とはならず勝てないのだ。

同系統の《絶対能力》を持っているのなら別だが2人は似た《能力》すら持っていない。


必ず役に立つ


分かりきった答え


(移動にも体を靄、霞に変えたりする。アレが避ける時にも使え、攻撃にも転用出来るのなら実力は一定以上は約束されている)


ほんの少し深く考えて纏める。

そして今目の前の影の目的と断乃達の目的は一致していると思って良い状況。

ならば提案を受ければ良いと判断した。


「怪しさ満点だが緊急事態だ頼らせて貰うぞ」


了承すると同時に《絶対切断》に封印されていた事でちょっとしたパスが出来ているダーケンに対して今断乃がいる場所に来て欲しいと思う。

10秒後には断乃の目の前にダーケンが現れた。


「呼ばれた理由は分かっている。ダンノコイツか?」


影を見ていたから頷く。

ダーケンに見られた影は軽く手を振るが完全無視され「酷いな」と呟いた。


「そこの顔の見えないお前はあちら方面を探せ、まだ完全ではないから詳しくやれ。

 稀に魔力探知に反応しない人間もいるからそこの所はなるべくで良いが最善を尽くせ……これ以上は言わずとも分かるだろう?」


「…………怖いなぁ。僕と君達の目的は一致してるんだからさ、不誠実な真似はしないよ。余程不満を持つ事がない限り安心してくれ」


影は靄となりダーケンの言った場所へと消えた。

ダーケンも断乃へ一言言うと"塔"の方向へ向かいながらモンスターの掃討、一般人の調査を行いながら向かう。





「さてと……敵同士とはいえ今は目的が一致しているからな。手伝って貰ってるから人間の人助けくらいしてやるかーーーー」


飴玉程度の魔力を固め浮かべた。


「《皇帝の涙》」


魔力の塊が地面に落ちると波紋のよう波打つと一気に広がった。

断乃にも言った通り影は死んですぐならば即座に蘇生させる事が出来る《能力》がある。

それを応用した魔力探知は人間に限定して発動すると対象を優しく回復させ、結果を影へと運ぶ。


それによりただの魔力による探知の反響定位とは違い確実性が生まれた。

この《絶対能力》と《絶対能力》による掛け合わせた力。

それぞれの名前は


「《絶対皇帝》《絶対医神》……よし、人間を襲う馬鹿発見。《絶対医神》による《能力》で解体、そして《絶対皇帝》による《能力》で同系統のモンスターを整列……ふひっ!」


久しぶりに使う技に歪な笑顔が溢れる。


「《終末斬首》」


影の見えない所で人型。

良くいるオーク系のモンスターが全て《斬首》された。


「これのせいで渾名な【終末皇帝】や【斬首皇帝】…物騒すぎるよ」


一切気負わずへらへらと笑いながら影は約束の為人間を助ける為に歩き出した。


「そろそろ身体能力がゴミ過ぎる欠点何とかしないとなぁ」






少し好きなタイプの奴

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