表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/173

影の言

連続更新161日目

間に合ったぁぁ!!!!!



顔が見えなかった。

いや、正確には顔は見えているが何故か認識出来なかったのだ。

断乃がアメリカの禁足地で念の為にダーケンに掛けて貰っていた認識阻害に似ているが……似ているが少しだけ違う様に感じ取れる。


(認識阻害は大きく2種類!1つ目は対象に掛けて俺を見えなくするタイプ!!2つ目は俺自身に掛けて相手に認識させないタイプ!

 前者はサポートがあれば何とかなるけど後者はサポートの有無は関係ない!それに後者は頭部の周りに出鱈目な視覚情報を挟むから認識出来ない事もあって別の景色が断片的に見えたりする!

 だけど……!!)


全力で目の前の存在を睨む。

間違いなく目線は合っているが分からない。


「何でお前の顔には情報がない!!!!」


語気を荒げて剣を振るう。

互いの武器が交差する時同タイミングで2方向から爆音な聞こえる。

それがカトレアとダーケンによるものだと察する事が出来た。


(2人に襲撃だと?!馬鹿な!!!返り討ちに会うぞ!!)


この瞬間だけは襲ったと思われる相手に同情を覚えたが目の前の影と剣を交えている内に違和感を覚える。

いつまでもカトレアとダーケンが1つの対象と戦闘を続けている事に。


「同レベルだって言うのか?!」


「よそ見、駄目だぁぁあっ」


影が笑うと変則的な加速で距離感を惑わせながら断乃へと斬りかかった。


ギリィィィ


「ぐっっ!」


「魔力の量、質も素晴らしい!更には余剰魔力も即座に回収して循環させて無駄も無くしている……っ!ははっ!!継続戦にも秀でている逸材!」


「がぁあ!?」


思い切り《変刃 : トラスフォーゼ》が打ち上げられた。

このままだと死ぬと分かっている断乃は《絶対切断》の《能力》で雑だが高密度の斬撃を放ち距離を取らせる。


「ゼロ」


なりふり構わず《擬似転移》で背後に回る。

情報を聞き出す為に殺さぬようまずは腕を狙うが片手で受け止められた。

その時で衝撃で影の足が少しだけ沈む。


「ここで終わると思うなよ」


「何だっtーーーーー」


受け止められた体勢から全力で身体強化を施し影を吹き飛ばした。

最早市街地への遠慮など微塵もない一撃で吹き飛ばした影が全てを壊す勢いで飛んでいく。

もちろん殴り飛ばしたままでは終わる訳もなく断乃は《擬似転移》で影の元へ行った。


「シンプル・パンチ」


「ふざけっーーーーー」


またも喋る途中で影は殴られる。

今度は真横でも真上でもなく真下に殴り落とされた。

影が地面も接触すると直系20mほどのクレーターが出来る。


「《アブソリュート・トラップ》」


半径1m以内の空間全てに小規模だが確実にダメージを与える斬撃をセットする。

それは地面の中にまで埋め込まれた。

同時並行で断乃は少しの時間も惜しみ《擬似転移》で影に跨り首をそれなりに強く握りながら地面に押さえつける。

更に魔力の糸で全身を縛る。


「名前と所属、そして目的を言え。内容次第で死刑は免れるやもしれんぞ。

 今のお前は殺人及び国家転覆罪的な罪状が見て分かるくらいに疑いとしてある。もし違うと言うんならここで弁明してみろ!!!俺にはそれくらいの権限がある」


「………………ふひっ」


ほんの少しの沈黙の後にそれを破る笑みが溢れる。

その笑みは不快感を与えるのには充分過ぎるほど何かと意図が含まれていた。

まるで「お前は何も知らないのだな」と嘲笑うかのように。


「何がおかしい……ここにはお前を笑わす為にいる芸人はいないぞ」


「ははっ目の前の君が僕にとっての道化だとは考えないのかい?」


「俺が道化か……赤い鼻にでもなるか?」


「似合わないね」


「だろうな」


一見和やかな会話にも聞こえるそれは側から見ると今すぐ暴れる5秒前にも見えた。


「いくつが聞きたい事がある」


「それに答えれば命を助けてくれるとか?」


「助かるといいな」


「ふーーん……で?何が聞きたい?」


「何故人の生首を持っていた?」


「転がっていたから拾っただけ、目的に人間を殺す事は含まれていないんだよ……君達の目的はあの"塔"だろ?」


「だったら何だ」


「僕も目的はあの"塔"だからさ。ただ君達と違うのは壊す事じゃなくてその技術を盗む事、僕達の研究に活かす為だ。

 だけど流石に僕とは相性が悪くてね?立ち向かえる人間が丁度よく転がっていないか人探しついでに散策していたわけ」


「あの」


「生首に関してはその人間が見かけた僕に必死になって逃げろと言って来てね。どう見ても弱いから無視してその場から離れると死んだ気配がした。だから立ち寄ると首を食いちぎられていたんだ。

 僕は君達人間と価値観が違う、だから持ち上げた時の光景が君には【悪】に映ったんだろ」


「良く喋るな?」


「生来僕は喋る質だ」


本当に良く喋った。

第一印象と比べると目眩が起きるくらい良く喋る。


「最後の質問にする」


「以外だなもっと質問をするかと」


「何故お前の顔を認識出来ない?」


瞬間動きが止まった。

それと同時にその体から怒気が感じられるようになる。


「君が知る事じゃない」





コヤンスカヤ欲しい!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ