呼乃田
連続更新16日目!!!
呼乃田先輩の真価が……?!
断乃と真梨は血相を変えて路地裏に駆け込んだ呼乃田先にビックリして呆けてしまう。
自体を理解した時真梨が追いかけようと提案する。それに断乃は同意した。
普段からふにゃっとした雰囲気を崩さない呼乃田があそこまで血相を変える事が異常事態故に決断は早い。
後を追うが消えた呼乃田は見つからない。
「どこだ、どこに行った」
「声が全くしない」
「真梨お前の"目"は魔力も見れるようになったりしないか?」
「なんとその通りだよ。見る?」
「頼む」
真梨は「強くいくかぁ、全の一」と呟くとかなりの魔力が真梨の目に集まっていくと目が青色になり、光り出した。
その状態で周りを見渡したら何かを見つけたようで 一点を凝視していた。
「どうした?」
「あっちの方向に魔力の塊が見える行こう」
そう言いながら真梨は走り出した。
目から足に魔力を回した真梨はかなり速く、断乃も少し多めに魔力を回さないとついて行けない程だ。
5分ほど走り周り所は小さな空き地だった。
勿論そこに呼乃田がいるかと言われれば否と言わなければいけなかった。
「真梨一体どこにーー」
「ここ。ここに魔力の塊が縦に伸びているだよ。なんというかこれは閉じてるのか?まぁいいや断乃君ここ、ここを"能力"で斬ってくれないかな?」
そう言いながら一点を指差す真梨。
真梨の言葉に従い俺は心剣を胸から抜刀し能力を発動させ、寸分違わずゆっくり縦に斬った。
すると今まで見えていなかった魔力が形となり現れた。
目に見えた魔力はドス黒く先の見えない色、そして大きさは直径180㎝になる
「……真梨何か分からないか?」
「全くだね、全く分からないよ。ただこの中に異質な魔力が流れている事だけは分かる。
別の場所、空間に繋がっていると言われても不思議じゃない」
「そんな事聞いた事がないぞ?!?!」
「あくまでも可能性の話だよ」
真梨も真梨でかなり困惑した表情をしている。
魔力の塊を見て考えている。
断乃も思案している最中真梨が問う。
「入る?」
「え」
「呼乃田先輩の気配が全く感じられないだろ?しかも魔力の痕跡はここで途切れてる。
この中に入っていったと考えるのが妥当だね、僕は入るべきだと思う」
「例の殺人鬼がいたりして」
「呼乃田先輩を放っておけると思う?」
「確かに」
「行こう」
正直行きたくないと断乃は考えていた。
幾ら呼乃田がいるかも知れないとしても絶対能力を持つからこそ感じられる禍々しく気持ちの悪い魔力が渦巻いてるのだから。
そして真梨はこの魔力の質に気付いていない。
(くそっどうする……どうする!!)
「行こう」
「ああ!!」
俺達2人はこの魔力の塊の中に手を伸ばす
☆
(なんなんだこの空間は禍々しい魔力が渦巻く"世界"は?!)
「アハハハハ!!!次の獲物は上質だねぇ!お姉ちゃん!!」
「ふふふ。笑い方がはしたないわよ?」
「ぶーいいじゃんいいじゃん!」
突然のやり取りの声に驚き後ろを振り返るとそこには2人の女性と少女がいた。
親密そうな掛け合いから姉妹かと考える。
取り敢えず当たり障りのない質問を呼乃田はする。
「君達は一体誰なんだい?僕をこの特殊で悪趣味な空間に閉じ込めてさ」
「あら悪趣味だなんて酷いわ。これでもかなり苦労して作ったのよ?」
「へぇ、凄いじゃん」
「お姉ちゃんが作ったんだから当たり前だよ!!」
姉の方は落ち着いた雰囲気で妹の方は元気ハツラツと行った感じだ。
自慢気なその言葉は聞くだけなら何とも思わないが実際はドロドロした魔力が渦巻いているから全くそうは思えなかった。
「何故この空間に閉じ込めたのか理由を聞いてもいいかな?」
「そんなの」
「決まってるよ!」
2人はニコッと笑うと理由を言った。
「貴方が1番強くて上質だからよ!!」
「死ねぇえぇぇえぇ!」
姉妹が刃渡り30㎝ほどの長く特殊な形をした最早短剣と言えるナイフを手に持ち突貫してきた。
全身に魔力を流し身体能力を強化して回避した。
「なっ?!」
姉妹の攻撃を避けたと思ったが、姉はもう一つナイフを手の中に出すと魔力で加速して斬りかかる。
「……っ」
それもしっかり避けると少し距離をとった。
姉妹が一旦姿勢を正す。
「自己紹介が遅れました私、名をキルノア・リッパーと申します」
「わたくしゅ…えと……私はジャック・リッパーって言うんだよ!12歳!よろしくね!」
「僕は呼乃田将旗だ。出来ればこの場限りの関係がいいな。生憎、2人は守備範囲が「あら、つれないことを仰いますっ!」」
会話の隙をつきキルノアと言う名の少女はナイフを呼乃田向かって飛す。
冷静に判断して弾く為に魔弾を作り飛ばす。
しかし魔弾を使って弾いた瞬間ナイフが爆発した。
「ぐっ!!」
爆発によって粉々になったナイフが呼乃田の肌を傷つける。
「ちっ」
「あらあらぁ。もっと血を流してください!!」
キルノアとジャックは次々とナイフを投げてきた。ナイフはキルノアとジャックの手元で瞬時に作られる為ナイフを投擲攻撃が途切れる事はない。
キルノアの攻撃に気をとられるとジャックの攻撃が当たってしまう為一瞬も気を向けなかった。
「そう言えば昨日石川県の男の子襲ったけどつまんなかったよねお姉ちゃん」
「確かにそうよね、もう少し強いと思ったのだけれど。世の中そう上手くいかないわね」
その言葉を聞いて呼乃田は全身の血が沸騰する感覚を覚えた。
「昨日?」
「そうよ。昨日よねージャックちゃん!」
「そうだよー昨日だよ!アハハ!」
(そうかお前らか。アイツは再戦を誓った僕の俺のライバルだと言うのに!!)
「お前がぁ!!!!アイツの未来を奪ったのか!!」
「えぇそうよ。美味しかったわ」
プツン……
呼乃田の中で何かがキレる音がした。
(ああ、久しいな誰かにこんな感情をいだくのは)
「お前をぶっ殺す!!」
全身全霊で能力を解放した。
(アイツに負けてから死に物狂いで身につけたこの能力っ!!!)
「絶対!!!!」
一呼吸おく。
そしてこの能力の名を噛み締め口に出す。
「させませんわ!!」
「早く死んでよね!!」
(お前の敵を取ってやるよ翔太っ!)
「召喚!!!クー・フーリン!!」
姉妹が襲い掛かる。
しかしその2人を影が弾いた。
「よう、呼んだかい?」
「ああ呼んだよクー・フーリン。お前の力を俺に貸せ」
「あいよ」
クー・フーリンは光の粒子になって呼乃田の体の中に吸い込まれた。
「来いゲイ・ボルグ」
ヒュンッ
どこからか一本の槍が飛んできた。
難なくキャッチし、構えを取る。
「今からお前らが相手にするのは本物の英雄の力だ!!」
ここまで読んで下さりありがとうございます!
(゜∀゜)
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また明日!!!(予定