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侵略

連続更新157日目

休みたいね〜



目を覚ます。

平和だった頃を夢を見ていたからか目覚めが悪すぎた。

外から巨大なモンスターが闊歩する音が響く。

その音により眠りから目覚めた子供達が体を震わせ始める。


「落ち着いて、静かにしていればここが見つかる事はないし僕がいれば君達が死ぬ事はないよ」


「…………ほんと?」


「あぁ、本当さ!僕が負けた事あったかい?」


「……ない」


数週間

この土地に"塔"が現れてからそれだけ時間が経った。

"塔"は強さに拘らず絶え間なくモンスターを生み出し街をあっと言う間に蹂躙する。

当時はここだけかと皆が思ったが少し数日経ち一箇所ではなく全世界各地で同様の事が起きていた。


日本の魔狩人、海外のハンターは一際被害の激しい都心部の"塔"の対処に苦戦しているからか地方の"塔"は後回しになる傾向にある。

地元の魔狩人達が全力でモンスターの対処をしていたが"塔"の破壊方法が分からず次第に戦力差が出来ると逆転し死なないようにするだけで精一杯になった。


そんな状況でずっと生き残っている少年達はこの地獄を変えてくれるヒーローを待つ。


「お腹空いた……」


少女が呟くと周りの少年達もその言葉に釣られるようにして「お腹空いた……!」と泣き出す。


「泣かないで僕がコンビニからご飯を持ってくるよ。出かけている間は絶対にこの地下から出ないでね?もし、遊びたくなったらせめて防音室で遊ぶ事……約束守れない子はデコピンの刑だ!!」


デコピンの動作をしながらニヤリとすると子供達は額を抑えて後ずさった。


「そこまで怖がるかい?」


「デコピン痛いもん」


「「そーだそーだー!」」


「うん。反論出来ないな」


穏やかに笑うと立ち上がる。


「それじゃあ行って来るよ。くれぐれも……ね?」


子供達が頷くと少年は立ち上がり地下室の扉がある部屋まで移動した。


ガチャ……


重めの扉を慎重になるべくゆっくりと開ける。

奇跡的に人のいない家に待避出来たのは幸運だったがこの重厚な扉だけは外れだと思ってしまう。


「家には居ない……外の音も……うん、大丈夫」


扉をゆっくり閉めるとコンビニへ行くため家の外へ向かう。

この家から最寄りのコンビニまでは500m、いつもの日常ならば「少し遠いな、自転車乗ろう」で済むがこんな世界になったからには自力で向かわなければ行けない。


「まぁ、ゲームの潜伏行動をリアルにしてるって思えば気が多少は楽になる」


震えてる手を抑え移動を開始した。





何とか目的のコンビニの近くに辿り着く。


「ラッキー近くにモンスターがいない……」


4日前にここに来た時に偶然手に入れた裏口の鍵をポケットから取り出すと扉を開ける。

少し変わった形態な事が幸いして大きなスタッフルームには何故か非常食が数ヶ月分完備していた。


表の商品は全て取り尽くされいたが鍵が無ければ表からも裏からも入れない為現状は少年達が沢山している感じである。


「これと、これと、これと、これと……これは」


次々と背負って来たバッグに非常食を入れていく。

その時にふと目にしたのはここに勤務していたであろう確実に男が残したと思われる本。


「…………」


何がとは言わないが肌色が多い本である。

少年はやはり男。

少しだけそれを見るとページを一枚だけ破り胸ポケットに忍ばせる。


「人に言えない収穫だよ」


少しの興奮を抑えてスタッフルームから出て鍵を締めるとモンスターに気付かれないように歩き出した。


「?!」


微かに木が揺れる音がした。

普段なら風だと思い気にしない……が今の状況ならば確実に近くにモンスターがいる。


「……ギーーーーー」


「っ!?!?」


咄嗟に近くの家に駆け込み隠れる。

何とか外を確認すると1番会いたくないタイプのモンスターがいた。


(嗅覚に比較的優れている獣人型モンスターっっ?!?!)


ゆっくり、ゆっくりとその場から離れる為何故か匂いがキツい台所へと向かう。

そうすれば自身の匂いは誤魔化せると考えたからだ。


「っ!」


そこには人の死体があった。

死んで少し経っているからか蝿がたかっている。


「ルルルルル」


家の目の前辺りからそのモンスターと思しき声が聞こえた。


(ヤバッーーーーー死ん)


バキィッ!!


扉は蹴破られた。





明日も頑張るよぉ

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