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キレる

連続更新148日目

速くなった。



異空間内で時間を遅めて意識の細分化、コピーの鍛錬を始めて4日。

初歩の初歩ならば少しだけ出来るようになる。


「やっと入門試験レベルはクリアしたか……色々と複雑な内容なのに良くもまぁ4日でコツを掴んだものだよ。

 魔力の扱いに優れる悪魔族の血を引くと明言するだけの実力かな」


「悪魔族が魔力の扱いに優れていようと思考回路の細分化とか専門外ですよきっと……」


「そもそもの発想が無いみたいだろ??なら仕方ない。科学の発達したこの世界で生きるコトワリ君はまだ遠くで苦戦している2人と比べればその面だけ見れば才能はある。

 ただの得て不得手ともとれるが……取り敢えず気にしなくていいな」


入門試験レベル技術の習得に使った道具を見つめる。

そして何度か動かす。


「最初はふざけているのかと思ったこれがまさかねーー」


「突き詰めなければただの遊びにしかならない。だけどそれを突き詰めるとこれになると言える。

 思考の細分化だけを特化させたいのならボードゲームを複数個同時進行かつ『待った』無しでやるとかなり鍛えられるからオススメだ。

 戦闘に結びつけられるかはさておきだ……!」


大きくその小さな体を伸ばすと溜息を吐く。


「取り敢えずは出来たから一旦外に出ないか?味気ないご飯を食べるのは気が進まない……」


「なら知り合いがやってるオススメの店あるんで皆と行きます??お友達価格で安くはなりませんが値段以上に美味しいですよ」


「君の知り合いか?それは興味深いな!是非案内してくれ!……あ、お金を払うのなら渡したカードを使ってくれよ?使われないと礼にならない」


「了解です。カトレアー!ダーケーーン!!」


「「何だ?」」


ビックリするくらい綺麗に同時に振り向いた。

その顔には少しだけ苛立ちが見て取れる。

余程思考の細分化、コピーが難しいのか血管すら浮き出ていた。


「……そげにあせらんでも」


「何だその話し方は」


「そんな事より用があるんじゃないのか?」


ダーケンの言葉に慌ててシルビアと話していた事を伝える。


「あのお……姉妹が居候している店か?」


「もう居候じゃなくて正式に同棲してるらしいぞ」


「「何?!」」


2人にとってはここ数週間の中で1番の衝撃的なカミングアウトに珍しく声を荒げてしまう。





福井


断乃達は部員全員+シルビア、ジャスティンを連れてキルノアとジャックが住む店に来た。

一応これが初来日となるシルビアとジャスティンはアメリカとはまた違った店の構え方に感心しながらスマホで何度か写真を撮る。


「これはビルに囲まれ過ぎたアメリカの店とはまた違う迫力があるな」


「アメリカに慣れすぎというかこれが初めての国外なので興奮しますね」


来日してそのまま断乃に会いに来た2人は日本の店に一度も立ち寄っていない。


「私はアメリカで有名になりすぎでしまってね。毎日帽子を被り人混みの中を掻き分け街を散策する事が日課だったよ。

 ……ん〜〜〜!!帽子を被らず気兼ねなく歩けたのは少なくとも5年は無かった!」


窮屈に生きて来た反動がこの笑顔に良く現れている。

さぁとうとう店に入ろうとすると通行人がコソコソ話す。


「あの子小さくて可愛いね〜〜」


「スーツまで着て背伸びしてる〜!」


カチン


「…………」


「し、シルビア?」


店の扉に手を掛けたままシルビアは固まり拳に力が入る。

何とか我慢しているがプルプル震えていていた。

昔から散々低身長を弄られ続けて来た為かなり神経質になっている。

心を落ち着かせ、気にしないようにして扉を開けようするとトドメの一撃が聞こえた。


「んぁ?ガキがスーツ来てら?コスプレか?最近の男子は気が早いねぇ」


その瞬間ジャスティンの顔から血の気が引くと同時にシルビアの姿が転移と見間違えるほどのスピードで消えた。

反射的に断乃達は最後のトドメの一撃を呟いた厳ついおっさんの所を向く。


()は女だし」


シルビアが襟を掴み足をそれなりに痛む力で蹴り払った。


「おばぁあ?!?!」


体勢を崩し地面に背中を強打する。

その際に変な声が漏れ出るが一切気にしない。


「こんな見た目でも20歳超えてるしモンスターを何千何万と殺してる……その中にお前を加えようか?」


シルビアの逆鱗

男と間違えるを見事に踏んづけてしまったおっさんは真正面からその殺意を受け顔面蒼白になる。


()は低身長を弄られるのが大嫌いだけど女にのに男に間違えられる事が何よりの屈辱なんだよ……!()が持つ権力を使って君の存在を抹消したい気分だ」


襟を掴みクロスさせて締め上げて持ち上げる。

そしてしつこくその体を揺らす。

一連を光景を見ていた最初に呟いた女子高生は慌てて退散して行く。


「一人称が怒ると僕になるのかぁ……ボクっ娘かぁ」


「「断乃君」」


「断乃」


呼乃田、真梨、堅霧が反応する。


「「「「ボクっ娘とは結構なお手前で」」」」


ガララララ


「いい加減店の前で騒ぐのは辞めてくれるかしらぁ?」




完全復活

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