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もう1人

連続更新139日目

頭痛くて思考纏まらん

エアコンくそぉ……



「今年入って人が増えました」


「はい」


「まずはカトレアさん。この家唯一の女性だったのでかなり気を遣いました。次にダーケンさんですが部屋の問題はそれほど無かったですが既にカトレアさんがいたので気の遣いかたはある程度の把握していました」


「……はい」


断乃は淡々と話していく父親に軽く萎縮している。


「そして次はガディーヴァさん……男性と」


断乃含めリビングで全員集合している為皆の顔を確認する。

そしてチラリとガディーヴァの腰付近から見える"尻尾"を見てため息を吐く。


「今まで見た目完璧な"人間"だったのにどうして人間の枠組みから外れる人を連れてくるんだ……!」


「いやまぁ……お母さんも一応悪魔族だったんある意味慣れてる〜〜……よね?。あとガディーヴァはずっとここに住むんじゃなくて支部の方で専用の部屋を用意してもらってるからそこに住むの。

 今は色々と魔狩人協会の本部も支部もどちらも忙しいから住む事になるのは明後日になるっぽいんだけも」


「お母さんから自分は悪魔族だとか聞かされた時は「何を馬鹿な」と思ったが、こうまで先祖と名乗る人物や立ち位置的には遠い親戚の人、そしてガディーヴァさんという明らかに人外の存在を見ればやっと本当に信じる気にもなる」


眠気覚ましとして愛飲しているあまり効果の無いコーヒーを一気に呷るおガディーヴァと断乃にしっかりと伝える。


「部屋に着いては物置同然となってる部屋を改装すれば問題ないがガディーヴァさんも一緒に住むとなれば引っ越しも考えないと行けない。

 ガディーヴァさんはどうしたい?」


「我か?我はそうだな……」


顎に手を添えて真剣に考える。

30秒ほどして父親を見た。


「我の肢体は他の者よりかなり大きいと認識している。故に普段の生活で迷惑をかけると考えた。

 それに普段ダンノは学び舎に通っている、そのような時ここにすむ明らかに人間とは違う特徴を持つ我が出歩けば要らぬ騒動を呼ぶやも知れん。

 ならばここではない専用の場所で過ごした方がライバルに迷惑を掛けるよりマシだと思っている」


尻尾を何度かフリフリと振り今の感情を表した。

父親には尻尾で表した感情など全く分からない。


「拾ってくる猫は違うんだから気を付けなさい断乃」


「我は龍人だが?」


「そうじゃなくて」


「「くっっ!」」


天然の悪気の無いガディーヴァのボケにやられた父親は思わず頭を抱えた。

その様子に笑ってしまったカトレアとダーケンは口元を抑えて見えないようにする。

だが吹き出した時に聞こえた音で気付いている父親はスッ……っと2人を見た。


「今日2人のオカズを一品減らします」


「「なっ?!?!」」


意外と食に対して妙な執念を持つ2人が同時に席を立ちその顔を凛々しい顔から焦燥に駆られた顔へと変化した。


「ちょ、ちょっと待て!少し笑っただけだろう?!何もオカズ一品丸々減らす事はないだろう?!」


「もう少し何というか……手心を……」


カトレアより遥かに前の時代

カトレアの時代より食が遥かに貧しかった時に生きたダーケンは最早絶望と言ってもいいくらいの表情でオロオロとしている。


断乃はその時代の食事事情を聞いた事があるが今を生きる人達からすればあり得ないものだった。

貴族とはいえ普段の食事にかさ増しがあり庶民は動物を自ら狩って来る意外肉を食す機会はない、貧乏貴族となれば実質ただの肩書きであり領民を養わなければ行けない為ほぼ平民と変わらない食事となる。


そんな経験から悲壮な顔で俯く姿に説得力があり過ぎた。

あり過ぎた故に父親も同情してしまうほどに


「……オカズの没収は無しにしてデザートの方を少なくする方向でっ」


「「?!?!」」


まさかの情状酌量

2人は歓喜し両手を上げて喜んだ。


「我の話は?」


「お父さんの家計って良く話が脱線するらしいんだ。だから今も3人でオカズの一品で話が大きくそれたでしょ?

 お父さんから聞いたんだけど先祖も話脱線しすぎて怒られたんだってさ」


「ダンノも偶に思考が脱線してる雰囲気の時あるからやはり血か……」


「血って意外と侮れんのよ。先祖返りって言葉があるくらいだしさ」


(少し脱線したな)


何とかオカズ騒動が収まり1日が終わった。







寝る

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