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ことの顛末

連続更新138日目

暇が欲しいねぇ



「ーーーーー以上が報告の内容です会長」


「ドラゴンを操るだけでなく突如街中に出現した……と。源、お前はこの件どう見る?」


「他の報告や証言、そして昨今の異常なまでのモンスターの発生件数、魔獣化件数から考え見るに人の手が加わっているのは間違いないと思っています。

 更に少し前情報提供を条件としえ魔狩人協会に登録したあの姉妹からの証言も合わせるとほぼ確実……に、組織的に人類に害を為そうとする存在がある」


「しかし襲撃され解体、姉の方は対人に特化していることもあり実力は折り紙付き、対人でなくとも実力は日本の特級の中でも上位。

 妹の方は姉より実力は劣るがそれでも常に成長し登録時はギリギリ特級だったが今は特級の中でも真ん中の実力……そんな2人がいても逃げに徹するしかない相手」


魔狩人協会の会長は憂鬱そうに源を気遣い煙草の煙を上に向けて吐く。

短くなって数部分もなくなった煙草を灰皿に押し付けて火を消した。


「更に更に面倒毎の種を持って来たのが間鵞廼君と半葉君の母校の後輩である理君。

 明らかに人の体に龍と思われる特徴を持つ存在を引き連れていたとの証言」


「そして共闘したとはいえ突如発生した甘く見積もっても特級はあるドラゴンをたったの二撃で瞬殺」


「源君」


「…………何か?」


嫌な予感がした源は返事を躊躇うが仕事は少しもサボる事が出来ない性分故か返事をする。


「会長辞めて隠居して良いかな?」


「戯けた事を抜かさないで下さい。いくら普段の仕事が書類に目を通す事や判子を押す事、重鎮との会談や政府との会合しかないとはいえ貴方は魔狩人協会の象徴であり希望なんです」


「過去の栄光だ」


「過去だとはいえ世界初の特級禁忌を倒した人間ですよ?」


「今は……」


ゆっくりとソファーから立ち上がる。


「若手の相手をするだけで息が上がる」


「この世界に転がり込んで来て何年経ちました?数百年生きてるんですから仕方がありません。

 老いです」


「辛辣……だなぁ」


「どれだけ一緒にいると思ってるんですか。

 そんな事よりこの短剣です。刺した対象を短剣内に閉じ込めて魔力によってその封印が開かれる。会長これはもしかしなくても最近全国各地、世界各地で報告が上がっている強大なモンスターの突如とした出現の原因なのでは?」


「間違いないだろう。モンスターが倒されそこで発生した少量の魔力がその短剣に集まり封印が解かれる……油断した所に現れる流れだから被害も必然的に増えてしまう。

 明確な人類への敵対、よほど目の上のタンコブなのだろうな」


手元の書類を取り龍人と呼ばれる存在のプロフィールを見つめた。

これは断乃が本気の模擬戦闘に付き合う事と兎に角上手い肉を奢る条件で魔狩人協会にある程度の詳細の調査をお願いしたのだ。

ガディーヴァはかなり不機嫌になったが魔狩人協会御用達の店で肉を食べると忽ち機嫌を直す。


「更に」


「まだあるのか?」


「理さんの家に居候している女性2人はその《隷属の短剣》についておおよそ見当がついているとの事ですね」


「頭が痛い……」


「頭痛薬です」


「違う、そうじゃない」


ノックの音が3回聞こえ、部屋の扉が開くと1人の女性が入って来た。

大量の資料を会長の目の前に下ろす。


「会長、姉妹の証言、龍人と名乗る男の証言、例の2人の証言を元に予想される目的や行動パターンや短剣の詳細な能力の数々をーーーーー」


「多すぎる!!!私は少し休むんだーーー!!!」


「駄目だす」


「ぇグェッ」


逃げ出そうとした会長の襟を掴み勢いに任せて部屋の床に叩きつける。

その際に表現の見つからない奇妙な悲鳴を出すが源は一切気にしない。

馬乗りになると胸元を掴んだ。


「……最後に判子を押したのはいつですか?」


「3日前だ」


「最後にまともに私以外の部下と話したのはいつですか?」


「……4日前だ……です」


「それでは次の質問を最後にします」


源は深呼吸をして覚悟を決めた。


「今年何度無断欠勤をしましたか???」


青筋が浮かぶ笑顔をゼロ距離で会長に見せつける。

どう頑張っても源は衰えたとしても会長と戦闘力の面では勝てない。

しかし会長は近年稀に見る源の本気のキレ具合に恐れ慄いている。


「……ご」


「はい???」


「一年365日、そして今年に入って既に200日近く経っています。その内の何日無断欠勤しましか?」


「ご、50回」


震える声で源に告げる。

ニッッッコリと笑うと源は一言だけ告げた。


「今年はもう休み無しだぁぁぁぁぁ!!!!!!」


「個人的な用事があったからァァア!!」


「そのおかげでこちらとら会長仕事の穴埋め全部してるんだよ!!!!ふさふさの頭今すぐテッカテカにしてやろうかぁあ?!」


髪を掴み毟りにかかる。

だが会長は髪の毛に強化魔法を施し毟られまいと全力の抵抗を始めた。


そんな小学生の喧嘩を見せつけられている女性職員は一礼だけすると部屋から出て行った。





氷速射属性弾専用の武器作ったけど

弱かったぁ……

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