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完全休日 筈

連続更新136日目

金冠出せ

カプコン



安堵

断乃がまず感じた感情だった。

小さな女の子が母親に抱かれながらこれ以上ないくらいに泣いている。


(足が……)


母親の足が腫れ上がっているのが確認出来た。

そして即座に今いる場所から東京の魔狩人協会までの経路を思い浮かべ親子を《擬似転移 : 付与》で送る為手の平から出した魔力で包む。


「あっ温かい……」


「俺怪我は治せないんで着いたら現場の人に言って下さい。きっとヒーラーがいますから」


「あのーーーーー」


一言だけ言うと《擬似転移》を発動させる。

母親が何か言おうとしていたが言い終わる前に送ってしまっていた為聞き取れない。


周りには群と呼ぶに相応しい数のモンスターが立っていて暴れたり駆けつけた魔狩人に襲い掛かったりしていた。

今断乃の目の前には二級ほどの強さを持つモンスターが距離を取って見つめている。


「対人戦闘では殺傷能力が強すぎて弱めて使ったり直接的な殺しの能力がない能力しか使えないが対モンスター……処理すべき相手には遠慮が要らない。

 モンスター相手なら俺の《能力》は最強格なんだよ!!」


《変刃 : トラスフォーゼ》を手の中に呼び出すと《能力》を発動させた。


「3枚おろしだ」


その一言が呟かられた瞬間には周りの断乃に明確な敵意を向けていたモンスターが三分割されただの物体へと姿を変える。


どんどんランクの高い魔狩人から低い魔狩人まで応援に駆けつけて入り乱れて戦闘を始めた。


「弓じゃ他の魔狩人を巻き込む可能性があるか……?大剣……じゃ大振り過ぎてカッコよくない。

 ならやっぱりいつもの双剣 : トンファー!!」


ジャリィイン!!


勢いよく刃を鳴らすと早速背後のモンスターに気付いていない魔狩人の元へ行きカバーを行う。


「っ?!すまない!!」


「それより逃げ遅れた人の誘導はどうした?!」


「スピードに特化した魔狩人が対処してるっ!」


おおよそ30代に差し掛かったと思える青年……と呼べるか怪しい男性がモンスターの攻撃をギリギリの所で避けて返事をした。


「おっと!……おじさんのランクは!」


「二級!」


「見た感じ強い個体で二級!しかも10m範囲に一体くらいの割合でいるが大丈夫か?!」


「一対一を集中出来ればやらない事もないがこうまで多いと無理だ!!」


頭を下げ、上体を逸らし二級のモンスターの斬撃を躱す。


「了解!なら俺はアンタが対処キツそうなモンスターを狩って行く!!」


「助かる!後俺はおじさんじゃねぇ!!まだ28歳だ!!」


背後から襲って来たモンスターを回し蹴りで殺すと少し高めに跳躍する。


(目標補足、座標固定!)


斬撃贈与(プレゼントキル)!!」


気分を乗らせる為に考えた技名、補足した個体全てに斬撃を強制的に()()()()()する。

技名全てにアブソリュートを付けるこういう技名の方がカッコいいと気付いたのだ。

厨二病が復活しかけている瞬間である。


プレゼントされた斬撃は魔狩人達が対峙しているモンスターのアキレス腱。

下手に殺し力を空振りさせると体に無駄な負担が掛かると考えた結果こうなった。


魔力探知(マジックサーチ)


技名が付いていなかった技にまで名前を付ける。

魔力が広がり正確に二級に該当するモンスターを調べ上げた。


「……これは」


他と比べて特別強い個体はいないが調べた範囲ではモンスターのランクは最低でも三級下位はある。

上は二級上位と意外と差があった。


「人の足りていない所はっ!」


魔力探知で調べた結果モンスターが密集してるが魔狩人と思われる反応がない空間があった。


「応援に行く前にここの二級を潰すか」


《絶対切断》を双剣 : トンファーに付与

流れるように襲いかかって来たモンスターの首を刎ね胴体を蹴る事で他の三級のモンスターを巻き込む。

そして1番近くにいたモンスター殺す。

モンスターに苦戦し膝をついていた魔狩人を無理矢理立ち上がらせる。


「気合いを入れろ。数は多いが仲間と連携すれば途端に雑魚に成り下がるヤツばかりだ」


発破をかける意味も込めて伝えると恐れず襲いかかって来たモンスターを拳で捉え地面に殴り堕とした。


バキャッ


命が潰える音がねっとりと耳に残る。

断乃が助けた少年は見た感じ同じ高校生だな少しだけ年上に見えた。


「怪我は?」


「特に無いです。武器が少し心配ですが」


少年の言葉に釣られ持っていた剣をチラリと確認する。

見事な罅が入っていた。


「ならこれを使え」


腰にもしもの時の予備として差してあった短剣を取り出し多分先輩である少年に投げ渡す。


「使え!俺はここにいる魔狩人が対処出来ないモンスターを処理した後他の応援に行く!!もしヤバいと思ったらその短剣に魔力を込めて爆発させろ!

 数キロ離れていてもこちらに伝わる仕組みになってる!」


「分かった!!」


返事が貰えるとこの場にいる二級を補足そして斬撃贈与で複数の斬撃を一度に叩き込み殺す。

《絶対切断》は付与していないが《絶対切断》の中の能力の内である斬撃を飛ばす能力で魔力の節約もしておく。


「すっ……げぇ」


「頑張れよ」


擬似転移で断乃は姿を消した。





やる気が欲しい

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